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院長ブログ
日々の診療室から(401件)
帯状疱疹に対する抗ウイルス薬の使い分け|内服・点滴・腎機能まで網羅解説
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)が体内で再活性化することで発症します。 治療の中心は**抗ウイルス薬の全身投与(内服または点滴)**であり、発症早期に適切な薬剤を選択できるかが重要とされています。 本記事では、日本の診療ガイドラインを前提に、 ・使用される抗ウイルス薬 ・内服薬と点滴の使い分け ・腎機能低下時の注意点 を中心に、実臨床ベースで整理します。 抗ウイルス薬治療の目的 帯状疱
福岡県のインフルエンザ感染者数が全国でも最上位水準となっている現状について
福岡県のインフルエンザ流行状況(最新データ) 福岡県では、2025年冬シーズンに入りインフルエンザの流行が急速に拡大しています。 感染症発生動向調査(定点把握)によると、2025年第49週(12月1日〜12月7日) における福岡県のインフルエンザ定点当たり患者報告数は 65.56 でした。 この数値は、同時期の全国平均(38.51)を大きく上回る水準であり、都道府県別に見ても全国で最上位水準に位置
低用量ピルとトラネキサム酸併用で血栓症リスクは本当に上がるのか ―「過度に心配する必要はない」と言える根拠を整理する―
低用量ピル(OC/LEP)を内服中の方が、月経過多や肝斑治療などの目的で**トラネキサム酸(TXA)**を併用してよいのか、という相談は少なくありません。 とくに「血栓症リスクが重なるのではないか」という点がよく問題になります。 結論から言うと、現時点のエビデンスを総合すると、適切な患者選択と短期・適正使用であれば、併用を過度に恐れる必要はない、という整理が妥当です。 まず大前提:理論的懸念と臨床
帯状疱疹の治療薬と腎障害 ― 腎機能が低下している方は何に注意すべきか ―
帯状疱疹(Herpes zoster)は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって起こる疾患です。 治療の基本は抗ウイルス薬の早期投与ですが、これらの薬剤は腎機能の影響を強く受けるという重要な特徴があります。 特に高齢者では、自覚のない腎機能低下を合併していることも多く、薬剤選択や用量調整を誤ると副作用リスクが高まります。 この記事では、帯状疱疹治療薬と腎障害の関係について、実臨床ベース
12月中旬以降のインフルエンザワクチン接種について 今年はインフルエンザAの流行が早かったが、それでも無意味ではない理由
今年のインフルエンザシーズンは、例年と比べてインフルエンザA型の流行開始が早いという特徴があります。 そのため、 「もう流行ってしまったのでは?」 「12月中旬以降にワクチンを打つ意味はあるの?」 と疑問に思う方も少なくありません。 結論から言うと、12月中旬以降のワクチン接種は、確かに“万能”ではありませんが、決して無意味ではありません。 その理由を、今年の流行状況とワクチンの位置づけから整理し
手足口病とは?大人にも起こる症状・治療・出勤の目安を医師が解説
夏から秋にかけて流行しやすい感染症として知られる「手足口病」は、子どもの病気というイメージが強いかもしれません。しかし実際には、大人でも感染することがあります。 この記事では、手足口病の基本的な特徴から、大人の場合の症状、治療の考え方、仕事を休む目安までを、医学的根拠に基づいて解説します。 手足口病とは 手足口病は、ウイルス感染によって起こる急性の感染症です。 主に小児に多く見られますが、保育や子
腕に「帯状の赤みと腫れ」が出たときに考える病気
腕の皮膚に、帯状(横方向・線状)の赤みや腫れが急に現れることがあります。いわゆる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」として知られる細菌感染でみられる症状ですが、同じような見た目を示す他の病気もあり、原因によって対処が変わります。 今回は、医学的に根拠が確認されている範囲で、帯状の発赤が腕に出たときの主な鑑別疾患と考え方をまとめます。 蜂窩織炎(細菌による皮膚の炎症) 蜂窩織炎は、皮膚の浅い部分から皮下組
日本の年末年始の医療体制と備え(総説)
年末年始に医療体制が変化する理由 日本では、12月29日頃から1月3日頃まで多くの医療機関が休診となり、外来機能が一時的に低下します。 そのため、患者の受診先が限られ、救急医療機関・当番医に負荷が集中する構造が毎年みられます。 厚生労働省および各自治体は、これを「特定期間の医療提供体制」として整理しており、休日期間中は 自治体が指定する休日当番医 救急告示病院(ER機能) 小児救急拠点病院 夜間急
犬に咬まれたときの「破傷風」は大丈夫?
