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35歳と40歳以上の定期健康診断——項目が増える理由、血液検査と心電図で分かること、再検査の受け方、博多駅筑紫口で8,000円・即日結果の健診を内科医が解説

秋になり、会社から定期健康診断の案内を受け取った方もいらっしゃるかもしれません。35歳の方と40歳以上の方は、年齢による省略の対象にならないため、血液検査(貧血・肝機能・脂質・血糖)と心電図も受けることになります。この記事では、その法令の決まり、増える検査で分かること、結果の受け取り方と再検査を指摘されたとき、当院で受ける場合の料金と流れをまとめました。

35歳と40歳以上で項目が増える理由

労働安全衛生規則第44条では、事業者は常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、医師による健康診断を行わなければならないとされています。項目は、既往歴・業務歴の調査、自覚症状・他覚症状の検査、身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査、胸部エックス線検査と喀痰(かくたん)検査、血圧の測定、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、尿検査、心電図検査の11項目です。

同じ条文の第2項で、このうち一部の項目は、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは省略できるとされています。この基準(平成10年労働省告示第88号)では、貧血検査・肝機能検査・血中脂質検査・血糖検査・心電図検査を省略できるのは「40歳未満の者(35歳の者を除く。)」です。つまり、もともと全員が対象の項目を、34歳以下と36〜39歳の方に限って医師の判断で省ける仕組みで、35歳と40歳以上の方はその対象に入りません。

ほかの項目でも、35歳や40歳以上では年齢による扱いが変わります。

  • 腹囲:省略できる人の一つが「40歳未満(35歳を除く)」です。ほかに、BMIが20未満の人なども医師の判断で省略できます
  • 胸部エックス線検査:省略できるのは、40歳未満(20歳・25歳・30歳・35歳を除く)で、感染症法やじん肺法で定められた一部の対象者に当たらない人です
  • 聴力:45歳未満の人(35歳と40歳を除く)は、1,000ヘルツと4,000ヘルツの音の検査に代えて、医師が適当と認める方法で検査できます。35歳・40歳・45歳以上の方は対象外です

省略は自動ではありません。厚生労働省の通達では、血液検査などの省略は一律ではなく、経時的な変化や自覚症状・他覚症状を考えて、労働者ごとに医師が認めた場合に限るとされています。

増える5つの検査で分かること

厚生労働省の検討会報告書(平成28年)は、定期健康診断の目的を、健康状態を把握して事後措置を行い、脳・心臓疾患の発症や生活習慣病などの悪化を防ぐことなど、と整理しています。各検査のねらいも、同じ報告書に示されています。

  • 貧血検査:血色素量(ヘモグロビン)と赤血球数を調べ、高齢期に増える貧血や、食行動の偏りによる貧血をつかむための検査です。ヘモグロビンが低いときは鉄欠乏性貧血などを疑います。貧血では動悸・息切れ・顔色不良・疲労感が出ることがありますが、症状がない場合もあります
  • 肝機能検査:AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GT(γ-GTP)を調べ、肝臓の障害を早くつかむための検査です。厚生労働省の通達では、ALT(GPT)とγ-GT(γ-GTP)には、肝臓の障害に加えて、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞など)や脳血管疾患などの発症を予測する力があるとされています。γ-GTは、飲酒量が多いときや胆道(胆汁の通り道)の病気などで上がります
  • 血中脂質検査:LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪)を調べ、動脈硬化の原因となる脂質の異常をつかむための検査です。厚生労働省のe-ヘルスネットに掲載されている診断基準では、LDLコレステロール140mg/dL以上、HDLコレステロール40mg/dL未満、トリグリセライド150mg/dL以上(空腹時)・175mg/dL以上(随時)などが脂質異常症の目安です。ただし、当てはまってもすぐに治療が必要とは限らないとされています
  • 血糖検査:空腹時血糖か随時血糖で調べるのが原則ですが、厚生労働省の通達で、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を調べた場合も血糖検査を行ったものとされています。HbA1cは、食事から採血までの時間の影響を受けにくく、過去1〜2か月の平均的な血糖値を反映する指標です
  • 心電図検査:安静時の標準12誘導心電図を記録し、不整脈、虚血性心疾患、高血圧に伴う心臓の異常などをつかむための検査です

2027年4月から変わること

令和8年4月28日に改正省令(令和8年厚生労働省令第89号)と改正告示(同告示第204号)が公布され、2027年4月1日から施行されます(厚生労働省労働基準局長通知、基発0428第9号)。

  • 血清クレアチニン検査(腎臓の働きを調べる検査)が加わります。長時間労働による発症リスクがある慢性腎臓病を調べる検査とされています
  • 改正後の基準で血清クレアチニン検査を省略できるのは「40歳未満の者」です。35歳を除く書き方ではないため、40歳以上の方は年齢による省略の対象外で、35歳の方は医師が必要でないと認めれば省略できます
  • 定期健康診断などの喀痰検査はなくなります
  • 肝機能検査の酵素名が、GOT・GPT・γ-GTPからAST・ALT・γ-GTに変わります

