マンジャロ(チルゼパチド)の副作用まとめ:安全性を正しく理解するために
GLP-1/GIP受容体作動薬であるマンジャロ(一般名:チルゼパチド)は、2型糖尿病や肥満症の治療に使われる新しい注射薬です。非常に高い体重減少効果が報告される一方、副作用について不安を抱く方も多くおられます。
本記事では、信頼性の高い臨床研究とガイドラインに基づき、マンジャロの副作用と安全性について正しくお伝えします。
主な副作用と頻度(SURPASS試験より)
マンジャロの安全性は、国際的な臨床試験(SURPASS-1〜5)で詳細に検討されています。以下に代表的な副作用とその頻度を示します。
| 副作用の種類 | 主な症状 | 発生頻度 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 消化器症状 | 吐き気・下痢・便秘・嘔吐 | 約20〜30% | 多くは軽度〜中等度。開始初期に集中し、徐々に軽減することが多い |
| 食欲低下 | 空腹感の減少 | 約10〜15% | 体重減少効果に関連 |
| 倦怠感・頭痛 | 体のだるさや軽い頭痛 | 5〜10%未満 | 比較的軽度で自然軽快する例が多い |
| 低血糖 | めまい、発汗など | 単剤使用時は1%未満。SU薬やインスリン併用で5〜6%程度 | 特に糖尿病治療で他薬と併用している場合に注意 |
| 急性膵炎 | 上腹部の強い痛み、背部痛 | 0.1%未満 | 稀だが重篤な副作用のため注意が必要 |
出典:
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SURPASS-2: JAMA. 2021;325(20):2070-2081.
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FDA Prescribing Information(Mounjaro™)
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厚生労働省:医薬品リスク管理計画書(RMP)
日本での位置づけと制度上の注意点
マンジャロは現在、日本国内で2型糖尿病に対して保険適応があります。また、肥満症に対しても保険適応は存在します(2024年4月より)。ただし、この保険適応には次のような非常に厳格な施設基準があります:
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肥満症治療の専門的診療体制
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日本肥満学会が定めた診療ガイドラインの遵守
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チーム医療体制の構築(管理栄養士・運動療法士など)
そのため、通常のクリニックでは保険算定が困難であり、多くの施設では自由診療での対応となっています。
副作用が出たときの対応
よくあるケースと対処法:
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吐き気・食欲不振:投与タイミングを食後にする、制吐薬(メトクロプラミドなど)を併用する
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便秘:マグネシウム製剤、食物繊維・水分摂取の指導
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下痢:整腸剤(ビオフェルミンやミヤBMなど)を用いる
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低血糖:他の糖尿病薬の減量・中止、糖分摂取の指導
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強い腹痛(膵炎疑い):即時中止のうえ、医療機関へ連絡
副作用の大半は用量調整や併用薬でコントロール可能ですが、重症化リスクがある場合には中止や医師の判断が必要です。
「死亡例」「失明」などの噂について
インターネット上では「マンジャロで死亡した」「失明した」などの表現も見られますが、現在のところ、因果関係が明確に示された高品質な報告は存在していません。
一部で膵炎や腸閉塞などの重篤な副作用が報告されていますが、いずれも頻度は非常に低く、また発症しても早期対応により重症化を防ぐことが可能です。
まとめ:副作用を正しく理解し、安全に使うことが重要
マンジャロは高い減量効果を持つ一方で、一定の副作用が報告されています。ただし、多くの副作用は一過性で軽度であり、適切な管理のもとで安全に使用できます。
当院では、副作用に関する丁寧な説明と、投与中の体調管理に重点を置いて診療を行っています。気になる症状があれば、早めにご相談ください。
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