トキソイド・テタノブリンの適応と、最近の在庫不足についてわかりやすく解説します 犬に咬まれたとき、多くの方が心配されるのは「傷口の感染」や「狂犬病」ですが、実は破傷風(はしょうふう)のリスク評価もとても重要です。 破傷風菌は土壌などに広く存在し、傷口から体内に入ることで発症します。日本での発生数は多くありませんが、重症化することがあり、けがをした時点での適切な予防が大切です。 この記事では、一般の
低用量ピルでLDLコレステロールは上がる? 医師が最新エビデンスでわかりやすく解説
低用量ピル(経口避妊薬)は避妊だけでなく、月経痛の軽減やPMS改善の目的でも広く使われています。 その一方で「ピルを飲むとLDLコレステロール(いわゆる悪玉)が上がるのでは?」という質問をたまに受けます。 結論として、 低用量ピルの内服中にLDLが上昇することはありうる というのが医学的にも妥当な説明です。 ただし、多くは軽度で、変化が全くない方も多く、上がるかどうかは個人差があります。 ここから
大人のアデノウイルス感染症が疑われたら 出勤停止期間はどれくらい? (最新ガイドライン準拠)
アデノウイルスは「子どもの病気」という印象が強いですが、実は 大人でも普通に感染します。 そしてもうひとつ大事なポイントとして、大人が職場で過ごす場合、 症状が落ち着く前に復帰すると周囲に広がりやすい ことが知られています。 今回は、大人がアデノウイルスに感染したとき、出勤をどうすべきか 日本のガイドラインに基づいて「はっきり」まとめます。 結論から書くと、 アデノウイルス感染症には 法的な出勤停
インフルエンザ薬(タミフル)予防投与外来を開始しました 福岡市博多区(2025年・当院自由診療)
インフルエンザの流行が続いており、同居家族が陽性となった場合など、「自分も発症して仕事や学校を休めない」という状況に備え、ひろつ内科クリニックでは タミフル(オセルタミビル)による予防投与外来 を開始します。 日本では、タミフルの予防投与は 家族内発症など特定の状況で使用されることがある とされています。発症抑制効果が報告されていますが、必ずしも発症を防げるわけではありません。医療用医薬品であり、
若者の自然気胸について総論 (10〜30代に多い“突然の胸痛と息苦しさ”の正体)
自然気胸は、突然「胸が痛い」「息がしづらい」といった症状で始まることが多く、特に 10〜30代のやせ型の男性 にしばしばみられます。 肺の一部が破れて空気が胸腔に漏れ出し、肺がしぼんでしまう状態です。 1. 自然気胸とは何か 日本呼吸器学会の定義では、外傷や医療処置を伴わずに肺が破れて起こる気胸を「自然気胸」と呼びます。 そのうち明らかな基礎疾患がないものを 特発性自然気胸(primary spo
若者の低血糖症状について徹底解説(2025年版)
1. 低血糖ってそもそも何? 低血糖とは、「血液中のブドウ糖(血糖)が下がりすぎた状態」を指します。 日本では明確な数値の決め方は疾患や状況で少し異なりますが、 糖尿病治療中の文脈では 「血糖値が 70mg/dL 未満になった状態」を低血糖とする教科書・ガイドが多く、 海外のガイドライン(米国糖尿病学会など)でも、 レベル1低血糖:70mg/dL未満54mg/dL以上 レベル2低血糖:54
片頭痛の薬「トリプタン系」の副作用をわかりやすく解説
片頭痛の発作に使われる「トリプタン」という薬があります。 スマトリプタン(イミグラン)、リザトリプタン、ゾルミトリプタン、エレトリプタン、アルモトリプタン、ナラトリプタンなど、現在日本では複数の薬が使えます。 即効性があり、片頭痛治療の中心になる薬ですが、 「胸が締めつけられる感じがした」 「飲んだらめまいがあった」 といった相談も多く、初めて使う方は不安になることがあると思います。 今回は 日本
左軸偏位とは?心電図で指摘されたときに確認すべきポイント
心電図の「左軸偏位(Left Axis Deviation:LAD)」は、心室の電気刺激が進む方向(QRS軸)が −30°以下〜 −90°の範囲に偏っている状態を指します。 これは「病名」ではなく、あくまで心電図の電気的所見です。 日本循環器学会の心電図の標準的解説でも、QRS軸 ・−30°〜 −90°:左軸偏位 と定義されています。 心電図で左軸偏位を指摘されたからといって、直ちに特定疾患が決ま
