耳鳴りは内科でも診る?——急ぐべき突発性難聴のサインと、血圧・貧血・薬との関係を内科医が解説
「キーン」「ジー」という耳鳴りは、耳鼻咽喉科の領域と思われがちですが、実は内科で見つかる原因も少なくありません。そして、耳鳴りの中には「今日中に受診しなければ聴力が戻らなくなる」ものがあります。まずその見分けから整理します。
急ぐべき耳鳴り——突発性難聴
ある日突然、片方の耳が聞こえにくくなり、同時に耳鳴りや耳の詰まり感が出た——これは突発性難聴の典型です。原因は完全には分かっていませんが、内耳の血流障害やウイルスが関わるとされ、発症から1週間以内、できれば48時間以内に治療を始めるかどうかで回復率が変わるとされています。「そのうち治るだろう」と数週間待つのが最も避けたい対応です。突然の片側の聞こえにくさは、その日か翌日には耳鼻咽喉科を受診してください。
内科で確認する耳鳴りの背景
- 高血圧・動脈硬化——脈と同じリズムで「ドクドク」と聞こえる拍動性の耳鳴りは、血管の音が原因のことがあります。血圧の確認と、まれに血管の病気の評価が必要です
- 貧血——血液が薄いと血流の音が耳に届きやすくなり、耳鳴りやめまいが出ます。血液検査で分かります
- 薬の副作用——一部の抗菌薬、利尿薬、鎮痛薬(アスピリンの大量)、抗がん剤などで耳鳴りが出ることがあります。お薬手帳の確認が有用です
- 甲状腺機能の異常、糖尿病——代謝や血流の変化を通じて内耳に影響することがあります
- ストレス・睡眠不足・首や顎の緊張——耳鳴りを「増幅」する要因です
慢性の耳鳴りとの付き合い方
原因の病気がなく、聴力検査で加齢性の変化が主体と分かった耳鳴りは、「消す」より「気にならなくする」方向で対応します。静かすぎる環境を避ける(小さな環境音をつける)、睡眠を整える、カフェインとアルコールを控える、といった工夫と、必要に応じて補聴器や音響療法が選択肢になります。耳鳴りそのものを止める特効薬はない、というのが正直なところです。
受診の目安
- 突然の片耳の聞こえにくさ+耳鳴り→当日〜翌日に耳鼻咽喉科
- 脈と同じリズムの耳鳴り→血圧の確認、内科へ
- めまい・ふらつき・頭痛を伴う、顔の麻痺を伴う→急いで受診
- 新しい薬を始めてから耳鳴りが出た→処方医に相談
- 数か月続く耳鳴りで眠れない・仕事に支障→耳鼻咽喉科で聴力検査を。内科では貧血・血圧・甲状腺・血糖を確認
参考文献
- 日本聴覚医学会「耳鳴診療ガイドライン2019」
- 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会 一般向け情報「突発性難聴」
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