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冷房と猛暑の行き来でじんましんが出る——コリン性・寒冷じんましん・寒暖差アレルギーの見分けを内科医が解説

「冷房の部屋から炎天下に出ると、体がチクチクかゆくなる」「汗をかくと細かいブツブツが出る」——真夏から初秋にかけて、こうした相談が増えます。

暑い屋外と冷えた室内を一日に何度も行き来するこの季節は、温度差や汗が引き金になるじんましんが出やすい時期です。この記事では、よく混同される3つの状態——コリン性じんましん・寒冷じんましん・いわゆる「寒暖差アレルギー」——を整理して、対処と受診の目安を解説します。

汗をかくとチクチク——コリン性じんましん

体温が上がって汗をかくときに、直径数ミリの小さな膨らみ(膨疹)がパラパラと出て、チクチクした痛がゆさを伴うのが特徴です。運動・入浴・辛い食事・緊張など、汗をかく場面で誘発されます。10〜30代の若い方に多いとされています。

冷房の効いた部屋から急に暑い屋外へ出る夏は、まさにこの「急に汗をかく」場面の連続です。多くは数十分以内に自然に消えますが、繰り返すと外出や運動がおっくうになる方もいます。

冷たさで出る——寒冷じんましん

逆に、冷たい刺激で出るタイプもあります。冷房の風が当たった腕、冷たい飲み物を持った手、プールや冷たいシャワーのあとなどに、膨らみとかゆみが出ます。

注意していただきたいのは、全身が一気に冷える状況です。寒冷じんましんの体質がある方が海やプールに飛び込むと、広範囲にじんましんが出て、まれに血圧低下などの強い反応につながることが知られています。心当たりのある方は、急に全身を冷やす行動を避けてください。

「寒暖差アレルギー」と呼ばれるもの

温度差で鼻水・鼻づまり・くしゃみが出る状態は、俗に「寒暖差アレルギー」と呼ばれます。医学的には血管運動性鼻炎といい、実はアレルギーではなく、温度変化に自律神経がうまくついていけないことで起こる鼻の症状と考えられています。

皮膚のじんましんとは別の現象ですが、「冷房の部屋に入ると鼻水が止まらない」という形で、この季節に同じように増えます。じんましんと違ってかゆみのある膨らみは出ません。

自分でできる対処

  • 温度差を小さくする——冷房の設定温度を下げすぎない、外出時は羽織りもので調整し、急激な温度変化を体に与えない
  • 汗をかいたら早めに拭く・着替える——汗の刺激を長く残さない
  • 症状が出たら掻かない——掻くと悪化します。冷やすと楽になることが多いですが、寒冷じんましんのタイプは冷やすと悪化するため、自分の誘因に合わせてください
  • 記録を残す——いつ・どんな場面で出たか、スマートフォンで写真を撮っておくと、受診時の診断がぐっと早くなります(受診時には消えていることが多いためです)

治療について

じんましんの治療の中心は、抗ヒスタミン薬(アレルギーを抑える飲み薬)です。症状が繰り返す場合、頓服ではなく一定期間続けて飲むことで出にくくすることを目指します。市販薬にも抗ヒスタミン薬はありますが、繰り返す場合は誘因の整理も含めて一度受診されることをおすすめします。

受診の目安

  • じんましんが数週間にわたって繰り返し出る
  • 膨らみが1日以上同じ場所に残る、あとが残る(通常のじんましんは数時間で消えて跡が残りません)
  • 唇やまぶたの腫れ、のどの違和感・息苦しさを伴う(この場合はすぐに受診、強い症状は救急要請を)
  • プールや運動など、特定の場面のたびに強く出る

まとめ

  • 夏の温度差の季節は、汗で出るコリン性じんましん冷たさで出る寒冷じんましんが増えます
  • 鼻水・くしゃみが主体なら、じんましんではなく血管運動性鼻炎(俗にいう寒暖差アレルギー)の可能性があります
  • 対処の基本は温度差を減らすことと汗のケア。治療の中心は抗ヒスタミン薬です
  • 寒冷じんましんの方は、プールなどで全身を急に冷やさないよう注意してください
  • 症状が出ている瞬間の写真が、診断のいちばんの助けになります

参考文献

  • 日本皮膚科学会 蕁麻疹診療ガイドライン
  • 日本アレルギー学会 じんましん・血管運動性鼻炎に関する一般向け情報

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