経口補水液(ORS)の正しい飲み方 〜熱中症・胃腸炎・脱水対策に〜
経口補水液(ORS)の正しい飲み方 〜熱中症・胃腸炎・脱水対策に〜
[2025.06.16]
暑い季節や体調不良のとき、「経口補水液(ORS)」を飲んでいる方も多いのではないでしょうか?
ただし、水分補給として使うにはいくつかの“正しい飲み方”が存在します。
今回は、経口補水液の効果的な使い方について医師の立場から解説します。
そもそも経口補水液(ORS)とは?
経口補水液とは、水・ナトリウム・ブドウ糖などを適切なバランスで含む飲料で、脱水状態の改善を目的に作られています。
ポカリスエットやアクエリアスといったスポーツドリンクとは異なり、「治療目的」の飲料です。
経口補水液の代表例:
- OS-1(大塚製薬)
- アクアソリタ(味の素)
- 経口補水液シリーズ(和光堂 など)
飲むタイミングと状況
経口補水液は、以下のような脱水リスクがある状況で推奨されます。
状況 | 飲用の目的 |
|---|---|
発熱・下痢・嘔吐時 | 体液と電解質の喪失を補う |
激しい発汗時 | ナトリウム喪失の補充と体内の水分維持 |
高齢者や乳幼児 | 脱水に対する早期対応として |
高温多湿下の屋外作業 | 熱中症予防、早期脱水の補正 |
正しい飲み方と注意点
1. 少量ずつこまめに飲む
一気飲みは吸収効率が悪く、胃腸への負担になるため、5〜10分ごとに50〜100mLずつが基本です。
2. 冷やしすぎない
冷たすぎると腸の吸収が悪くなるため、常温〜やや冷たい程度が推奨されます。
3. 1日の上限量に注意
健康成人での目安は1L前後まで。
糖分やナトリウム量が多いため、腎機能に不安のある方や高血圧の方は医師に相談を。
4. 日常の水分補給には不向き
脱水していない時に毎日飲むのは、塩分過剰・糖分過剰のリスクがあるため、予防目的の常用は避けるべきです。
よくある誤解
スポーツドリンク=経口補水液?
→ スポーツドリンクは糖分が多く、ナトリウムが少なめ。軽度の発汗にはOKですが、脱水治療には不適です。
熱中症になる前にORSをがぶ飲み?
→ 熱中症予防には水+塩飴や食事での塩分補給が基本。ORSは“脱水が始まってから”の手段です。
当院のおすすめ活用法
ひろつ内科クリニックでは、以下のような患者さんにORSを積極的に勧めています:
- 高齢者の胃腸炎で食事・水分が取れない方
- マンジャロ治療中で吐き気がある方
- 感染症後の回復期にある方
- 夏季の屋外勤務やスポーツ指導者の方
必要に応じて点滴による補液との併用も行っていますので、お気軽にご相談ください。
まとめ
ポイント | 内容 |
|---|---|
飲むべきタイミング | 発熱・嘔吐・下痢・大量発汗など |
飲み方の基本 | こまめに少量ずつ、常温で |
注意すべき点 | 常用は避ける、高血圧や腎疾患は医師に相談 |
参考文献(エビデンス)
- 日本救急医学会 脱水症ガイドライン(2020年版)
- Oral rehydration salts. WHO Model Formulary 2008.
- 厚生労働省 熱中症対策マニュアル(2022)
- 日本小児科学会「急性胃腸炎の治療」指針(2016)
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