BLOG
一般内科・症状解説
一般内科・症状解説の記事(110件)
水様便とは?原因・メカニズム・受診の目安を内科医が徹底解説
この記事の要点水様便とは便中の水分量が90%以上となり、形を保てずほぼ液体の状態で排出される便のことブリストルスケール(便性状スケール)ではタイプ7に分類され、明確な医学的定義がある水様便の発生メカニズムは「浸透圧性」「分泌性」「滲出性」「腸管運動性」の4つに分類される急性(2週間以内)の水様便は感染性胃腸炎や食中毒が…
3月〜4月に増える病気まとめ|内科医が解説する春の体調不良の原因と対策
この記事の要点3月〜4月は花粉症だけでなく、感染症・自律神経の乱れ・メンタル不調が同時に増加する「体調を崩しやすい季節」である花粉症はスギからヒノキへ切り替わる時期にあたり、「スギが終わったのに症状が続く」場合はヒノキ花粉への反応を疑う溶連菌感染症・インフルエンザB型・新型コロナウイルスは春にも流行が続く寒暖差による自…
口角炎が治らない原因と正しい治療法|カンジダ・栄養不足・受診の目安を内科医が解説
この記事の要点口角炎は唇の両端(口角)に生じる炎症で、亀裂・赤み・かさぶた・痛みを伴い、口を開けるたびに裂けるのが特徴です最も多い原因はカンジダ菌(真菌)と黄色ブドウ球菌の混合感染で、約60%を占めるとされています栄養欠乏(鉄・亜鉛・ビタミンB群)が背景にあるケースが全体の約25%を占め、血液検査で判明することがありま…
緑内障と診断されたら使えない薬がある?内科医が解説する「緑内障禁忌薬」の正しい知識
この記事の要点添付文書に「緑内障禁忌」と記載されている薬剤は、処方薬全体の約6.2%(約1,330剤)に及ぶ2019年6月の厚生労働省通知により、抗コリン薬の禁忌対象は「緑内障」から「閉塞隅角緑内障」に改訂された日本人の緑内障の約90%は開放隅角緑内障(正常眼圧緑内障を含む)であり、抗コリン薬の使用制限が不要なケースが…
花粉症の処方目薬、コンタクトをしたまま使えるの?内科医が防腐剤から徹底解説
この記事の要点大半の処方抗アレルギー点眼薬には防腐剤「ベンザルコニウム塩化物」が含まれており、ソフトコンタクトレンズ装用中の点眼は添付文書上禁止されています。例外的にコンタクト装用のまま点眼できる処方薬は、現時点ではアレジオン点眼液(エピナスチン)が実質的に唯一の選択肢です。ただしジェネリックは製品によって防腐剤の有無…
ゾレア(オマリズマブ)とは?重症アレルギーに使われる抗IgE抗体製剤を内科医が徹底解説
この記事の要点ゾレア(一般名:オマリズマブ)は、アレルギー反応の根幹を担うIgEを標的とした「抗IgE抗体製剤」です。従来の抗アレルギー薬とは作用機序が根本的に異なります。保険適用の対象は「難治性気管支喘息」「重症・最重症の季節性アレルギー性鼻炎(スギ花粉症)」「特発性の慢性蕁麻疹」の3疾患に限られており、誰でも使える…
チラージン内服中にTSHが低くなる理由と骨粗鬆症リスク|甲状腺ホルモン補充と骨代謝の関係を医師が解説
この記事の要点チラージン(レボチロキシン)を内服すると、血中甲状腺ホルモン濃度の上昇が下垂体にフィードバックされ、TSH分泌が抑制されます。これは正常な生理的反応です。TSHが意図せず低値になっている場合、甲状腺ホルモンが過剰補充されている可能性があります。定期的な採血による用量確認が必要です。甲状腺癌術後の「TSH抑…
GLP-1作動薬(マンジャロ・オゼンピック等)はアトピーや喘息に効くのか?最新エビデンスを医師が深掘り解説
この記事の要点GLP-1受容体(GLP-1R)は膵臓だけでなく、肺・皮膚・免疫細胞にも広く発現しており、アレルギー炎症を担うTh2サイトカイン(IL-4・IL-5・IL-13)の産生を抑制する作用が動物実験・ヒト組織研究で示されています。喘息については後ろ向きコホート研究でGLP-1作動薬使用者の増悪リスク低下が報告さ…
【2026年3月第1週】スギ花粉の飛散状況|全国でピーク最盛期、福岡はいつ終わる?
