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地震のあと、揺れが続いているように感じるのはなぜ?——「地震酔い」の正体と対処を内科医が解説

大きな地震のあと、「もう揺れていないはずなのに、まだ地面や体が揺れている気がする」と感じることがあります。船から降りたあとのような、ふわふわした感覚が続くこともあります。これはいわゆる「地震酔い」と呼ばれる反応で、決して気のせいや特別なことではなく、多くの人に起こりうる、よくある体の反応です。仕組みと対処を整理します。

「地震酔い」とは——揺れていないのに揺れを感じる

地震酔いは、実際には揺れていないのに、体や周囲が揺れているように感じる状態です。ふわふわ・ゆらゆらするめまい感、軽い吐き気、頭が重い感じ、なんとなく落ち着かない不安などを伴うことがあります。医学的には、地震のあとに起こるめまい・動揺感としてとらえられ、乗り物酔い(動揺病)とよく似たものと考えられています。

なぜ起こるのか

私たちは、耳の奥にある平衡感覚のセンサー(前庭)、目から入る視覚の情報、足の裏や筋肉が感じる情報を、脳でまとめてバランスをとっています。地震や繰り返す余震で大きく揺さぶられると、脳は「揺れている状態」に合わせて感覚を調整します。すると、揺れが止まったあとも脳の調整が残って、揺れていないのに揺れを感じてしまう——というずれが起こります。これは乗り物酔いと同じ仕組みです。

さらに、余震が続く不安、睡眠不足、ストレス、自律神経の乱れも症状を強めます。「また揺れるかもしれない」という緊張が続くと、体は揺れに敏感なままになりやすいのです。

どんな症状か

  • 揺れていないのに、地面や体が揺れている感じ
  • ふわふわ・ゆらゆらするめまい(浮動性のめまい)
  • 軽い吐き気、頭が重い、肩こり
  • 落ち着かない、不安、寝つきが悪い

多くは自然によくなります

地震酔いの多くは一時的なもので、数日から数週間のうちに自然に軽くなっていきます。余震が続いている間は長引くこともありますが、揺れが落ち着いてくると、体の感覚も次第に戻っていきます。「いつまで続くのか」と心配になりますが、まずは「よくある反応で、たいていは時間とともに治まる」と知っておくこと自体が、安心につながります。

セルフケア

  • 生活リズムを整える:睡眠と食事、水分をできるだけ普段どおりに。疲れと寝不足は症状を強めます。
  • 揺れの情報を見すぎない:地震速報やSNSの揺れの情報を一日中見続けると、不安と緊張が続いて症状が長引きやすくなります。意識的に距離をとる時間を作りましょう。
  • 深呼吸・リラックス:ゆっくりした呼吸や、軽く体を動かすことは、緊張をほぐすのに役立ちます。
  • 遠くの動かないものを見る:揺れを感じるときは、固定された目標を見ると落ち着くことがあります。
  • :つらいときは、乗り物酔い止め(抗ヒスタミン薬)が症状をやわらげるのに使われることもあります。市販薬を使う場合も、合わないと感じたら相談してください。

これは「地震酔い」ではないかも——受診を考えるサイン

ただし、めまいの中には、別の原因のものもあります。次のような場合は、地震酔いと決めつけず、受診してください。

  • ぐるぐる回る強いめまいに、難聴や耳鳴りを伴う
  • 手足のしびれ、ろれつが回らない、ものが二重に見える、激しい頭痛、立てない・歩けない(脳の病気の可能性があり、急いで受診が必要です)
  • 嘔吐が止まらない、症状が長く続く、日常生活に強く支障が出る
  • 不安や眠れない状態が強く続く

まとめ

地震のあとに揺れが続いて感じるのは、平衡感覚と視覚のずれや、不安・緊張が関わる「地震酔い」で、多くの人に起こるよくある反応です。たいていは数日から数週間で自然によくなります。生活リズムを整え、揺れの情報を見すぎないことが助けになります。一方で、強い回転性のめまいやしびれ・ろれつの異常など、別の病気を疑うサインがあるときは、自己判断せず受診してください。つらいときは、我慢せずご相談いただければと思います。

参考文献

  • 動揺病(乗り物酔い)・めまいに関する一般的な診療知見
  • 災害後の心身の反応・メンタルヘルスに関する公的資料

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https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874

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