症状が軽いうちに対策すると、なぜ花粉症シーズンを通して楽になるのか ──「炎症の立ち上がり」を抑えるという考え方
花粉症は、「花粉が飛び始めてから症状が出る病気」と思われがちですが、
医学的には 花粉曝露が続くことで炎症が蓄積していく慢性炎症性疾患 と位置づけられています。
そのため、症状が強く出てから治療を始めるのと、
症状が軽いうちから対策を行うのとでは、シーズン全体の経過が大きく異なります。
この考え方は、日本のアレルギー性鼻炎診療ガイドラインでも明確に示されています。
花粉症は「一発で起きる病気」ではない
花粉症の症状は、以下のような段階を経て悪化していきます。
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花粉が鼻や目の粘膜に付着する
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免疫細胞が反応し、ヒスタミンなどの炎症物質が放出される
-
粘膜に炎症が起こる
-
花粉曝露が続くことで、炎症が蓄積・増幅していく
重要なのは、この炎症は一度起きるとすぐにゼロには戻らない という点です。
軽い鼻水・くしゃみの段階でも、
粘膜の内部ではすでに炎症反応が始まっています。
炎症には「立ち上がり」がある
炎症反応は、時間とともに以下のように変化します。
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初期:炎症は小さく、可逆的
-
中期:炎症が持続し、過敏性が上昇
-
後期:少量の花粉でも強い症状が出る状態になる
この 初期〜立ち上がりの段階で炎症を抑えられるかどうか が、
シーズン後半の症状の重さを左右します。
なぜ「あとから薬を増やしても効きにくい」のか
症状が強くなってから治療を始めると、
-
粘膜の炎症がすでに完成している
-
神経の過敏性が上がっている
-
少量の刺激でも症状が出やすい状態になっている
という状況になっています。
この段階では、
-
薬を使っても「完全に抑えきれない」
-
効果が実感しにくい
-
薬の種類や量を増やさざるを得ない
といったことが起こりやすくなります。
初期から対策すると、何が違うのか
症状が軽いうちから治療を行うことで、
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粘膜の炎症の立ち上がりを抑える
-
過敏な状態に移行しにくくする
-
結果として、後半の症状が強くなりにくい
という効果が期待できます。
これは「今つらい症状を抑える」というより、
シーズン全体の病態をコントロールする治療 と考えると理解しやすいです。
ガイドラインが「初期療法」を推奨する理由
日本のアレルギー性鼻炎診療ガイドラインでは、
-
花粉飛散開始前
-
もしくは症状が軽度な段階
からの治療開始が推奨されています。
その理由は、
-
症状のピークを低く抑えられる
-
シーズンを通したQOL(生活の質)が改善する
-
重症化を防ぎやすい
といった点が、複数の研究で示されているためです。
「まだ我慢できる」は、医学的には最適解ではない
「まだ軽いから様子を見る」という選択は、
生活上は自然ですが、医学的には必ずしも有利ではありません。
花粉症は、
-
症状が出てから治す病気
ではなく -
症状が強くなる前に抑える病気
という側面を持っています。
まとめ
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花粉症は炎症が蓄積していく病気
-
症状が軽いうちからの対策で、炎症の立ち上がりを抑えられる
-
その結果、シーズン後半の症状が重くなりにくくなる
-
この考え方は日本の診療ガイドラインでも推奨されている
「毎年つらくなる前に始める」
それが、花粉症治療の基本戦略です。
参考文献(エビデンス)
-
鼻アレルギー診療ガイドライン2024(改訂第9版)
-
Okubo K, et al. Allergology International. 2020
-
Bousquet J, et al. Allergy. 2019
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