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【医師が解説】大人もかかる「ヘルパンギーナ」とは?熱やのどの痛みに要注意!

[2025.07.04]

夏になると流行しやすい「ヘルパンギーナ」。本来は小児に多いウイルス感染症ですが、近年では大人の感染も増えており、注意が必要です。

この記事では、内科医が「大人のヘルパンギーナ」について、症状・診断・治療・注意点をわかりやすく解説します。


ヘルパンギーナとは?

ヘルパンギーナは、主に**コクサッキーウイルス(A群)**によって起こる感染症です。夏場に多く、飛沫や接触によってうつります。

子どもに多い病気…でも大人もかかる!

5歳以下の乳幼児に多いとされますが、免疫が低下している大人や、子どもと接する機会が多い保護者、医療・教育関係者なども感染することがあります


大人のヘルパンギーナ:症状の特徴

小児に比べて、大人の方が症状が強く出やすい傾向にあります。

主な症状 説明
高熱 38〜40℃の発熱が2〜4日続くことも。
咽頭痛 飲み込めないほど強い痛みになることも。
口内の水疱 のどの奥に小さな水ぶくれや潰瘍ができ、痛みの原因に。
倦怠感 インフルエンザのような全身症状を伴うことも。

ヘルパンギーナと風邪の違いは?

項目 ヘルパンギーナ 一般的な風邪
熱の出方 突然の高熱 ゆるやかに上昇
のどの状態 水疱・潰瘍を伴う激しい痛み 軽い咽頭炎や乾燥感
咳や鼻水 少ない よく見られる
感染のピーク 夏(6月〜8月) 冬場に多い

診断と検査

診断は臨床症状をもとに行われます。必要に応じて咽頭ぬぐい液のウイルス検査血液検査を行うこともありますが、一般的には典型的な症状であれば追加検査は不要です。


治療法:対症療法が基本

ウイルス感染のため、特効薬や抗ウイルス薬は存在しません。治療は以下のような対症療法が中心です。

  • 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)で熱やのどの痛みを和らげる

  • 水分・栄養補給

  • 安静

※抗生物質はウイルスに効果がないため、細菌感染の合併がなければ不要です。


登院・出勤の目安は?

大人の場合、「出勤停止」といった法的規制はありませんが、発熱や強い症状がある間は休養が推奨されます。ウイルス排出は発症後3〜5日程度とされますが、症状の経過をみて判断してください。


予防方法は?

  • 手洗い・うがいの徹底

  • タオルや食器の共有を避ける

  • 体調不良の子どもとの密接な接触を控える

  • 免疫力の維持(睡眠・栄養・ストレス管理)


まとめ:大人のヘルパンギーナは「重症化しやすい」ことも

大人のヘルパンギーナは、子どもよりもつらくなることもあるため、「ただの風邪」と軽視せず、早めに受診して適切な対処をとりましょう。

のどの強い痛みや高熱が続く場合には、内科受診をおすすめします。


参考文献・エビデンス

  • 国立感染症研究所 感染症発生動向調査

  • 日本小児科学会「小児感染症マニュアル」

  • Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Hand, Foot, and Mouth Disease

  • N Engl J Med 2018; 378:1196–1203. DOI: 10.1056/NEJMcp1707638

 

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