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大人もかかる突発性発疹とは?症状・原因・治療を医師が解説

[2025.08.09]

大人も突発性発疹になるの?

突発性発疹(Exanthem Subitum / Roseola Infantum)は、乳幼児に多いウイルス感染症ですが、大人にも発症することがあります。
成人例は多くがヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)または7型(HHV-7)の再活性化感染によるもので、まれに成人初感染で起こります。

成人が発症する原因は?

  • 乳幼児期にHHV-6/7に感染後、体内で潜伏しているウイルスが再活性化することが多い

  • 免疫力が低下する状況で発症しやすい

    • 強い疲労やストレス

    • 糖尿病や悪性腫瘍などの基礎疾患

    • 免疫抑制薬内服中

    • 妊娠・出産後

    • 臓器移植後

  • 成人初感染は稀ですが、乳幼児と接触が多い職種(保育士・小児科医など)で起こることがあります

大人の突発性発疹の症状は?

発熱期

  • 38〜40℃の発熱が3〜5日間続く

  • 咽頭痛、咳、鼻水、倦怠感、筋肉痛、頭痛などインフルエンザ様症状

  • リンパ節腫脹(後頸部・耳介後部)が見られることもある

発疹期

  • 解熱直後〜翌日に、体幹を中心に紅斑性発疹が出る

  • 顔や首、四肢に広がることもある

  • かゆみは軽度〜中等度

  • 発疹は数日で自然消退

その他

  • 軟口蓋にナギサ斑(赤い小斑点)を認めることがある

  • 発疹が軽度または出ない「不全型」もある

どうやって診断するの?

  • 典型的な経過(高熱→解熱直後の発疹)で診断が可能

  • 血液検査では軽度の白血球減少やAST/ALT上昇を認めることがある

  • 確定診断が必要な場合(移植後や免疫抑制例など)にはHHV-6/7 PCR検査を行うこともある

他の病気との見分け方(鑑別診断)

  • 麻疹、風疹

  • EBウイルス感染症(伝染性単核球症)

  • パルボウイルスB19感染症(伝染性紅斑)

  • アレルギー性薬疹

  • COVID-19などのウイルス性発疹症

治療は?

  • 健康成人では対症療法が基本

    • 解熱薬(アセトアミノフェン)で発熱や頭痛を緩和

    • 水分・栄養補給

  • かゆみがある場合は抗ヒスタミン薬を使用することもある

  • 免疫抑制患者や重症例では抗ウイルス薬(ガンシクロビルなど)を検討する場合がある

予後と注意点

  • 健康成人は予後良好で、1〜2週間以内に自然回復

  • 免疫力が低下している場合は、重症化や長引くケースもある

  • 高熱時は脱水に注意


【参考文献】

  1. Yamanishi K, et al. Identification of human herpesvirus-6 as a causal agent for exanthem subitum. Lancet. 1988;1(8594):1065-1067.

  2. Okuno T, et al. Human herpesvirus 6 infection in adults. Arch Intern Med. 1995;155(1):33-36.

  3. 日本感染症学会. 成人発疹症診療ガイドライン 2023年版


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