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院長ブログ
日々の診療室から(391件)
インフル2025シリーズ #6 家庭内感染対策の完全まとめ 2025年:家族に広げないための医学的に正しい方法
はじめに 2025年はインフルエンザの立ち上がりが早く、家庭内感染(家族内二次感染)が急増しています。 家族の誰かが感染すると、同居家族へ広がるリスクは高く、特に小児・高齢者・基礎疾患のある方では注意が必要です。 本記事では、日本のガイドライン・最新の感染症学の知見から「家庭内感染を減らすために効果が示されている方法」だけを整理します。 医療広告ガイドラインに従い、効果保証や比較表現は行わず、事実
インフル2025シリーズ #5 子どものインフルエンザ 2025年最新:脳症リスクと受診の目安を正しく理解する
はじめに 2025年のインフルエンザ流行は早く、すでに多くの地域で警報レベルに達しています。 特に小児では、インフルエンザに伴う「脳症」への関心が高まっています。 本記事では、インフルエンザ脳症とは何か、どの症状に注意すべきか、受診の目安はどうかを、最新の日本の指針・疫学データに基づいて整理します。 医療広告ガイドラインに従い、効果保証や比較表現は用いず、医学的に確認されている事実のみを記載します
インフル2025シリーズ #3 妊娠中・授乳中のインフルエンザ対策 安全性データと日本の推奨に基づく最新まとめ
はじめに 妊娠中や授乳中は、インフルエンザに感染した時の体への負担が大きくなることが知られています。 日本では、妊娠・授乳中でも治療とワクチン接種が推奨される場面があります。 本記事では、最新の日本の指針と安全性データを踏まえ、2025年における「妊娠中・授乳中のインフルエンザ対策」を整理します。 1. 妊娠中のインフルエンザはなぜ注意が必要か 妊娠中は免疫や循環・呼吸機能の変化があり、インフルエ
インフル2025シリーズ #8 2025年:インフルエンザ 症状別の受診目安と重症化サインまとめ
はじめに インフルエンザの流行が非常に早い2025年は、 「この症状なら受診すべき?」「救急レベルなのか?」 といった相談が急増しています。 本記事では、インフルエンザの症状を“軽症・中等症・重症”に分けて、受診のタイミングを整理します。 日本のガイドライン(日本感染症学会・厚労省)に基づき、医学的に確認されている事実のみを扱います。 1. インフルエンザの典型症状 インフルエンザでは、以下の症状
インフル2025シリーズ #2 2025年版:抗インフルエンザ薬の使い分け 日本で使える薬と、使われる場面の最新整理
はじめに 2025年のインフルエンザは例年より早い流行となり、抗インフルエンザ薬の適切な使い分けが重要になります。 本記事では、日本で使用できる抗インフルエンザ薬をすべて網羅し、最新のガイドライン・添付文書に基づいて「どのような場面で使用されるか」を整理します。 医療広告ガイドラインに基づき、効果の保証は行わず、「使われることがある」「適応がある」といった事実のみ記載します。 1. 日本で使用でき
インフル2025シリーズ #1 2025年版:インフルエンザ最新総まとめ 南半球データから読む「今年の流行と症状の特
はじめに 2025年のインフルエンザは、例年と比べても「立ち上がりが早い」ことが大きな特徴です。 日本では10月の段階で定点報告数が急増し、11月にはすでに全国的に警報レベルを超えています。 本記事では、**南半球で先に経験された2025年冬シーズン(=日本の半年先の姿に相当)**をもとに、今年の流行株、ワクチンの当たり具合、症状の特徴を最新データから整理します。 1. 南半球2025年シーズンの
妊娠中・授乳中の喘息吸入薬の適応について総説
結論から言うと、日本・海外のガイドラインは共通して 喘息コントロール不良そのものの方が、母体・胎児へのリスクが大きい 吸入薬は妊娠中・授乳中でも原則として継続する という立場です。サイエンスダイレクト+3日本産婦人科医会+3臨床支援アプリHOKUTO+3 ここでは「妊娠・授乳中の喘息吸入薬」について、 日本のガイドラインを中心に、海外の方針も補足しながら整理します。 1. 妊娠中の喘息で本当に問題
妊娠中・授乳中の「頑固な咳」 咳喘息への LABA/ICS 使用は可能か? 最新の国内外ガイドラインから整理
1. 今いちばん多い相談は「咳だけ止まらない」 外来で非常に多いのが、 新型コロナ後の長引く咳 後鼻漏が治っても続く咳 風邪後 3週間以上続く咳 深夜や朝方にだけ出る咳 痰が出ないのに咳ばかり続く こうした「咳が主体」で来院する方で、もともと喘息歴がないケースは多いです。 医学的には 咳喘息(Cough-variant asthma) や 気道過敏性亢進 を疑う病態。 そしてここで最も多い質問が
NHK福岡「ロクいち!福岡」に出演しました
2025年10月11日放送の NHK福岡『ロクいち!福岡』(18:10〜) にて、 当院・ひろつ内科クリニック院長 廣津こう平 が 「寒暖差による体調不良とその対策」についてコメント出演いたしました。 寒暖差による体調不良とは? 朝晩と日中の気温差が大きくなるこの時期、 「だるい」「眠れない」「食欲が出ない」「めまいがする」 といった訴えで来院される方が増えています。 これは、体温調整を担う 自律