結果の受け取り方と、再検査を指摘されたとき

労働安全衛生法では、事業者は健康診断を受けた労働者に結果を通知しなければならず、労働安全衛生規則ではこの通知を遅滞なく行うこととされています。異常の所見があると診断された人については、事業者は必要な措置について医師の意見を聴かなければならず、その意見を勘案して、必要なときは就業場所の変更や労働時間の短縮などの措置をとることになっています。

一方で、労働者も、通知された結果や保健指導を利用して健康の保持に努めるものとされています。結果を受け取ったら、次の点を確かめてください。

  • 「要再検査」「要精密検査」「要治療」などの判定がついた項目
  • 前の年から大きく変わった数値
  • 医師からのコメント

厚生労働省のe-ヘルスネットは、健診結果に「精密検査を受けてください」「治療を受けてください」といったアドバイスがある場合は、健診結果を持って医療機関を受診するよう勧め、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病は初期には症状がないと説明しています。症状がなくても先延ばしにしないことが大切です。

受診の目安

次のような場合は、内科などの医療機関にご相談ください。

  • 健診で「要再検査」「要精密検査」「要治療」と判定された
  • 心電図で所見を指摘され、動悸や胸の違和感がある
  • 貧血を指摘され、動悸・息切れ・疲れやすさが続いている
  • 胸部エックス線検査で所見を指摘された

総務省消防庁は、次のような症状が突然起きたときはすぐに119番通報するよう案内しています。

  • 胸や背中の激痛
  • 胸の中央が締め付けられるような、または圧迫されるような痛みが2〜3分続く
  • 急な息切れ、呼吸困難
  • 顔の片方がゆがむ、ろれつがまわりにくい、片方の手足に力が入らない、激しい頭痛
  • 意識がない、またはもうろうとしている
  • 冷や汗を伴うような強い吐き気

迷うときは、救急相談窓口(#7119等)に相談できます。

当院で定期健康診断を受ける場合

労働安全衛生法では、事業者が指定した医師以外で相当する健康診断を受け、結果の書面を提出することもできるとされています。会社の指定の医療機関や用紙があるかは、事前に確かめてください。

  • 料金:35歳および40歳以上の方の定期健康診断は8,000円(税込)です
  • 項目:身体測定・視力・聴力、胸部エックス線検査、血圧測定、尿検査、貧血検査、肝機能検査、脂質検査、血糖検査(HbA1c)、心電図検査
  • 食事:血糖検査はHbA1cで行うため、食事の影響を受けません。食事をとってからお越しいただいて大丈夫です。会社の指定で空腹時血糖を測る場合は、食事を抜いてお越しください
  • 結果と時間:法定の11項目の結果は、当日その場でお渡しします。所要時間は30〜40分程度が目安です
  • 予約:当日のWEB予約もできます。診療時間は12:00〜21:00(火曜休診)で、博多駅筑紫口から徒歩2分、竹下通り沿いです
  • 会社指定の用紙:事前にお問い合わせからお送りいただき、ご相談ください。できる限り対応しています。電子での対応が難しい場合は、当日に紙をお持ちください
  • ご来院前に:尿検査があるため、来院直前のお手洗いはお控えください。健康診断と保険診療は、同じ日に受けることができません
  • 再検査:健康診断で再検査を言われた場合も、当院で再検査・精密検査を受けることができます。健康診断結果報告書をお持ちください

参考文献

  • 労働安全衛生法 第66条、第66条の4〜第66条の7(e-Gov法令検索)
  • 労働安全衛生規則 第44条、第51条の4(e-Gov法令検索)
  • 厚生労働省「労働安全衛生規則第四十四条第二項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」(平成10年労働省告示第88号、令和8年厚生労働省告示第204号による改正を含む)
  • 厚生労働省労働基準局長通知「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行等について」(令和8年4月28日 基発0428第9号)
  • 厚生労働省労働基準局長通知「定期健康診断等における診断項目の取扱い等について」(平成29年8月4日 基発0804第4号)
  • 厚生労働省労働基準局長通知「定期健康診断等における血糖検査の取扱いについて」(令和2年12月23日 基発1223第7号)
  • 厚生労働省「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会 報告書」(平成28年12月28日)
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「Hb/血色素量」「γ-GT」「脂質異常症」「ヘモグロビンA1c/HbA1c」「特定健康診査の検査項目」
  • 総務省消防庁「救急車を上手に使いましょう~救急車 必要なのはどんなとき?~」(令和7年10月発行)

当院のページ「健康診断・予防接種」(料金・検査項目・オプション検査)

https://hirotsu.clinic/checkups-vaccines/

当院のページ「企業のご担当者様へ」(従業員の方の健康診断・職域での予防接種)

https://hirotsu.clinic/for-business/

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