階段で息切れする——心臓・肺・貧血・甲状腺、「年のせい」にしてはいけない息切れを内科医が解説
「駅の階段で息が切れるようになった」「同じ年代の人より疲れやすい」——息切れは、年齢や運動不足のせいにされやすい症状ですが、心臓・肺・血液・甲状腺のいずれかに原因があることが多く、内科で調べる価値のある代表的な訴えです。
息切れの原因を臓器で分ける
- 心臓——心不全(心臓のポンプ機能の低下)、弁膜症、不整脈(心房細動)、狭心症。横になると苦しく座ると楽になる、足のむくみ、夜間の咳を伴えば心臓を疑います
- 肺——COPD(長年の喫煙による肺の病気)、喘息、間質性肺炎、肺気腫。咳・痰・ゼーゼーを伴うことが多く、喫煙歴が重要な手がかりです
- 血液——貧血。酸素を運ぶヘモグロビンが減れば、心臓や肺が正常でも息切れします。女性の鉄欠乏性貧血は特に見落とされがちです
- 甲状腺——機能亢進症では動悸と息切れ、機能低下症でも倦怠感と息切れが出ます
- その他——肥満、運動不足、肺の血栓(肺塞栓=突然の息切れ・胸痛)、不安・過換気
受診したら何を調べるか
いつから・どのくらいの動作で息切れするか(平地歩行か、階段か、安静時か)、むくみ・咳・動悸の有無、喫煙歴を伺います。診察では聴診、酸素飽和度(SpO2)の測定、心電図、胸部レントゲン、血液検査(貧血・甲状腺・BNPという心臓の負担の指標・炎症)を組み合わせます。多くの場合、この範囲で「どの臓器か」の見当がつき、必要なら心エコーや呼吸機能検査、専門科への紹介に進みます。
急ぐべき息切れ
- 安静にしていても苦しい、会話が途切れる——救急要請を
- 突然の息切れ+胸の痛み——心筋梗塞・肺塞栓・気胸の可能性
- 横になると苦しくて眠れない、足のむくみが急に強くなった——心不全の悪化
- 唇や爪が紫っぽい、意識がもうろうとする
受診の目安
- 数週間〜数か月で、同じ動作での息切れが明らかに強くなった
- 階段1階分や平地の早歩きで息が切れる
- 息切れに、むくみ・動悸・咳・体重変化のいずれかを伴う
- 喫煙歴が長く、咳や痰も続いている
「年のせい」と思って何年も我慢していた息切れが、貧血や甲状腺の治療で改善することもあれば、早く見つけて良かった心臓や肺の病気のこともあります。まず一度、原因を調べてみることをおすすめします。
参考文献
- 日本循環器学会「急性・慢性心不全診療ガイドライン」
- 日本呼吸器学会「COPD診断と治療のためのガイドライン」
ひろつ内科クリニック受診予約はこちらから