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【2026年3月第4週】スギ花粉は終わった?油断禁物、ヒノキ花粉がピーク入りへ|3連休は黄砂にも注意

この記事の要点

  • 九州から近畿ではスギ花粉のピークが終わりつつあるが、東海・関東・東北ではまだピークが続いている
  • 福岡ではスギ花粉のピークは過ぎたが、すでにヒノキ花粉が飛び始めており、3月下旬からピークに入る見込み。福岡は全国で最も早くヒノキ花粉がピーク入りする予測
  • 3月20日(春分の日)からの3連休は全国的に晴れて春本番の暖かさとなり、花粉が大量飛散する見込み。20日は近畿・北陸・東北を中心に黄砂の飛来も予想されている
  • 「スギ花粉が減ったから大丈夫」ではなく、スギとヒノキの交代期にあたる今が治療を続けるべき時期

1. 全国の花粉飛散状況:地域で大きく異なるフェーズ

3月中旬を過ぎ、花粉シーズンは地域ごとに異なるフェーズに入っています。日本気象協会の最新情報(2026年3月17〜19日)をもとに、主要都市の現在地を整理します。

西日本(福岡・広島・大阪):スギ→ヒノキの転換期

九州から近畿ではスギ花粉のピークが過ぎつつあります。福岡では3月20日以降のスギ花粉飛散量は「やや少ない」予測で、ピーク最盛期の3月上旬と比べて明らかに減少傾向です。広島・大阪は「多い」レベルで推移しており、スギのピークはもう少しで終わる見込みです。

ただし、代わりにヒノキ花粉の飛散が始まっています。東京・広島・高松・福岡ではまもなくヒノキ花粉のピークを迎えるとされており、ピークは4月上旬にかけて続く見通しです。

東日本(名古屋・東京・金沢・仙台):スギ花粉のピーク継続中

名古屋・金沢・仙台では連日「極めて多い」ランクが続いています。東京は3月19日に雨の影響で一時的に飛散が抑えられましたが、3連休中は「非常に多い」レベルに戻るでしょう。

スギ花粉のピーク終了時期は以下の通りです(日本気象協会)。

地域

スギ花粉ピーク終了の目安

福岡

すでにピーク終了〜終了間近

広島・大阪・高松

3月中旬まで(終了間近)

金沢

3月中旬いっぱい

名古屋

3月下旬にかけて

東京

3月下旬まで

仙台

3月末にかけて

つまり、東日本に住んでいる方にとっては、スギ花粉シーズンはまだ真っ只中です。


2. 福岡の観測データ:スギは減少、しかしゼロではない

福岡県医師会が国立病院機構福岡病院で実施しているスギ花粉観測データ(2026年3月18日現在)を確認します。

3月の観測値推移

日付

Durham型(個/cm²/日)

IS式Rotary型

3月1日

572

3,350.8

3月5日

129.0

800.5

3月10日

23.5

223.0

3月12日

65.0

379.0

3月13日

73.5

325.5

3月14日

3.5

104.5

3月16日

15.0

96.5

3月17日

15.0

91.5

3月1日のDurham型572個/cm²/日をピークに、全体としてはスギ花粉の飛散量が減少傾向にあります。ただし完全にゼロになったわけではなく、3月中旬以降もDurham型で15〜73個/cm²/日の飛散が確認されています。晴れて気温が上がる日には、まだまとまった量のスギ花粉が飛散する可能性があります。

ヒノキ花粉への移行

日本気象協会の予測によれば、ヒノキ花粉のピークは福岡が全国で最も早くピーク入りする見込みで、時期は3月下旬からです。ピーク期間は5日間から2週間ほどと予測されています。

スギ花粉とヒノキ花粉は交差反応性があり、スギ花粉症の方の約7割がヒノキ花粉にも反応するとされています。「スギが終わったのに症状が続いている」と感じる場合は、ヒノキ花粉が原因である可能性が高いといえます。


3. 3連休(3/20〜22)の注意点:黄砂と花粉のダブルパンチ

天気と気温

3月20日(金・春分の日)からの3連休は全国的に晴れて、春本番の暖かさとなる見込みです。関東から九州では最高気温が20℃を超える所もあり、桜の開花ラッシュと重なります。

黄砂の飛来

3月20日(金)は、気象庁の黄砂解析予測図によると、近畿周辺から北陸・東北にかけて黄砂が飛来する可能性があります。午前中から中国地方の一部に達し、午前9時頃には近畿・北陸・東北地方に広がる見込みです。濃度は比較的薄いとされていますが、花粉症の症状が悪化するおそれがあります。

環境省は、黄砂が花粉症などのアレルギー症状を悪化させる可能性を指摘しています。黄砂のような微小粒子がスギ花粉の表面を傷つけることで花粉が破裂し、さらに細かいアレルゲン粒子が飛散する「花粉爆発」と呼ばれる現象も報告されています。破裂して微細化した花粉はマスクをすり抜けやすくなるため、通常以上の注意が必要です。