悪性黒色腫(メラノーマ)の治療法:最新エビデンスによる総論(2025年版)
悪性黒色腫(メラノーマ)は皮膚がんの中でも特に「進行スピードが早いタイプ」とされ、早期から適切な治療を行うことが重要です。近年は免疫チェックポイント阻害薬を中心に治療成績が大きく改善しており、日本でも国際標準に沿った治療が行われています。 この記事では、日本で推奨されている治療の全体像を、最新エビデンスに基づいてまとめます。 1. まず最優先となる治療:外科的切除(根治を目指す治療) 日本では「完
大人のアデノウイルス感染症(2025年版)総説
アデノウイルスと聞くと「子どもの夏風邪」というイメージを持つ方が多いですが、 実は大人でもかかる感染症 です。 症状は子どもより軽いことが多いものの、咽頭炎、結膜炎、腸炎、まれに肺炎 まで幅があります。 本記事では、日本の最新ガイドラインと信頼できる疫学データをもとに、大人のアデノウイルス感染症を整理します。 1. アデノウイルスとは アデノウイルスは 50種類以上の型 が存在するウイルス群で、
吐き気止めはどれが安全? プリンペラン・ナウゼリン・その他の薬の違いをわかりやすく解説します
吐き気や胸のムカムカがあるとき、病院でよく処方されるのが「制吐剤(せいとざい)」です。 特に多いのが ・プリンペラン(メトクロプラミド) ・ナウゼリン(ドンペリドン) の2つですが、「どっちが安全?」「妊娠中は使えるの?」という質問をよくいただきます。 今日は、医師として事実だけを整理し、わかりやすく解説します。 1. 代表的な吐き気止めとその特徴 制吐剤はいくつか種類がありますが、日常診療でよく
抗ヒスタミン薬の「塗り薬」ってどんな薬?
限局したかゆみに使われる外用薬の基本 皮膚が急にかゆくなると、まず「塗り薬で何とかならないかな」と考える方は多いと思います。 今回は、かゆみ止めとして使われる**抗ヒスタミン薬の外用剤(塗り薬)**について、医学的な根拠に沿って整理します。 抗ヒスタミン薬の外用剤とは? 外用抗ヒスタミン薬は、皮膚に塗って使うヒスタミンH1受容体拮抗薬です。 主に、 虫刺され 蕁麻疹様の赤み 軽度の接触皮膚炎による
成人の水痘(VZV初感染)は本当に「ひどい水疱」が出るのか
日本の感染症関連ガイドラインでは、成人の水痘は 水疱が密に多発 紅斑・丘疹・水疱・痂皮が混在 発熱や倦怠感がしばしばみられる という比較的“重い”経過をとることが知られています。 そのため、少数の散在性水疱のみの成人水痘は非典型で、鑑別順位は下がります。 ワクチン既接種者や不顕性感染歴がある場合に軽症化することはありますが、それでも水疱は“もう少し密に”出ることが多いとされています。 今回のような
妊娠中のインフルエンザ治療:絶対過敏期・相対過敏期とタミフル/イナビルの安全性
妊娠中にインフルエンザにかかったとき、 「薬を飲んでも大丈夫なのか?」 「胎児への影響は?」 と不安に感じる方は非常に多いと思います。 ここでは、日本のガイドラインに基づき、**妊娠中の薬剤選択で必ず理解しておきたい「絶対過敏期・相対過敏期」**の考え方と、抗インフルエンザ薬(タミフル/イナビル)の安全性について整理します。 1. 妊娠中の“絶対過敏期”と“相対過敏期”とは? 絶対過敏期(妊娠4〜
ひろつ内科クリニック院長が Indeed(インディード)公式記事の監修を行いました
2025年11月、求人サービス「Indeed(インディード)」が運営するキャリア情報サイトに掲載された以下の記事について、当院院長・廣津こう平が監修を担当しました。 監修記事: https://jp.indeed.com/career-advice/interviewing/clinic-interview (記事タイトル:クリニックの面接でよく聞かれる質問と回答例) この記事は、医療機関の採用面
インフルエンザの予防投与は本当に必要?薬ごとの正しい使い方と注意点の総まとめ
インフルエンザが流行すると、「家族が陽性なので薬を飲んでおきたい」「受験が近いので予防したい」という相談が増えます。 しかし、抗インフルエンザ薬は本来“治療薬”であり、予防目的での使用には医学的・制度的な整理が必要です。 この記事では 予防投与が検討される状況、薬剤ごとの正式な用法、実臨床で使われる運用、コンプライアンスの違い、耐性ウイルスの問題、そして保険適応の正確な条件 をエビデンスに基づいて