「トイレが近い…」それ、過活動膀胱かもしれません
「急にトイレに行きたくなって我慢できない」「夜中に何度も起きる」―― そんな症状が続くと、日常生活が大きく制限されてしまいます。 このような症状があるときに考えられるのが、**過活動膀胱(かかつどうぼうこう)**です。 40歳以上の日本人では、およそ8人に1人が悩んでいるといわれています。 1. 過活動膀胱とは? 過活動膀胱とは、膀胱(ぼうこう)の働きが過敏になり、急に尿意が強く出てしまう状態のこ
単純性紫斑病とは?―皮膚にあざができやすい人の原因と対処法―
皮膚に赤紫色のあざができやすく、「ぶつけた覚えがないのに青あざができる」という方はいませんか? このような症状で最も多いのが**単純性紫斑病(たんじゅんせいしはんびょう)**です。高齢者だけでなく、若い女性にもみられることがあり、原因や対処法を正しく理解することが大切です。 単純性紫斑病とは? 単純性紫斑病(simple purpura, senile purpura)は、皮下出血によって皮膚に紫
2025年度版:抗インフルエンザ薬の完全ガイド ― 日本で処方される薬の違い・使い分け・最新エビデンス ―
毎年冬になると流行するインフルエンザ。 「タミフル」「ゾフルーザ」「リレンザ」「イナビル」など名前を聞いたことはあっても、実際にどの薬を使うのがよいのか、迷う方は多いと思います。 この記事では、2025年現在、日本で使用されているすべての抗インフルエンザ薬の特徴と使い分けを、厚生労働省および日本感染症学会の最新ガイドラインに基づいてわかりやすく整理します。 副作用や妊娠・授乳中の使用可否なども含め
妊娠・授乳中のインフルエンザワクチンは安全?最新エビデンスで解説
インフルエンザの流行期に妊婦さんや授乳中の方から「ワクチンを打っていいですか?」という質問をよく受けます。 結論から言うと、妊娠中・授乳中のインフルエンザワクチン接種は安全で、強く推奨されています。 結論(日本のガイドライン) 日本産科婦人科学会および日本感染症学会では、以下のように明記されています。 妊婦はインフルエンザの重症化リスクが高く、ワクチン接種が推奨される。 不活化ワクチン(日本で使用
痛風発作とは?― 尿酸の炎症反応を科学的に理解する
痛風発作のメカニズム 痛風は、尿酸ナトリウム結晶が関節内に沈着し、急性の無菌性炎症を引き起こす疾患です。 結晶がマクロファージに取り込まれると、NLRP3インフラマソームが活性化し、IL-1βが放出され、好中球浸潤によって激しい疼痛と腫脹を生じます。 典型的には**母趾MTP関節(足の親指の付け根)**に発作が起こります。 痛風発作の誘因 飲酒(特にビール・焼酎などプリン体含有が多いもの) 脱水(
成人の水痘(みずぼうそう)初感染 ― 重症化リスクと最新の治療指針
はじめに 水痘(水ぼうそう)は小児期に多くみられるウイルス感染症ですが、成人してから初めて感染する場合は重症化しやすく、入院を要するケースも少なくありません。 ここでは、成人の水痘初感染について、疫学・臨床経過・診断・治療・予防の観点から最新エビデンスをまとめます。 水痘の原因と感染経路 原因は**水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV, varicella-zoster virus)で、空気感染・飛沫感
乳糖不耐症の治療薬まとめ:薬局で買える対策と医師が使う治療法
1. 乳糖不耐症とは 乳糖不耐症(lactose intolerance)は、小腸上皮のラクターゼ(乳糖分解酵素)活性が低下することで、乳糖を分解できず、腹部膨満・下痢・ガス・腹痛などが起こる状態。 アジア人では成人の約80%に程度の差があり、日本でも非常に一般的。 原因は「一次性(加齢による酵素減少)」と「二次性(腸炎や抗生剤後などによる粘膜障害)」に分類される。 2. 基本的な対策(エビデンス
偽痛風とは?本当の痛風とどう違うのか
関節が急に腫れて痛む病気といえば「痛風」が有名ですが、実は似た症状を起こす「偽痛風(ぎつうふう)」という病気があります。 正式には「ピロリン酸カルシウム結晶沈着症(Calcium Pyrophosphate Deposition Disease, CPPD)」と呼ばれます。 症状:急に膝や手首が腫れて痛い 典型的には膝関節や手首などが突然赤く腫れて激しい痛みを起こします。 発作的に数日〜1週間ほど
膀胱炎を防ぐには?エビデンスに基づいた予防法まとめ
「トイレのたびに痛い」「何度も繰り返す」――そんな膀胱炎は、生活の工夫でかなり防ぐことができます。 今回は、医学的に効果が確かめられている予防法を中心に紹介します。 1. 水をしっかり飲む 最もシンプルで効果があるのがこまめな水分摂取です。 尿をためすぎると細菌が繁殖しやすくなります。 1日に1.5〜2Lの尿が出るくらいを目安に、水やお茶を少しずつ飲むのがおすすめです。 (腎臓や心臓に持病がある方
中性脂肪高値で何が起こる?(何が危ない?何を防ぐ?)
