のどの痛み、実は「溶連菌」かも?~扁桃炎とその原因について~
こんな症状ありませんか?
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のどが真っ赤で痛い
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高い熱が出た(38℃以上)
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食べ物や飲み物がしみる
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体がだるくて元気が出ない
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子どもがいきなり発熱・のどの痛みを訴えた
これらは「扁桃炎」や「溶連菌感染症」のサインかもしれません。
扁桃炎ってどんな病気?
のどの奥にある「扁桃(へんとう)」という部分が赤く腫れて、炎症を起こす病気です。
原因には主に2つあります:
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ウイルス性(風邪と同じようなもの):自然に治ることが多い
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細菌性(代表:溶連菌):抗生物質による治療が必要
溶連菌ってなに?
「溶連菌(ようれんきん)」は、A群溶血性連鎖球菌という細菌で、のどに感染すると強い炎症を起こします。
特に子どもに多く見られ、高熱・のどの強い痛み・赤い発疹(猩紅熱)が特徴です。
どれくらい多いの?
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子どもの「のどの病気」の約3人に1人は溶連菌が原因
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毎年冬から春にかけて流行
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大人も子どもからうつることがあります
検査はどうするの?
病院では、のどを綿棒でこすって、溶連菌がいるかどうかを調べる迅速検査(数分で結果が出る)を行うことができます。
治療は?
ウイルス性の扁桃炎(風邪の場合)
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解熱剤や痛み止めなどの対症療法
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水分補給と十分な休養が大切
溶連菌感染症の場合
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抗生物質(アモキシシリンやペニシリン系)を10日間内服
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症状が治っても、処方された分は必ず飲み切ることが重要です
放っておくとどうなるの?
まれではありますが、以下のような合併症のリスクがあります。
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扁桃周囲膿瘍(のどに膿がたまる)
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急性糸球体腎炎(血尿やむくみが出る)
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リウマチ熱(関節炎や心臓の病気を引き起こす)
これらは抗生物質を正しく飲むことで予防可能です。
予防のポイント
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手洗いとうがいを習慣にする
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タオルやコップの共有を避ける
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熱が下がっても、解熱から24時間は登園・登校を控える
まとめ
「風邪だと思っていたのどの痛み」が、実は細菌感染だったということも少なくありません。
特にお子さんが、のどの強い痛みや高熱を訴えた場合は、早めの受診をおすすめします。