秋の花粉症対策2025 ブタクサ・ヨモギ花粉と口腔アレルギー症候群の関係
秋にも花粉症はあります
花粉症と聞くと春のスギ花粉を思い浮かべる方が多いですが、実は秋にもアレルギー性鼻炎の原因となる花粉が飛散します。代表的なのがブタクサやヨモギです。これらはキク科の植物で、道端や河川敷、空き地などに多く自生し、8月下旬から10月にかけて花粉が飛びます。
秋の花粉症の特徴
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主な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみ
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春の花粉症よりも症状が軽いと感じる方もいますが、慢性化や副鼻腔炎に繋がることも
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ダニやハウスダストなどの通年性アレルギーと重なる場合があり、症状が長引くこともあります
花粉と食べ物の交差反応 ― 口腔アレルギー症候群(OAS)
ブタクサやヨモギの花粉にアレルギーがある方は、特定の果物や野菜を食べたときに口の中や唇がかゆくなる、腫れるといった症状が出ることがあります。これを**口腔アレルギー症候群(Oral Allergy Syndrome, OAS)**と呼びます。
特に反応が起こりやすい食品
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ブタクサ:メロン、スイカ、ズッキーニ、バナナ
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ヨモギ:セロリ、ニンジン、リンゴ、ハーブ類(カモミールなど)
OASはアナフィラキシーに進行する場合もあるため、症状がある方は早めに医療機関で相談が必要です。
当院で可能な検査と治療
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アレルギー血液検査(IgE)
スギやヒノキだけでなく、ブタクサ、ヨモギ、ダニ、動物など複数項目を同時測定できます。 -
舌下免疫療法の適応確認(※現時点ではブタクサ・ヨモギは保険適応外ですが、スギやダニでは可能)
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抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイド薬の処方
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重症例や長引く症状に対する生活指導
自宅でできる秋花粉対策
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洗濯物は室内干しまたは花粉飛散が少ない時間帯に外干し
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帰宅時は玄関前で衣類や髪の花粉を払う
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花粉情報をチェックし、飛散が多い日は外出を控える
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空気清浄機やエアコンフィルターの清掃をこまめに行う
まとめ
秋の花粉症は見過ごされがちですが、日常生活や仕事・学業に支障をきたすこともあります。さらに、ブタクサやヨモギの花粉症は口腔アレルギー症候群を伴う可能性もあり、放置は危険です。気になる症状があれば、早めの検査と適切な治療が重要です。
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参考文献
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日本アレルギー学会「アレルギー疾患診療ガイドライン」2022年版
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Sicherer SH, Sampson HA. Food allergy: Epidemiology, pathogenesis, diagnosis, and treatment. J Allergy Clin Immunol. 2014;133(2):291-307.
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Burney PG et al. The prevalence and distribution of food sensitization in European adults. Allergy. 2014;69(3):365-371.