結論から。高トリグリセライド(TG)血症で臨床的に重要なのは大きく3つです。 1)動脈硬化(残余リスク)の増大、2)急性膵炎リスク、3)脂肪肝・代謝異常の進行。日本ではLDL管理を大黒柱としつつ、TG高値は「残余リスク」として扱い、随時(非空腹時)測定を含めた管理の枠組みが明確化されています。j-athero.org+2j-athero.org+2 1. 動脈硬化リスク(残余リスク) TG高値はリ
インフルエンザ、陰性でも感染してる?正確な検査のタイミングとは
インフルエンザが流行すると、「検査では陰性だったのに、翌日陽性になった」という話をよく聞きます。 実はこれ、珍しいことではありません。検査の正確さは、**「発症からの経過時間」**に大きく左右されるためです。 発症とはいつのこと? 医学的に「発症」とは、発熱などの主要症状が現れた時点を指します。 これは厚生労働省および日本感染症学会の定義に基づいており、 単なる喉の違和感や軽い倦怠感の段階は「発症
声がかすれにくい吸入薬はどれ? 〜嗄声(させい)を防ぐための正しい選び方〜
吸入薬で喘息を治療していると、「声がかすれる」「のどがヒリヒリする」と感じる人がいます。 これは**ステロイド成分(ICS:吸入ステロイド)**がのどに付着して起きる副作用の一つです。 ただし、すべての薬で同じように起こるわけではありません。 1. 声がかすれにくい吸入薬の傾向 日本で使われている代表的な「ICS/LABA(吸入ステロイド+気管支拡張薬)」の中で、 臨床試験で嗄声(声のかすれ)の報
低血圧とは?原因・症状・治療方針を医学的に正確にまとめました【総説】
1. 低血圧とは 低血圧とは、収縮期血圧100 mmHg未満を指すことが多いですが、医学的には「症状を伴う低血圧」が臨床的意義を持ちます。 日本高血圧学会や欧州心臓病学会(ESC)は、「絶対値よりも臨床症状の有無を重視すべき」としています。 主な分類 一次性(体質性)低血圧 起立性低血圧 食後低血圧 二次性低血圧(薬剤性、内分泌疾患、脱水など) 2. 症状 めまい、ふらつき、倦怠感 立ちくらみ、失
マイコプラズマ肺炎とは?原因・症状・検査・治療を医学的に解説
マイコプラズマ肺炎は、Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ・ニューモニエ)という細菌によって引き起こされる非定型肺炎の代表的な感染症です。主に小児や若年成人に多いものの、成人でも発症します。日本では毎年秋から冬にかけて流行する傾向があります。 原因と感染経路 病原体であるマイコプラズマは、細胞壁を持たない非常に小型の細菌です。通常の抗菌薬(βラクタム系など)が効きにくいのは、
家族がインフルエンザにかかったとき、いつまで別室が必要か?
家庭内で家族の一人がインフルエンザにかかったとき、どのくらいの期間「別室」で過ごすべきかは、実は医学的に明確な根拠があります。日本では、発症後のウイルス排出期間をもとに期間を判断します。 感染性のある期間 インフルエンザウイルスは、発症の前日から発症後5〜7日程度にかけて体外に排出されます。感染力が最も強いのは発熱を中心とする発症直後2〜3日間です。 このため、厚生労働省や日本感染症学会は、発症後