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薬で発疹が出る?薬疹の原因となりやすい薬剤と最新データ

薬で発疹が出る?薬疹の原因となりやすい薬剤と最新データ

[2025.07.27]

薬を飲んだあとに皮膚に赤い発疹が出た…それ、「薬疹(やくしん)」の可能性があります。

ほとんどの薬は安全に使えますが、中にはアレルギー反応として発疹を起こしやすい薬剤も存在します。

今回は、最新の大規模データをもとに、薬疹が起きやすい薬とその頻度・注意点について、医師の立場からわかりやすく解説します。


薬疹とは?

薬疹は、薬を内服または注射したあとに現れる皮膚のアレルギー反応です。

赤い発疹やかゆみ、水ぶくれ、じんましん、重症例では粘膜びらんや発熱を伴うこともあります。

**軽症で済むものが多い一方で、まれに命に関わる重篤な型(スティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症)**も存在します。


薬疹を起こしやすい薬剤ランキング

薬剤カテゴリ

代表例

薬疹との関連性

抗菌薬

アモキシシリン、セフェム、ST合剤

頻度・重症度ともに高く、注意が必要。特にST合剤は重症型の代表。

抗てんかん薬

カルバマゼピン、ラモトリギン、フェニトイン

初回投与後2〜8週でSJS/TENを起こしやすい。

NSAIDs

ロキソプロフェン、アスピリン、イブプロフェン

比較的多く使用されるため、薬疹の原因薬として頻度は高い。

抗痛風薬

アロプリノール

日本人では遺伝子型によりSJS/TENの高リスク群あり。

抗結核薬

リファンピシン、イソニアジド

発疹と同時に肝機能障害を伴うことがある。

 


遺伝的に注意が必要な薬(日本人での知見)

  • アロプリノール → HLA-B*58:01
  • カルバマゼピン → HLA-A*31:01

これらの遺伝型を持つ人では、重症型薬疹(SJS/TEN)の発症リスクが高くなることが知られています。


初期症状の見分け方と対応のポイント

薬疹の初期には、以下のような症状が現れます:

  • 飲み始めて数日〜2週間での発疹
  • 全身の赤みやかゆみ
  • 発熱、粘膜のただれ、目の充血
  • 症状が急速に広がる場合

これらの症状がある場合、すぐに医療機関を受診してください。


当院の対応について(重要)

当院では、薬疹が疑われる患者さんに対し、以下の初期対応を行っています:

  • 病歴聴取と原因薬の同定
  • 必要に応じた採血や内服中止の判断
  • 軽症例への内服・外用処方(抗ヒスタミン薬・ステロイド等)

ただし、中等症〜重症が疑われる場合や診断が難しいケースでは、速やかに皮膚科専門医へご紹介しています。

薬疹は皮膚科が専門領域であり、当院はあくまで「初期の評価とトリアージ」を担う立場です。


まとめ

薬疹は、抗菌薬や鎮痛薬など日常的によく使われる薬でも起こり得ます。

特に発疹や熱が出たときは「薬のせいかも?」と考えることが大切です。

当院では、薬疹を疑った場合の初期評価と必要な検査、そして専門医紹介までの導線を整えています。

気になる皮膚症状がある方は、まずはお気軽にご相談ください。


ひろつ内科クリニック受診予約はこちらから

https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874


【参考文献】

  • 日本皮膚科学会「重症薬疹診療ガイドライン 2023」
  • Mockenhaupt M. et al. “Stevens-Johnson syndrome and toxic epidermal necrolysis: a multinational case-control study.” JAMA, 2008
  • Chen P. et al. “Carbamazepine-induced hypersensitivity reactions and HLA alleles.” NEJM, 2011
  • Chung WH et al. “Medical genetics: a marker for Stevens-Johnson syndrome.” Nature, 2004
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