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VO2max(最大酸素摂取量)の意味——スマートウォッチの数字をどう受け止めるかを内科医が解説

ランニングやサイクリングをする方のスマートウォッチには、「VO2max」という数値が表示されることがあります。なんとなく「高いほうがいい数字」というのはわかっても、これが何を表していて、どこまで真に受けてよいのかは、意外と知られていません。内科医の視点から、VO2maxの意味と、数字の受け止め方を整理します。

VO2max(最大酸素摂取量)とは

VO2maxは、運動をしているときに体が取り込んで使える酸素の「最大量」のことで、心肺フィットネス(有酸素運動の能力・持久力)を表す指標です。体重1kgあたり1分間に何ミリリットルの酸素を使えるか(mL/kg/分)という単位で表されます。心臓が血液を送り出す力、肺で酸素を取り込む力、筋肉が酸素を使う力——これらを総合した「体のスタミナの土台」のようなもので、数値が高いほど持久力が高いと考えられます。

スマートウォッチの値は「推定」です

ここが大切な点です。本来のVO2maxは、マスクをつけて運動しながら呼気のガスを分析する専門的な検査で測ります。スマートウォッチが表示するVO2maxは、この実測ではなく、運動中の心拍数、走る(歩く)ペース、年齢、体重などから計算した「推定値」です。手軽ですが、実測とは差が出ることがあり、装着の仕方や測定の条件によってもぶれます。ですので、「この数字がそのまま自分の正確な体力」と受け取るより、おおよその目安として見るのが適切です。

数値の意味と、年齢による変化

VO2maxには、年齢・性別ごとのおおよその目安があります。一般に、加齢とともに少しずつ低下していきます。一方で、有酸素運動を続けることで維持・改善が期待できる指標でもあります。ですから、同年代の平均と比べて一喜一憂するよりも、「続けているうちに保てているか、上がってきているか」という視点で見るのが役立ちます。

健康との関係

心肺フィットネス(VO2maxで表されるような有酸素能力)が高い人は、心臓や血管の病気、また全体的な死亡のリスクが低い傾向がある、という研究が数多く報告されています。つまり、体力の土台を保つことは健康にとって意味があると考えられます。ただし、これはあくまで集団でみたときの傾向であり、スマートウォッチの推定VO2maxの数字そのものが、病気を診断したり、将来を予言したりするものではありません。あくまで生活を整える動機づけの参考として活かすのがよいでしょう。

受け止め方——絶対値より「自分の変化」

まとめると、VO2maxは「絶対値を他人と競う数字」というより、「自分の心肺フィットネスの変化を追う数字」として使うのが実用的です。トレーニングの効果を感じたり、運動不足で下がってきたことに気づいたりする手がかりになります。数値が思ったより低くても、推定であることを踏まえ、まずは無理のない有酸素運動を続けることが土台になります。

運動中の症状には注意を——数字より症状

最後に、数字以上に大切なことを。運動中に、胸の痛みや圧迫感、いつもと違う強い息切れ、動悸、めまい、失神などがある場合は、VO2maxの数値がどうであれ、心臓などの評価が必要なサインです。数字がよくても症状があれば受診を、数字が気になっても症状がなければまずは生活の中で運動を、という受け止め方をおすすめします。とくに、これまで運動習慣がなかった方が急に強い運動を始めるときや、持病のある方は、事前に相談していただくと安心です。

まとめ

VO2max(最大酸素摂取量)は、心肺フィットネスを表す指標で、スマートウォッチの値は心拍やペースからの推定です。年齢とともに下がり、運動で保てる指標で、他人との比較より自分の変化を見るのに向いています。心肺フィットネスを保つことは健康に意味がありますが、数字そのものが診断ではありません。運動中の胸痛や強い息切れなどの症状があるときは、数値によらず受診してください。当院でも、運動と体調についてご相談いただけます。

(あわせて、当院の「スマートウォッチの健康機能、どれが医療機器でどれがウェルネスか」もご覧ください。)

参考文献

  • 運動生理学・心肺運動負荷試験に関する標準的な知見
  • 心肺フィットネスと健康・予後に関する疫学研究

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https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874

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