2026年3月第1週(3/1〜3/5)、関東から九州にかけてスギ花粉の飛散がピーク最盛期に突入した 先週末(2/27〜3/1)、東京・青梅市で1日あたり約3,986個/cm²を記録——2001年以降の統計で過去最多クラスの飛散量 3月3日(火)は全国的な雨で一時的に減少したが、3月4日(水)以降は雨上がり・気温上昇・強風・乾燥の条件が重なり再び大量飛散 福岡のスギ花粉ピークは3月上旬まで。ヒノキ花粉は3月中旬頃から西日本で飛散が増える見込み 市販薬で症状が抑えきれない場合は処方薬への切り替えを検討する時期
犬に咬まれたらまず何をすべき? ― 応急処置・病院受診の目安・感染リスクを内科医が解説
この記事の要点 犬に咬まれた直後にまずやるべきことは、流水で最低5分間、傷口を徹底的に洗い流すことです。 これが感染予防において最もエビデンスのある初期対応であり、Pasteurella属菌や狂犬病ウイルスのリスクを大幅に低減します[1][2]。 「ちょっと咬まれただけ」「血も止まったし大丈夫だろう」――そう判断して受診しない方は少なくありません。 しかし、犬咬傷の感染率は3〜18%とされており[
外国人診療をつつがなくこなしているクリニックは、日本人に対する診療姿勢も良いと予想される理由
最近、日本の医療現場でも外国人患者を診る機会は確実に増えています。観光、留学、就労など背景はさまざまですが、「言語や文化が異なる患者を診療する」という場面は、もはや特別なものではありません。 今日は少し肩の力を抜いて、一般論としての雑感を書いてみます。 あくまで個人的な観察ですが、外国人診療を安定して、落ち着いて、つつがなくこなしている医療機関は、日本人に対する診療姿勢も丁寧である可能性が高い、と
デパスは本当に危険な薬なのか? ―依存性問題と臨床的役割を整理する―
「デパスは危ない薬らしい」 「依存になるから絶対にやめた方がいい」 このような情報を目にして、不安になったことがある方もいるかもしれません。 しかし医療は、善か悪かの二元論では語れません。 重要なのは「薬そのものが悪かどうか」ではなく、どのような状況で、どのように使われているかです。 今回は、デパス(一般名:エチゾラム)について、薬理学・ガイドライン・臨床現場の実態を整理します。 デパスとは何か
花粉症市販薬を徹底比較⑥【完全版】 OTCで治らない花粉症 ― どこからが医療介入か。市販薬の限界を“重症度と作用機序”で整理する ―
シリーズ最終回は、結論を明確にします。 市販薬(OTC)は、成分そのものは医療用と共通のものも多く、軽症〜中等症の一部では合理的に使えます。 一方で、花粉症は「症状の強さ」「鼻閉の比率」「合併症(喘息・副鼻腔炎など)」によって、OTCだけでは管理しにくい層が一定数存在します。 本稿では、 「どこからが医療機関での評価・治療が検討されるか」 を、推測ではなく、ガイドラインの枠組みと薬理学で整理します
花粉症市販薬を徹底比較⑤【完全版】 総合鼻炎薬という名の“配合カプセル”を解体する ― パブロン鼻炎カプセルSα・コンタック鼻炎Zの成分構造を読む ―
ここまでで整理したように、 ・抗ヒスタミン単剤 ・点鼻ステロイド ・血管収縮薬 は、それぞれ作用機序が明確です。 一方、市販棚で目立つのが 「総合鼻炎薬」「カプセルタイプ」です。 代表例: パブロン鼻炎カプセルSα コンタック鼻炎Z 一見「強そう」に見えますが、 重要なのは“何が入っているか”です。 1. 配合剤の基本構造 多くの総合鼻炎薬は、以下のような構成です。 成分群 役割 抗ヒスタミン く
花粉症市販薬を徹底比較④【完全版】 眠くならない市販薬はどれか ― 「眠気」と「集中力低下」を薬理学で整理し、具体的な選び方を提示する ―
花粉症の市販薬を選ぶとき、毎年必ず問題になるのが「眠気」です。 ただし、眠気は単に「眠くなる/ならない」だけではありません。 抗ヒスタミン薬の中枢移行によって起こり得るのは主に2つです。 眠気(主観症状) インペアード・パフォーマンス(集中力・判断力・作業効率の低下) 本人が眠気を強く自覚しなくても、後者が出ることがあります。 この視点が、市販薬選びでは重要です。 1. 眠気はなぜ起こるのか:中枢
花粉症市販薬を徹底比較③【完全版】 鼻づまりに強い市販薬はどれか ― ナザールスプレーとプソイドエフェドリンの功罪を整理する ―
第1回・第2回で整理した通り、 抗ヒスタミン薬はヒスタミン経路のみ 点鼻ステロイドは炎症全体 に作用します。 しかし、 「今この瞬間の鼻づまりをどうにかしたい」 というニーズに使われるのが血管収縮系薬剤です。 代表的製品は次の通りです。 ■ 局所血管収縮薬 ナザールスプレー 主成分:ナファゾリン塩酸塩 ■ 内服血管収縮成分を含む製品 コンタック鼻炎Z (プソイドエフェドリン含有) 1. 鼻づまりの