3連休の花粉飛散予測(都市別)

都市

3/20

3/21〜22

福岡

多い

多い

広島

非常に多い

非常に多い

大阪

多い

非常に多い

名古屋

極めて多い

極めて多い

東京

やや多い→非常に多い

非常に多い

仙台

極めて多い

極めて多い

福岡ではスギ花粉のピークが過ぎているため他都市に比べると低めですが、ヒノキ花粉の増加を考慮すると「花粉シーズン終了」とはいえない状況です。


4. お花見シーズンの花粉対策

九州から関東では桜の開花ラッシュが始まっています。お花見は屋外で長時間過ごすため、花粉に曝露される時間も長くなります。以下の対策が有効です。

外出時の対策

マスクの着用で花粉の吸入量をおよそ3分の1から6分の1に減らせるとされています。メガネ(花粉症用の防御カバー付き)では眼に入る花粉量がおよそ65%減少するとの実験結果があります。上着はウール素材を避け、表面がツルツルした素材(ポリエステル、ナイロンなど)を選びましょう。ウールは綿に比べて花粉の付着量が約10倍になるとされています。

帰宅後の対策

帰宅時には玄関で衣服をしっかり払い落とし、室内への花粉持ち込みを防ぎましょう。うがい・洗顔・髪のシャンプーも効果的です。

換気の工夫

窓を全開にすると花粉の大量流入につながります。窓を開ける幅を10センチ程度にしてレースのカーテンをかけることで、全開時と比べて室内への花粉流入量をおよそ4分の1に減らせるという実験結果があります。


5. 「スギが終わったから薬をやめてもいい?」への回答

3月下旬に入ると、福岡ではスギ花粉の飛散量が目に見えて減少し、「もう薬をやめていいのでは」と考える方がいます。しかし以下の理由から、治療の継続をお勧めします。

ヒノキ花粉のピークがこれから

福岡ではヒノキ花粉のピークが3月下旬から4月上旬にかけて続きます。スギ花粉症の方はヒノキにも反応するケースが多いため、スギの飛散が減った時点で服薬を中止すると、ヒノキ花粉のピーク時に症状が再燃する可能性があります。

アレルギー炎症は蓄積する

花粉シーズン中に薬を中止すると、蓄積されたアレルギー炎症がリバウンドし、症状が一気に悪化することがあります。4月中旬以降、ヒノキ花粉の飛散が十分に落ち着くまでは治療を続けるのが望ましいとされています。

舌下免疫療法を検討されている方へ

スギ花粉に対する根本的な治療法として舌下免疫療法があります。花粉飛散シーズン中は新規開始ができないため、開始を希望される方は花粉シーズン終了後(5月連休明け以降)にご相談ください。


参考文献

  1. 日本気象協会 tenki.jp「花粉の大量飛散が続く 3月下旬にはヒノキ花粉がピーク入りへ お花見も対策を」(2026年3月17日)https://tenki.jp/forecaster/a_aoyama/2026/03/17/38190.html
  2. 日本気象協会 tenki.jp「東北や関東、東海はスギ花粉のピーク続く 近畿~九州はまもなくヒノキ花粉のピークか」(2026年3月18日)https://tenki.jp/forecaster/t_okamoto/2026/03/18/38210.html
  3. 日本気象協会 tenki.jp「20日は黄砂が近畿や北陸、東北に飛んでくる 花粉症などアレルギー症状悪化に注意」(2026年3月18日)https://tenki.jp/forecaster/y_nakagawa/2026/03/18/38212.html
  4. 日本気象協会 tenki.jp「九州~関東はスギ花粉がピークアウト ヒノキ花粉のシーズンへ 引き続き万全な対策を」(2026年3月17日)https://tenki.jp/forecaster/f_hiroaki/2026/03/17/38197.html
  5. 日本気象協会 tenki.jp「15日も東京など花粉が1平方センチメートルあたり100個以上の極めて多い飛散に」(2026年3月15日)https://tenki.jp/forecaster/t_yoshida/2026/03/15/38162.html
  6. 福岡県医師会:スギ花粉飛散状況(国立病院機構福岡病院観測)2026年3月18日現在 https://cgi.fukuoka.med.or.jp/kafun/kafun.htm
  7. 日本気象協会「2026年春の花粉飛散予測(第4報)」(2026年2月19日)https://tenki.jp/pollen/expectation/

ひろつ内科クリニックでは、花粉症の保険診療(抗ヒスタミン薬・点鼻ステロイド薬・抗ロイコトリエン薬の処方、舌下免疫療法の相談等)を行っております。「スギが終わったのに症状が続く」「ヒノキ花粉にも対応したい」という方は、お気軽にご予約ください。

▼ 診療予約はこちら https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874

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