ツムラ漢方 苦さランキング TOP30(臨床印象編)
漢方薬といえば「苦い」というイメージがあります。実際には、甘くて飲みやすいものから、顔をしかめたくなるほど強烈に苦いものまでさまざまです。
今回は臨床でよく処方される「ツムラ漢方製剤」を対象に、苦さの印象をランキング形式でまとめました。
※感じ方には個人差があり、あくまで目安としてご覧ください。
SS級(激苦・顔をしかめるレベル)
1位 黄連解毒湯(15)
黄連・黄芩・黄柏・山梔子と苦味成分が勢ぞろい。飲むと「苦い!」と声が出るほど。
2位 三黄瀉心湯(30)
黄芩・黄連・大黄のトリオ。強烈な苦味と下剤作用で短期決戦型。
3位 白虎加人参湯(13)
石膏が多く独特の重たい苦さ。冷やす作用も強烈。
4位 大柴胡湯(8)
柴胡・黄芩・大黄入り。ストレス胃腸や肥満傾向に使うが「漢方=苦い」を体現。
5位 半夏瀉心湯(14)
逆流性食道炎や胃もたれに。半夏の辛味と黄連の苦味で複雑な不快さ。
S級(かなり苦い)
6位 黄連湯(29)
胃腸炎や逆流性食道炎。黄連の苦さ全開。
7位 柴胡加竜骨牡蛎湯(12)
精神不安・不眠に。柴胡・黄芩の苦さに鉱物系の渋みが加わる。
8位 小柴胡湯(9)
風邪のこじれ・肝疾患など。苦くて長期内服は慣れるまでが大変。
9位 大黄甘草湯(84)
便秘薬。大黄の苦渋さが強烈。
10位 防風通聖散(62)
いわゆる“ダイエット漢方”。苦くて続かないという声も多い。
A級(苦味をしっかり感じる)
11位 瀉心湯(33)
急性胃腸炎・下痢。黄連・黄芩由来の苦味がしっかり。
12位 大承気湯(126)
強力な下剤。苦渋く、腹痛・下痢とセットで“きつさ”を実感。
13位 小承気湯(124)
大承気湯よりマイルドだが十分苦い。
14位 茵蔯蒿湯(136)
肝障害・黄疸に。草っぽい苦味が苦手な人多数。
15位 大黄牡丹皮湯(87)
炎症性疾患・便秘。大黄+牡丹皮の渋苦さ。
B級(そこそこ苦い)
16位 柴胡桂枝湯(10)
風邪の長引き・胃腸虚弱。柴胡・黄芩が効いて苦め。
17位 小青竜湯(19)
鼻水・アレルギー。渋みが強いが「意外と大丈夫」派も。
18位 十味敗毒湯(48)
皮膚科処方の定番。複雑な苦渋み。
19位 小柴胡湯加桔梗石膏(93)
喉の炎症。柴胡系の苦味+石膏の冷たい渋み。
20位 葛根黄芩黄連湯(54)
下痢・感冒時に。黄連・黄芩の苦さが効く。
C級(人によっては飲みにくい)
21位 防已黄耆湯(107)
浮腫に。クセのある草っぽさで中程度の苦さ。
22位 大建中湯(100)
お腹の張り。山椒・乾姜でピリ辛+苦味。
23位 当帰芍薬散(23)
婦人科で定番。甘さと苦さが同居し、人によって評価が分かれる。
24位 桂枝茯苓丸(25)
血流改善処方。クセはあるが苦さは控えめ。
25位 加味逍遙散(24)
ストレス・不眠。比較的飲みやすいが、柴胡の苦味はある。
D級(比較的飲みやすい)
26位 葛根湯(1)
風邪の定番。甘草と桂皮でバランスよく意外に飲みやすい。
27位 麦門冬湯(29)
咳止め。麦門冬の甘みでむしろスッキリ系。
28位 補中益気湯(41)
虚弱体質に。人参・甘草の甘味で苦さは軽め。
29位 小建中湯(108)
小児でも飲める。膠飴が入り甘さ強め。
30位 苓桂朮甘湯(39)
めまい・立ちくらみ。甘草が効いて比較的あっさり。
苦さの傾向まとめ
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「黄連・黄芩・黄柏」=激苦三兄弟
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「大黄」系は苦+渋が強烈
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「補剤系」は甘味が強く飲みやすい
苦いから効く、というわけではありませんが、服薬継続の大きな障害になるのも事実。
どうしてもつらい時はオブラートやゼリーなどの工夫を取り入れると続けやすくなります。
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