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大人のリンゴ病(伝染性紅斑)とは?~子どもの病気では済まされない注意点~

大人のリンゴ病(伝染性紅斑)とは?~子どもの病気では済まされない注意点~

[2025.05.29]

「リンゴ病」と聞くと子どもの病気という印象が強いかもしれませんが、実は大人がかかると重症化することもある感染症です。最近では、地域によって流行の拡大が報告されており、医療現場では注意喚起がなされています。

リンゴ病の原因と感染経路

リンゴ病の正式名称は「伝染性紅斑」。ヒトパルボウイルスB19(Parvovirus B19)というウイルスが原因で、飛沫感染や接触感染によって広がります。

潜伏期間は4~14日、発疹が出る頃にはウイルス排出は収束しており、感染力は弱まっています。

大人がかかった場合の症状

子どもでは頬の発疹が目立つ「赤いほっぺ」が有名ですが、大人の場合は発疹よりも関節痛や全身症状が強く出ることが多いのが特徴です。

  • 微熱、頭痛、倦怠感
  • 手首や膝、足首などの左右対称性関節痛
  • 発疹(成人では出ないこともある)
  • 腫れや痛みで生活に支障をきたすケースも

多くは自然軽快しますが、数週間から数か月以上、関節症状が続く場合もあり、関節リウマチとの鑑別が必要なこともあります。

特に注意が必要なケース

① 妊娠中の感染

妊婦が初感染すると胎児の重篤な貧血や胎児水腫を引き起こすことがあります。

感染リスクが高い保育士・教師・医療職は注意が必要です。抗体価の確認が推奨されることもあります。

② 免疫不全者・溶血性疾患患者

B19ウイルスは赤血球前駆細胞を障害するため、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)などの溶血性貧血をお持ちの方では、命に関わる無形成発作(重い貧血発作)を起こすことがあります。また、免疫不全の方では感染が長引き、慢性的な貧血が続くことがあります。

検査・診断と治療

血清学的検査(IgM抗体)、PCR検査で確定診断が可能です。

治療は対症療法が中心ですが、免疫不全の方で感染が長引く場合には免疫グロブリン製剤の投与が検討されることがあり、妊婦さんが感染した場合は超音波検査などで胎児の状態を注意深く観察することが重要とされています。

当院の対応

当院では、リンゴ病が疑われる成人患者様に対して、

  • 必要に応じた血液検査(パルボB19 IgM)
  • 関節痛への消炎鎮痛剤の処方
  • 妊婦さんへの紹介先連携

    など、迅速な対応体制を整えております。

    関節痛が続く、周囲にリンゴ病の流行がある、といった方はお気軽にご相談ください。

参考文献・エビデンス

  1. Heegaard ED, Brown KE. Human parvovirus B19. Clin Microbiol Rev. 2002;15(3):485-505.
  2. Young NS, Brown KE. Parvovirus B19. N Engl J Med. 2004;350:586–597.
  3. 日本産科婦人科学会「妊婦の皆さんへ:パルボウイルスB19によるリンゴ病(伝染性紅斑)はお腹の赤ちゃんに影響することがあります」(2024年12月10日)
  4. 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症情報提供サイト「伝染性紅斑(詳細版)」(2025年8月12日更新)
  5. 国立健康危機管理研究機構(JIHS)「IDWR 2025年第26号<注目すべき感染症> 伝染性紅斑」(2025年6月25日現在)

 

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※2026年9月23日 訂正:参考文献の表記を確認し、誤りを修正しました。

※2026年10月2日 訂正:本文の一部(無形成発作の基礎疾患、治療と妊娠中の経過観察、流行状況の記載)と参考文献を一次資料で確認し、修正しました。

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