院長ブログ |

「睡眠スコアが低い」は病気のサインか——睡眠時無呼吸の見分け方を内科医が解説

スマートウォッチの「睡眠スコア」が低いと、「よく眠れていないのでは」「何か病気では」と心配になる方が多いと思います。結論から言うと、睡眠スコアが低いこと自体は、必ずしも病気を意味しません。ただし、あるパターンのときは、睡眠時無呼吸症候群という病気のサインになっていることがあります。その見分け方を整理します。

睡眠スコアとは何か

睡眠スコアは、睡眠時間や、浅い眠り・深い眠りの割合、夜中に目が覚めた回数、心拍などをもとに、機器が独自に計算した「睡眠の目安」です。健康管理の参考になるウェルネス指標で、計算のしかたはメーカーによって違います。あくまで推定であり、脳波を測る本来の睡眠検査とは別物です。

スコアが低い=病気、ではありません

睡眠スコアは、日によって大きく変動します。寝る前のお酒やカフェイン、ストレス、寝室の環境、就寝時間のずれなどで簡単に下がります。ですから、一晩スコアが低かったからといって心配しすぎる必要はありません。まずは、生活のリズムや寝る前の習慣を見直す手がかりとして使うのがよいと思います。

ただし、このパターンは要注意——睡眠時無呼吸のサイン

問題になるのは、次のような組み合わせのときです。

  • 睡眠スコアが繰り返し低い
  • 日中に強い眠気がある(会議中や運転中に眠くなるなど)
  • いびきが大きい、または家族から「寝ている間に呼吸が止まっている」と指摘された
  • 起床時の頭痛、朝すっきり起きられない

これらが重なるときは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が背景にある可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に、のどが狭くなるなどして呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。本人は気づきにくいのですが、睡眠の質が下がって日中の強い眠気につながるほか、放置すると高血圧や心臓・血管の病気のリスクが上がることが知られています。だからこそ、気づいて対応する意味があります。

スマートウォッチで診断はできません

スマートウォッチは、いびきの検知や、睡眠中の血中酸素の低下などから「気づくきっかけ」を与えてくれることはありますが、睡眠時無呼吸症候群を診断することはできません。診断には、簡易的な検査(自宅でつけて眠る検査)や、より詳しい睡眠検査が必要です。スマートウォッチの記録は、その入り口として役立ちます。

こんなときは受診を

  • 大きないびき、または「呼吸が止まっている」と指摘された
  • 日中の強い眠気、居眠りが続く
  • 起床時の頭痛、熟睡感のなさが続く
  • 高血圧や肥満など、睡眠時無呼吸のリスクがある

まとめ

睡眠スコアが低いこと自体は、多くの場合は生活習慣の反映で、過度に心配するものではありません。ただし、繰り返し低いことに加えて、日中の強い眠気やいびき・無呼吸の指摘があるときは、睡眠時無呼吸症候群のサインかもしれません。気になる場合は、スコアや症状のメモを持って受診してください。当院でも、睡眠に関するご相談や必要な検査についてご案内できます。

(あわせて、当院の「スマートウォッチの健康機能、どれが医療機器でどれがウェルネスか」や「血中酸素(SpO2)は当てになるか」もご覧ください。)

参考文献

  • 睡眠時無呼吸症候群の診療に関する一般的な知見・ガイドライン
  • 各メーカーの公式情報(睡眠計測機能の位置づけ)

ひろつ内科クリニック受診予約はこちらから
https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874

ページ上部へ戻る