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症状が軽いうちに対策すると、なぜ花粉症シーズンを通して楽になるのか ──「炎症の立ち上がり」を抑えるという考え方

[2026.02.05]

花粉症は、「花粉が飛び始めてから症状が出る病気」と思われがちですが、
医学的には 花粉曝露が続くことで炎症が蓄積していく慢性炎症性疾患 と位置づけられています。

そのため、症状が強く出てから治療を始めるのと、
症状が軽いうちから対策を行うのとでは、シーズン全体の経過が大きく異なります。

この考え方は、日本のアレルギー性鼻炎診療ガイドラインでも明確に示されています。


花粉症は「一発で起きる病気」ではない

花粉症の症状は、以下のような段階を経て悪化していきます。

  1. 花粉が鼻や目の粘膜に付着する

  2. 免疫細胞が反応し、ヒスタミンなどの炎症物質が放出される

  3. 粘膜に炎症が起こる

  4. 花粉曝露が続くことで、炎症が蓄積・増幅していく

重要なのは、この炎症は一度起きるとすぐにゼロには戻らない という点です。

軽い鼻水・くしゃみの段階でも、
粘膜の内部ではすでに炎症反応が始まっています。

 

炎症には「立ち上がり」がある

炎症反応は、時間とともに以下のように変化します。

  • 初期:炎症は小さく、可逆的

  • 中期:炎症が持続し、過敏性が上昇

  • 後期:少量の花粉でも強い症状が出る状態になる

この 初期〜立ち上がりの段階で炎症を抑えられるかどうか が、
シーズン後半の症状の重さを左右します。


なぜ「あとから薬を増やしても効きにくい」のか

症状が強くなってから治療を始めると、

  • 粘膜の炎症がすでに完成している

  • 神経の過敏性が上がっている

  • 少量の刺激でも症状が出やすい状態になっている

という状況になっています。

この段階では、

  • 薬を使っても「完全に抑えきれない」

  • 効果が実感しにくい

  • 薬の種類や量を増やさざるを得ない

といったことが起こりやすくなります。


初期から対策すると、何が違うのか

症状が軽いうちから治療を行うことで、

  • 粘膜の炎症の立ち上がりを抑える

  • 過敏な状態に移行しにくくする

  • 結果として、後半の症状が強くなりにくい

という効果が期待できます。

これは「今つらい症状を抑える」というより、
シーズン全体の病態をコントロールする治療 と考えると理解しやすいです。


ガイドラインが「初期療法」を推奨する理由

日本のアレルギー性鼻炎診療ガイドラインでは、

  • 花粉飛散開始前

  • もしくは症状が軽度な段階

からの治療開始が推奨されています。

その理由は、

  • 症状のピークを低く抑えられる

  • シーズンを通したQOL(生活の質)が改善する

  • 重症化を防ぎやすい

といった点が、複数の研究で示されているためです。


「まだ我慢できる」は、医学的には最適解ではない

「まだ軽いから様子を見る」という選択は、
生活上は自然ですが、医学的には必ずしも有利ではありません。

花粉症は、

  • 症状が出てから治す病気
    ではなく

  • 症状が強くなる前に抑える病気

という側面を持っています。


まとめ

  • 花粉症は炎症が蓄積していく病気

  • 症状が軽いうちからの対策で、炎症の立ち上がりを抑えられる

  • その結果、シーズン後半の症状が重くなりにくくなる

  • この考え方は日本の診療ガイドラインでも推奨されている

「毎年つらくなる前に始める」
それが、花粉症治療の基本戦略です。


参考文献(エビデンス)

  • 鼻アレルギー診療ガイドライン2024(改訂第9版)

  • Okubo K, et al. Allergology International. 2020

  • Bousquet J, et al. Allergy. 2019


ひろつ内科クリニック受診予約はこちらから
https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874

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