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尿路結石は夏に多い——わき腹の激痛の正体と、水分・食事でできる再発予防を内科医が解説

夜中や明け方に、わき腹から背中にかけて突然の激痛で目が覚める——尿路結石の発作は、実は夏から初秋にかけて最も多くなります。大量に汗をかいて尿が濃縮されるこの季節は、腎臓の中で結石ができやすく、また育った結石が動き出しやすい条件がそろっているためです。

なぜ夏に多いのか

尿路結石は、尿の中のカルシウムやシュウ酸、尿酸などの成分が結晶になり、固まってできます。汗をかいて体の水分が減ると、尿は濃く、量は少なくなります。濃い尿の中では結晶ができやすく、尿量が少ないと小さな結晶が洗い流されずに育ってしまう——夏はこの悪循環が起こりやすいのです。

ビールで結石を流す、という俗説がありますが、これはおすすめできません。アルコールには利尿作用があり、かえって脱水を進めます。さらにビールにはシュウ酸やプリン体も含まれるため、結石の材料を増やす方向にも働きます。

結石の痛みの特徴

典型的なのは、片側のわき腹・背中・下腹部の突然の激痛です。じっとしていられず、体をよじったり歩き回ったりしても楽な姿勢がない、というのが特徴で、「人生で経験した中で一番痛かった」と表現される方も多くいます。吐き気や冷や汗を伴うことも珍しくありません。

結石が膀胱の近くまで下りてくると、頻尿や残尿感、排尿時の違和感など、膀胱炎に似た症状に変わることがあります。また、目に見える血尿が出ることもあれば、検査で初めて分かる程度の血尿のこともあります。

石の大きさで経過が変わります

おおまかに言うと、5mm以下の結石の多くは、水分をしっかりとって経過を見るうちに自然に排出されます。10mmを超えると自然排出は難しくなり、体外から衝撃波で砕く治療(ESWL)や、内視鏡による治療(TUL)が検討されます。つまり、小さいうちに見つけて、大きくしないことが大切です。

受診の目安と、内科でできること

  • わき腹や背中の突然の激痛(まず受診を。痛みが強ければ救急でかまいません)
  • 血尿が出た、健診で尿潜血を指摘された
  • 発熱を伴う場合は要注意——結石に感染が重なると急速に重症化することがあります。高熱+わき腹の痛みは、その日のうちに受診してください

診察では、症状と経過を伺ったうえで、尿検査で血尿の有無を確認し、必要に応じて血液検査で腎機能や炎症の程度を調べます。結石の位置や大きさの確定にはCTや超音波検査が有用で、専門的な治療が必要な場合は泌尿器科へ紹介状を書いてつなぎます。痛みに対しては鎮痛薬で対応しながら、排石を待つ方針を一緒に立てていきます。

再発予防は「水分」と「食事」

尿路結石は再発の多い病気で、5年で約半数が再発するといわれます。予防の柱は次のとおりです。

  • 1日2リットルを目安に水分をとる(尿量を保つことが最大の予防です)
  • シュウ酸の多い食品(ほうれん草、コーヒー、紅茶、チョコレートなど)をとるときは、カルシウムと一緒に(シュウ酸が腸内でカルシウムと結合し、吸収されにくくなります)
  • 塩分・動物性たんぱくのとりすぎを控える
  • 夕食から就寝までの時間をあける(就寝中は尿が濃くなるため)

「カルシウムを控えたほうがいい」と思われがちですが、これは逆で、極端なカルシウム制限はかえって結石を増やすことが分かっています。普通の食事からのカルシウム摂取はむしろ勧められます。

残暑の間は、結石にとってまだ「シーズン中」です。過去に結石をやったことがある方は、意識して水分を増やしてください。わき腹の違和感や血尿など、気になることがあればお気軽にご相談ください。

参考文献

  • 日本泌尿器科学会ほか「尿路結石症診療ガイドライン」
  • 日本泌尿器科学会 一般向け情報「尿路結石症」

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