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片頭痛の薬「トリプタン系」の副作用をわかりやすく解説

片頭痛の薬「トリプタン系」の副作用をわかりやすく解説

[2025.12.01]

片頭痛の発作に使われる「トリプタン」という薬があります。

スマトリプタン(イミグラン)、リザトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタンなど、現在日本では複数の薬が使えます。

即効性があり、片頭痛治療の中心になる薬ですが、

「胸が締めつけられる感じがした」

「飲んだらめまいがあった」

といった相談も多く、初めて使う方は不安になることがあると思います。

今回は 日本のガイドラインと添付文書に基づいて、できるだけわかりやすく 副作用をまとめます。


先に結論

  1. いちばん多いのは「胸の圧迫感/重い感じ」
  2. 眠気・めまいが出ることがある
  3. 嘔気(吐き気)はトリプタンでも出るが、片頭痛そのものでも起こる
  4. 心臓や血管の病気がある方は使えない薬がある
  5. 重大な副作用は非常にまれ

よくある副作用

1. 胸の圧迫感(chest symptoms)

“胸がぎゅっと重くなる感じ”が2〜5%程度の頻度で報告されています。

多くの場合、

心臓ではなく 胸壁や食道の筋肉がぎゅっと収縮する反応 と考えられています。

数分〜数十分で自然におさまることが多いです。

ただし、

・狭心症や心筋梗塞の既往

・高血圧、喫煙、糖尿病などの危険因子

がある方は注意が必要で、これらの方にはそもそも処方できない場合があります。


2. めまい・倦怠感・眠気

服用後に

・ふわっとする

・眠たい

・ぼーっとする

といった感覚が出ることがあります。

このため服用後の車の運転や危険作業は控えるように推奨されています。


3. 吐き気(嘔気)

トリプタンの副作用として1〜5%ほど報告があります。

ただし片頭痛そのものでも吐き気が強いため、

どちらによるものか区別しにくいのが現実です。


4. 手足のしびれ・ピリピリ感

軽度のしびれが出ることがあり、数時間以内に自然におさまります。


5. ほてり・発汗

交感神経の変化により、ほてり・発汗が出ることがあります。


まれに注意が必要な副作用

1. セロトニン症候群(非常にまれ)

SSRI(抗うつ薬)などと併用したときに報告がありますが、

通常の用量のトリプタン単独で起こることは極めてまれです。

症状:発熱、震え、興奮、筋肉のピクつき など


2. 心臓の血管が収縮する反応(非常にまれ)

トリプタンは血管を収縮させる作用がある薬です。

そのため、

・心筋梗塞の既往

・狭心症

・未治療の高血圧

・脳梗塞の既往

がある方は使用できない薬があります。

ただし、日本のガイドラインでは

「健康な人での心筋虚血の報告は極めて少ない」

とされています。


薬によって副作用は少し違います

薬の名前

副作用の特徴

スマトリプタン

めまい・胸の圧迫感がやや多い

リザトリプタン

眠気・めまいがやや多い

ナラトリプタン

眠気が比較的多いが、全体にマイルド

エレトリプタン

胸の違和感がやや出やすいと言われる

※効果の強さと副作用の出方はトレードオフの面があります。


どう使えば安全か

  1. 初めて処方されたときは、まず自宅で服用を試す
  2. 胸が痛い・締めつけられる症状が強く続く場合は中止して受診
  3. 運転は控える
  4. 心血管リスク(高血圧・喫煙・糖尿病)がある人は必ず事前相談

トリプタンは“怖い薬”ではない

即効性があり、片頭痛の辛さを大きく軽減できる薬です。

副作用はありますが、

重大なものは非常にまれで、

日本では長年の使用実績があり安全性は確立されています

上手に使えば、生活の質(QOL)を大きく改善できます。

心配なことがあれば、来院時にいつでもご相談ください。


参考文献

・日本頭痛学会「慢性頭痛の診療ガイドライン2021」

・各薬剤 添付文書(PMDA)


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