真夏の熱中症、実は涼しい室内でも起こる理由と予防法
「熱中症は炎天下で起こるもの」…そう思っていませんか?
実は、涼しい室内でも熱中症は発生します。特に真夏は、油断が重症化のきっかけになることもあります。ここでは、室内熱中症が起こる原因と予防法を医師の視点で解説します。
室内で熱中症が起こる主な原因
高湿度環境
エアコンの設定温度が低くても、湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体内の熱がこもります。梅雨明けから真夏にかけては湿度が高くなりやすく、湿度管理が重要です。
体温調節機能の低下
高齢者や慢性疾患のある方では、暑さを感じる感覚や発汗機能が低下しており、気づかないうちに体温が上がります。これが室内熱中症の大きな要因です。
脱水
エアコン使用中は喉の渇きを感じにくく、気づかないうちに水分不足になりがちです。汗をかいていなくても体内の水分は失われています。
室内熱中症のリスクが高い人
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65歳以上の高齢者
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乳幼児
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心疾患・腎疾患・糖尿病などの持病がある方
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利尿薬や降圧薬を使用している方
室内熱中症の予防法
温湿度管理
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室温:25〜28℃
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湿度:40〜60%
湿度計やエアコンの除湿機能を活用し、温湿度を見える化しましょう。
こまめな水分・塩分補給
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喉が渇く前に水や経口補水液を摂取する
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カフェインやアルコールは利尿作用で脱水を進める可能性があります
衣服の工夫
吸湿性・通気性の高い衣類を選び、首元や脇を冷やすと効果的です。
受診の目安
以下の症状がある場合は速やかに涼しい場所で休み、水分を摂取してください。改善がなければ医療機関を受診しましょう。
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めまい、立ちくらみ、倦怠感
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汗が出ない、体温が高い
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意識がぼんやりする、会話が不自然になる
まとめ
室内熱中症は「涼しいつもり」が油断につながる点が特徴です。温湿度の見える化と定期的な水分補給が最大の予防策です。特に高齢者や持病のある方は、自覚症状が出にくいため、日頃から注意が必要です。
エビデンス
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環境省. 熱中症環境保健マニュアル 2024年版
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厚生労働省. 健康のための水分補給に関する指針
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Japanese Society of Biometeorology. 室内熱中症に関する提言, 2023
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