院長ブログ |

桜の咲く頃に増える病気|内科医が解説する春の不調まとめ

桜が咲き始めると、外来の風景が少し変わります。

「くしゃみが止まらない」「なんとなくだるい」「急にめまいがする」──冬の感染症シーズンとは違う種類の不調を訴える方が増えてきます。

春は気候が穏やかになる季節ですが、身体にとっては意外と過酷な時期でもあります。今回は、桜の時期に内科の外来で実際に増える病気をまとめて解説します。

花粉症──スギからヒノキへのリレー

3月下旬から4月にかけて、花粉症の原因はスギからヒノキに切り替わります。スギ花粉のピークが過ぎても症状が続く場合、ヒノキ花粉に反応している可能性があります。

「スギの時期は終わったはずなのに治らない」と受診される方は毎年いらっしゃいます。

内科では抗ヒスタミン薬、点鼻ステロイド、点眼薬などで対応できます。症状が重い場合や毎年同じ時期に悩まされている方には、舌下免疫療法という根本的な治療もあります。ただし舌下免疫療法は花粉が飛んでいない時期に開始する必要があるため、春の受診時にはまず来シーズンに向けた相談になることが多いです。

気管支喘息の悪化──花粉と寒暖差のダブルパンチ

春は喘息が悪化しやすい季節です。

理由は二つあります。一つは花粉です。花粉そのものが気管支の炎症を悪化させることがあります。もう一つは寒暖差です。朝晩の気温差が10度以上になる日も珍しくなく、冷たい空気を吸い込むことで気管支が収縮しやすくなります。

「風邪は治ったのに咳だけ残っている」という方の中に、実は喘息が隠れていることがあります。2週間以上咳が続く場合は、一度ご相談ください。

寒暖差疲労──自律神経が追いつかない

桜の時期は1日の気温差が大きくなります。朝は冷え込み、昼は暖かく、夜また冷える。この気温の乱高下に自律神経が対応しきれなくなると、さまざまな不調が出ます。

めまい、動悸、倦怠感、頭痛、肩こり、眠りが浅い。検査をしても異常が見つからない。こうした症状は「寒暖差疲労」や「気象病」と呼ばれることがあります。

特別な治療というよりも、生活リズムの安定、十分な睡眠、入浴で身体を温めることが基本になります。漢方薬が合う方もいらっしゃいますので、症状が続く場合はご相談ください。

帯状疱疹──年度末の疲れが引き金に

帯状疱疹は、子どもの頃にかかった水ぼうそうのウイルス(水痘帯状疱疹ウイルス)が体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化して発症する病気です。

3月から4月は年度末の繁忙期と重なり、睡眠不足やストレスから免疫が低下しやすい時期です。「最近忙しくて疲れていた」という方に帯状疱疹が出るケースは珍しくありません。

皮膚にピリピリとした痛みや水疱が帯状に出るのが典型的な症状です。発症から72時間以内に抗ウイルス薬を開始することが重要で、治療が遅れると帯状疱疹後神経痛という長引く痛みが残ることがあります。

「片側だけピリピリする」「赤いブツブツが出てきた」と感じたら、早めに受診してください。50歳以上の方にはワクチン(シングリックス)による予防も選択肢になります。

メンタルの不調──環境変化という見えないストレス

春は異動、転勤、入学、引っ越しなど、生活環境が大きく変わる季節です。ご本人が意識していなくても、環境の変化は身体にストレスとして蓄積されます。

4月は気力で乗り切れても、5月の連休明けに一気に不調が出る──いわゆる五月病のパターンは、実は春先から始まっていることが多いとされています。

不眠、食欲低下、集中力の低下、なんとなくやる気が出ない。こうした症状が2週間以上続く場合は、内科でご相談いただいて構いません。身体的な原因がないことを確認した上で、必要に応じて専門科への紹介も行います。

感染症の残り火──インフルエンザB型とコロナ

冬のイメージが強いインフルエンザですが、B型は春先まで流行が続くことがあります。「もう春なのにインフルエンザ?」と驚かれる方もいらっしゃいますが、例年3月から4月にかけてB型の小さな流行波が来ることは珍しくありません。

新型コロナウイルスも季節を問わず散発的に発生しています。発熱や倦怠感があれば、春だからといって感染症を除外せず、検査を受けることをお勧めします。

まとめ

桜の季節は気持ちが明るくなる一方で、身体にとっては負荷がかかりやすい時期でもあります。

「なんとなく調子が悪い」が続くときは、我慢せずに内科を受診してください。原因がはっきりしないこと自体が不安の種になりますので、検査で大きな問題がないとわかるだけでも気持ちが楽になることがあります。

参考文献

  • 日本アレルギー学会「アレルギー総合ガイドライン2022」
  • 日本呼吸器学会「咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019」
  • 日本皮膚科学会「帯状疱疹診療ガイドライン」
  • 厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」

ひろつ内科クリニック受診予約はこちらから

https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874

<外部サイト(一般向け・アフィリエイトリンクを含みます)>

【2026年最新版】花粉症点鼻薬を徹底比較|フルナーゼとナザールαARはどう違う?鼻づまりに効く理由を解説

ページ上部へ戻る