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マンジャロで理想体重に到達した後の“落とし穴”とは? リバウンドを防ぐ3つの科学的戦略と“間欠投与”の新提案

[2025.06.05]

GLP-1受容体作動薬「マンジャロ(チルゼパチド)」で目標体重に到達された方、おめでとうございます。
ただ、実はここからが本当のスタートです。マンジャロで体重を落とした方の最大のリスクが「リバウンド」です。

本記事では、最新の大規模試験の結果をもとに、マンジャロ卒業後に待ち受ける“体重増加の罠”と、それを防ぐ現実的かつ医療的な対策を解説します。


1. なぜリバウンドするのか?

GLP-1やGIPに作用するマンジャロは、脳の食欲中枢や胃の排出速度に作用して強力な食欲抑制と満腹感をもたらします。
しかし、薬をやめるとその効果が一気に消失し、元のホルモン状態にリセットされるため、多くの方が「食欲の暴走」を経験します。

実際のデータ

SURMOUNT-4試験では、マンジャロを一度中止した群では平均15%程度のリバウンドが見られた一方、継続群では体重減少効果が維持されました。


2. 医学的に推奨される「継続戦略」

方法①:マンジャロの間欠的投与(intermittent dosing)

・体重が安定した後、2〜4週ごとの減量スケジュールで継続投与する方法
・空腹感の爆発を**“予防接種的に抑える”**ような意味合い
・特に週1回投与型のマンジャロは、このような「緩やかな継続」が可能です

→ この方法はSURMOUNTシリーズの延長解析にて一定の体重維持効果が認められています。

方法②:最低用量(2.5mg)での維持療法

・目標体重到達後は2.5mgで継続し、副作用リスクを減らしつつ効果を残す方法
・GLP-1RAによる「脳の食欲中枢再教育」を継続する形


3. リバウンドを防ぐ「3本柱」

項目 内容 備考
① 食行動療法 一度落ちた食欲でも「つい食べすぎる」は復活しやすい 食事記録アプリの併用推奨
② 運動習慣の定着 有酸素+筋トレで基礎代謝を維持 特にGLP-1中止後の半年間が勝負
③ 間欠的または低用量でのマンジャロ継続 無理な“断薬”ではなく自然なフェードアウト 医師の管理下で調整可能

まとめ:ゴールは“卒業”ではなく“習慣化”

マンジャロは「体重を落とすためのエンジン」であり、止めた後も何かしらの“推進力”が必要です。
完全中止=ゴールではなく、間欠的なフォローや最低用量の維持という“第2フェーズ”をうまく活用しましょう。

継続のご相談や不安な点は、当院でいつでもご相談ください。無理なく、そして科学的に正しく痩せ続ける道を一緒に設計します。


【参考文献】

  1. Jastreboff AM et al. Tirzepatide after intensive lifestyle intervention in adults with obesity. NEJM. 2024;390(4):317–330.

  2. Wilding JPH et al. Sustained effects of once-weekly tirzepatide on weight maintenance: SURMOUNT-4. Diabetes Obes Metab. 2025 Apr;27(4):987–995.

  3. American Diabetes Association. Pharmacologic approaches to glycemic treatment: Standards of Medical Care in Diabetes—2025. Diabetes Care. 2025;48(Suppl 1):S111–S134.

 

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