治らない口内炎、繰り返す口内炎——「2週間」を超えたら疑うことを内科医が解説
口内炎はありふれた症状で、ほとんどは1〜2週間で自然に治ります。ただ、外来では「口内炎がずっと治らない」「何度も繰り返す」という相談が意外と多く、その中には放置しないほうがよいものが混ざっています。今回は、よくある口内炎と、受診してほしい口内炎の見分け方を整理します。
いちばん多い「アフタ性口内炎」
頬の内側や唇の裏に、白っぽい円形のくぼみが1〜数個でき、触れるとしみる——これが最も一般的なアフタ性口内炎です。疲労やストレス、睡眠不足、口の中を噛んでしまった刺激などをきっかけに起こり、通常は10日〜2週間以内に自然に治ります。市販の貼り薬や塗り薬(ステロイド軟膏)で治りを早めることもできます。
繰り返す場合に考えること
月に何度も繰り返す、いつも複数できる、という場合は、背景を調べる価値があります。内科で確認するのは次のようなものです。
- 鉄・亜鉛・ビタミンB群の不足:貧血や偏った食事、ダイエットが背景にあることも。血液検査で確認できます
- ベーチェット病:口内炎の再発に加えて、陰部の潰瘍、皮膚症状、目の炎症(ぶどう膜炎)を伴う全身の病気です。口内炎「だけ」が続く段階で見つかることもあります
- 炎症性腸疾患(クローン病など)や膠原病に伴うもの
- 薬の副作用(一部の降圧薬や抗がん剤など)
2週間以上治らない「しこりのある潰瘍」は要注意
最も見逃したくないのが口腔がん(舌がんなど)です。次の特徴があるときは、早めに口腔外科や耳鼻咽喉科での評価が必要です。
- 2週間以上たっても治らない、むしろ大きくなっている
- 縁が硬い、しこりを触れる、盛り上がっている
- 痛みが少ないのに潰瘍が続いている(初期の口腔がんは痛まないことがあります)
- 同じ場所にばかりできる(合わない入れ歯や歯の尖りが慢性刺激になっていることも)
- 白い板状の変化(白板症)や赤い変化が広がっている
「口内炎で受診なんて大げさでは」と思われるかもしれませんが、口腔がんの早期発見は「治らない口内炎を放置しなかった人」から生まれます。2週間という目安を覚えておいてください。
そのほかの原因——ウイルス・カビ
口の中に小さな水疱がたくさんできて熱を伴う場合は、ヘルペスウイルスや手足口病・ヘルパンギーナなどのウイルス性のことがあります。また、舌や頬の粘膜に白い苔のようなものが広がってこすると取れる場合は、カンジダというカビが原因のことがあり、高齢の方、吸入ステロイドを使っている方、糖尿病のある方に起こりやすいです。これらは原因に応じた薬(抗ウイルス薬・抗真菌薬)で治療します。
受診の目安まとめ
- 2週間以上治らない、大きくなる、しこりがある→早めに受診(口腔外科・耳鼻科への紹介も含めて対応します)
- 月に何度も繰り返す→血液検査で鉄・亜鉛・ビタミン、背景の病気を確認
- 高熱や全身のだるさを伴う、水分がとれないほど痛い→ウイルス性や重症の可能性、早めの受診を
たかが口内炎、と言えるのはきちんと治っていく場合だけです。長引く・繰り返す口内炎は、体からのサインかもしれません。気になるときはご相談ください。
参考文献
- 日本口腔外科学会 一般向け情報「口内炎」「口腔がん」
- 厚生労働省 e-ヘルスネット 関連項目
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