花粉症市販薬を徹底比較①【完全版】 アレグラFX・クラリチンEX・ストナリニZはどう違うのか ― 成分構造・眠気・鼻閉への効果まで医学的に整理する ―
花粉症シーズンになると、まず検討されるのが市販薬です。 その中心にあるのが第二世代抗ヒスタミン薬です。 現在、ドラッグストアで主力となっている代表製品は次の3つです。 アレグラFX クラリチンEX ストナリニZ 結論から言うと、 「どれが一番強いか」ではなく、 症状タイプと眠気リスクで選ぶ薬が変わります。 その理由を順に説明します。 1. まず病態を整理する 花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)はIg
花粉症市販薬を徹底比較②【完全版】 フルナーゼ点鼻薬とナザールαARは本当に有効か ― 炎症カスケードから理解する点鼻ステロイドの位置づけ ―
第1回では第二世代抗ヒスタミン薬を整理しました。 しかし日本の鼻アレルギー診療ガイドラインでは、 中等症以上の第一選択は「点鼻ステロイド」です。 市販で購入できる代表製品は次の2つです。 フルナーゼ点鼻薬〈季節性アレルギー専用〉 ナザールαAR0.1% いずれも有効成分は フルチカゾンプロピオン酸エステルです。 1. 抗ヒスタミンと何が違うのか? まず構造的な違いを明確にします。 ■ 抗ヒスタミン
痛風発作に対するコルヒチンの効果と用量 ― 病態から承認用量・低用量レジメンまで整理する
痛風発作は「尿酸が高いこと」そのものではなく、関節内に沈着した尿酸ナトリウム(MSU)結晶に対する急性炎症反応です。 コルヒチンは鎮痛薬ではなく、この炎症カスケードを抑制する薬剤です。 本記事では、 痛風発作の分子レベルの病態 コルヒチンの作用機序 臨床的位置づけ 日本の承認用量 近年の低用量レジメン を体系的に整理します。 1.痛風発作の本態:IL-1βと好中球炎症 ① MSU結晶の沈着 高尿酸
授乳中の内服は何に注意したらいいのか ―「飲めない」ではなく「どう判断するか」を整理する―
はじめに 授乳中の方からよく聞かれる質問のひとつに 「授乳中は薬を飲んではいけないのでしょうか?」 というものがあります。 結論から言えば、授乳中であっても内服が検討される薬は存在します。 一方で、すべての薬が無条件に使用できるわけではなく、医師は一定の判断軸に基づいて可否を考えています。 この記事では、 授乳中の内服を判断する際に、医療者が何を見ているのか という点を、一般の方にも分かるよう総説
eGFRカーブとは何か 腎機能低下を「点」ではなく「流れ」で捉える考え方
eGFRは「1回の数値」では意味が薄い eGFR(推算糸球体濾過量)は、腎臓の働きを数値化した指標です。 健康診断や外来で最も頻繁に目にする腎機能指標ですが、 eGFR 58 → 大丈夫? eGFR 52 → もうCKD? eGFR 45 → すぐ透析? と、単発の数値だけで不安になる方が非常に多いのが実情です。 しかし、腎臓病の本質は 「今いくつか」ではなく「どんなスピードで下がっているか」
症状が軽いうちに対策すると、なぜ花粉症シーズンを通して楽になるのか ──「炎症の立ち上がり」を抑えるという考え方
花粉症は、「花粉が飛び始めてから症状が出る病気」と思われがちですが、 医学的には 花粉曝露が続くことで炎症が蓄積していく慢性炎症性疾患 と位置づけられています。 そのため、症状が強く出てから治療を始めるのと、 症状が軽いうちから対策を行うのとでは、シーズン全体の経過が大きく異なります。 この考え方は、日本のアレルギー性鼻炎診療ガイドラインでも明確に示されています。 花粉症は「一発で起きる病気」では
なぜ花粉症治療は「ステロイド点鼻薬」から始まるのか ―― ガイドラインに基づく整理
インターネットやSNSでは 「ステロイドは最後の手段」 「長く使うと危ない」 といったイメージが根強く残っています。 しかし、日本の花粉症診療においては、 中等症以上のアレルギー性鼻炎に対して ステロイド点鼻薬は初期治療・第一選択薬として位置づけられています。 なぜそのような扱いになっているのか。 ここでは、日本の診療ガイドラインを軸に、医学的な理由を整理します。 花粉症は「鼻の中の炎症」が本体
鉄欠乏で起きうる症状を超網羅的に解説 ― 鉄って、想像以上に大事です ―
「鉄欠乏=貧血」というイメージは一般的ですが、実際には貧血になる前の段階から、全身にさまざまな症状が出現することが知られています。 これは、鉄が「赤血球を作る材料」であるだけでなく、全身の細胞機能を支える必須元素だからです。 本記事では、鉄欠乏によって起こりうる症状を、臓器・システム別にできる限り網羅的に解説します。 鉄の基本的な役割 鉄は体内で以下のような役割を担っています。 ヘモグロビン・ミオ