スマートウォッチの血中酸素(SpO2)は当てになるか——パルスオキシメーターとの違いを内科医が解説
スマートウォッチで手軽に測れる「血中酸素(SpO2)」。数値が低いと出ると心配になりますが、この機能はどこまで当てになるのでしょうか。結論から言うと、日々の傾向をみる参考にはなりますが、医療用の機器と同じ精度で判断するものではありません。仕組みと数値の見方を整理します。
血中酸素(SpO2)とは
SpO2は、血液(正確には動脈の血液)の中で、酸素をどれくらい運べているかを示す割合です。健康な人ではおおむね96〜99%くらいで、指先で測る医療用のパルスオキシメーターで簡単に確認できます。肺や心臓の状態、呼吸の状態を反映する、大切な指標のひとつです。
スマートウォッチのSpO2は「ウェルネス」扱いのことが多い
スマートウォッチのSpO2機能は、日本では多くが医療機器の承認を受けておらず、健康管理の参考(ウェルネス)としての位置づけです。実際、大手メーカーも「病気の診断や治療を目的としたものではない」と明記しています。医療用のパルスオキシメーターとは、位置づけも精度の考え方も異なります(機能ごとの承認については、別記事「承認マップ」で整理しています)。
なぜ手首での測定は不利なのか
パルスオキシメーターもスマートウォッチも、光を当てて、血液の色から酸素の割合を推定するという基本の仕組みは同じです。ただし、指先を挟むタイプに比べて、手首の表面にセンサーを当てるスマートウォッチは、次のような影響を受けやすくなります。
- 手や腕の動き(体動)によるノイズ
- 装着のゆるさや位置のずれ
- 手首の冷えや血行の状態、皮膚の状態
これらのため、条件によっては実際とずれた値が出ることがあります。「一回だけ低く出た」ことに一喜一憂せず、傾向としてみるのが適切です。
数値の見方の目安
あくまで一般的な目安として、SpO2は96〜100%ならまず問題のない範囲、93〜95%あたりは少し注意、90%を切ってくると低いと考えます。ただし、これは医療用の機器で正しく測った場合の目安です。スマートウォッチで低い値が出たときは、まず落ち着いて測り直し、装着や姿勢を整えて確認してください。それでも低い、あるいは繰り返し低い場合は、医療用の機器での確認が必要です。
こんなときは受診を
- 低い値が続く、または急に低くなる
- 息苦しさ、呼吸が速い、胸の苦しさなどの症状を伴う(数値より、まず症状が大切です)
- もともと肺や心臓の持病がある、睡眠時無呼吸が疑われる
とくに、症状(息苦しさ)があるのに数値が正常に見えるときも、数値を過信せず受診してください。逆に、元気で症状もないのに一瞬だけ低く出た場合は、測定の誤差のことも多いです。
まとめ
スマートウォッチのSpO2は、日々の傾向を知る参考にはなりますが、多くはウェルネス機能で、医療用のパルスオキシメーターと同じ精度で判断するものではありません。低い値が気になるとき、とくに息苦しさなどの症状があるときは、数値だけで判断せず、記録を持って受診してください。当院でも、こうした数値の受け止め方をご相談いただけます。
(あわせて、当院の「スマートウォッチの健康機能、どれが医療機器でどれがウェルネスか」もご覧ください。)
参考文献
- 各メーカーの公式情報(SpO2機能の位置づけ)
- 呼吸・循環に関する一般的な診療知見
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https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874