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インフル2025シリーズ #1 2025年版:インフルエンザ最新総まとめ 南半球データから読む「今年の流行と症状の特

インフル2025シリーズ #1 2025年版:インフルエンザ最新総まとめ 南半球データから読む「今年の流行と症状の特

[2025.11.14]

はじめに

2025年のインフルエンザは、例年と比べても「立ち上がりが早い」ことが大きな特徴です。

日本では10月の段階で定点報告数が急増し、11月にはすでに全国的に警報レベルを超えています。

本記事では、**南半球で先に経験された2025年冬シーズン(=日本の半年先の姿に相当)**をもとに、今年の流行株、ワクチンの当たり具合、症状の特徴を最新データから整理します。


1. 南半球2025年シーズンの総括

南半球の冬は日本より半年早く訪れます。そのため、南半球のデータは「日本の冬の見取り図」として毎年重視されています。

1−1. 主流となったウイルス

2025年シーズンに南半球で主に流行したのは、以下の3つです。

  • A(H1N1)pdm09
  • A(H3N2)
  • B(Victoria系)

地域によって傾向は異なり、

  • 南米・オセアニアではH1N1が優勢
  • 南部アフリカではH3N2が優勢

    というように、「2つのA型が地域ごとに主導権を入れ替える」状況でした。

B型ではVictoria系の流行が続いていますが、Yamagata系の復活は確認されていません。

1−2. ワクチンの効果はどうだったか

南半球2025シーズンのワクチン有効性(VE:Vaccine Effectiveness)は、

  • 外来受診抑制:約50%
  • 入院抑制:約50%

と報告されており、例年並〜やや良好という印象です。

抗原解析でも、ワクチン株と実際の流行株のマッチは良好でした。

→ 日本の2025–26シーズンでも、南半球とほぼ同じワクチン株が使われており、**「当たり具合は良い」**と考えられます。


2. 日本の2025–26シーズン:すでに警報レベル

日本では10月下旬からインフルエンザ報告数が急増しています。

  • 10月末時点の定点報告:6.29
  • 11月上旬には14.9(警報レベル10を超過)

すでに「本格的な流行期」に入っていると評価できます。

2−1. 現在の国内の主流株

国内での検出ウイルスは、

  • A(H3N2)が優勢
  • 一部にA(H1N1)も混在

という状況です。

南半球での傾向とやや異なりますが、A型2種類が同時に流行する点は共通しています。


3. 2025–26シーズンのワクチン株

WHOの推奨株は以下のとおりです。

  • A/Victoria/4897/2022(H1N1)pdm09-like
  • A/Croatia/10136RV/2023(H3N2)-like
  • B/Austria/1359417/2021(Victoria系)

今年は抗原性の一致が良く、予防効果は例年同等以上が期待される組み合わせです。


4. 今年注目されている「症状の特徴」

基本的な症状は従来と大きく変わりません。

  • 急な発熱
  • 強い倦怠感
  • 筋肉痛・関節痛
  • 頭痛
  • のどの痛み
  • 鼻水・鼻づまり

小児では、嘔吐・下痢を伴うことがあります。

4−1. 小児で注目されている合併症

世界的には、小児のインフルエンザ関連脳症に関する報告が増えて注目されています。

特に2024–25シーズンの北半球では、小児での重症例・脳炎や急性壊死性脳症の報告が増えました。

共通していた点は次のとおりです。

  • 季節性インフル(H1N1/H3N2/B型)でも起こり得る
  • ワクチン未接種児に多かったとの報告がある

日本でも「けいれん」「意識障害」「異常言動」は重症サインであり、早期受診が推奨されます。


5. まとめ:2025年のインフルはこう動く

2025–26シーズンの特徴を一言でまとめると、

  1. 日本は立ち上がりが早く、すでに警報レベル
  2. A(H3N2)が優勢だが、H1N1も共存
  3. ワクチン株は南半球で当たりが良かった組み合わせ
  4. 症状は例年どおりだが、小児の神経症状には特に注意

となります。

 

 

当院では日本のガイドラインに基づき、迅速な検査体制と治療を提供しています。

次回(#2)は、**2025年版「抗インフルエンザ薬の使い分け」**を最新データに沿って解説します。


参考文献(エビデンス)

  • WHO Global Influenza Update
  • WHO 南半球2025シーズン推奨株情報
  • PAHO 南米インフルエンザ監視報告
  • FluCov(オーストラリア)2025シーズンレビュー
  • CDC FluView / MMWR 小児インフルエンザ報告
  • 国立健康危機管理研究機構 インフルエンザ週報
  • 日本感染症学会 インフルエンザ診療指針

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