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ツムラ漢方 苦さランキング TOP30(臨床印象編)

[2025.09.14]

漢方薬といえば「苦い」というイメージがあります。実際には、甘くて飲みやすいものから、顔をしかめたくなるほど強烈に苦いものまでさまざまです。
今回は臨床でよく処方される「ツムラ漢方製剤」を対象に、苦さの印象をランキング形式でまとめました。

※感じ方には個人差があり、あくまで目安としてご覧ください。


SS級(激苦・顔をしかめるレベル)

1位 黄連解毒湯(15)
黄連・黄芩・黄柏・山梔子と苦味成分が勢ぞろい。飲むと「苦い!」と声が出るほど。

2位 三黄瀉心湯(30)
黄芩・黄連・大黄のトリオ。強烈な苦味と下剤作用で短期決戦型。

3位 白虎加人参湯(13)
石膏が多く独特の重たい苦さ。冷やす作用も強烈。

4位 大柴胡湯(8)
柴胡・黄芩・大黄入り。ストレス胃腸や肥満傾向に使うが「漢方=苦い」を体現。

5位 半夏瀉心湯(14)
逆流性食道炎や胃もたれに。半夏の辛味と黄連の苦味で複雑な不快さ。


S級(かなり苦い)

6位 黄連湯(29)
胃腸炎や逆流性食道炎。黄連の苦さ全開。

7位 柴胡加竜骨牡蛎湯(12)
精神不安・不眠に。柴胡・黄芩の苦さに鉱物系の渋みが加わる。

8位 小柴胡湯(9)
風邪のこじれ・肝疾患など。苦くて長期内服は慣れるまでが大変。

9位 大黄甘草湯(84)
便秘薬。大黄の苦渋さが強烈。

10位 防風通聖散(62)
いわゆる“ダイエット漢方”。苦くて続かないという声も多い。


A級(苦味をしっかり感じる)

11位 瀉心湯(33)
急性胃腸炎・下痢。黄連・黄芩由来の苦味がしっかり。

12位 大承気湯(126)
強力な下剤。苦渋く、腹痛・下痢とセットで“きつさ”を実感。

13位 小承気湯(124)
大承気湯よりマイルドだが十分苦い。

14位 茵蔯蒿湯(136)
肝障害・黄疸に。草っぽい苦味が苦手な人多数。

15位 大黄牡丹皮湯(87)
炎症性疾患・便秘。大黄+牡丹皮の渋苦さ。


B級(そこそこ苦い)

16位 柴胡桂枝湯(10)
風邪の長引き・胃腸虚弱。柴胡・黄芩が効いて苦め。

17位 小青竜湯(19)
鼻水・アレルギー。渋みが強いが「意外と大丈夫」派も。

18位 十味敗毒湯(48)
皮膚科処方の定番。複雑な苦渋み。

19位 小柴胡湯加桔梗石膏(93)
喉の炎症。柴胡系の苦味+石膏の冷たい渋み。

20位 葛根黄芩黄連湯(54)
下痢・感冒時に。黄連・黄芩の苦さが効く。


C級(人によっては飲みにくい)

21位 防已黄耆湯(107)
浮腫に。クセのある草っぽさで中程度の苦さ。

22位 大建中湯(100)
お腹の張り。山椒・乾姜でピリ辛+苦味。

23位 当帰芍薬散(23)
婦人科で定番。甘さと苦さが同居し、人によって評価が分かれる。

24位 桂枝茯苓丸(25)
血流改善処方。クセはあるが苦さは控えめ。

25位 加味逍遙散(24)
ストレス・不眠。比較的飲みやすいが、柴胡の苦味はある。


D級(比較的飲みやすい)

26位 葛根湯(1)
風邪の定番。甘草と桂皮でバランスよく意外に飲みやすい。

27位 麦門冬湯(29)
咳止め。麦門冬の甘みでむしろスッキリ系。

28位 補中益気湯(41)
虚弱体質に。人参・甘草の甘味で苦さは軽め。

29位 小建中湯(108)
小児でも飲める。膠飴が入り甘さ強め。

30位 苓桂朮甘湯(39)
めまい・立ちくらみ。甘草が効いて比較的あっさり。


苦さの傾向まとめ

  • 「黄連・黄芩・黄柏」=激苦三兄弟

  • 「大黄」系は苦+渋が強烈

  • 「補剤系」は甘味が強く飲みやすい

苦いから効く、というわけではありませんが、服薬継続の大きな障害になるのも事実。
どうしてもつらい時はオブラートやゼリーなどの工夫を取り入れると続けやすくなります。


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