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院長ブログ
日々の診療室から(340件)
インフル2025シリーズ #4 出勤停止・登校停止・感染期間 2025年版:日本の基準を整理して解説
はじめに インフルエンザの流行が早い2025年は、 「いつまで出勤を控えた方がいいのか?」 「子どもはいつ登校してよいのか?」 といった相談がとても多くなっています。 本記事では、学校保健安全法・厚労省の考え方・感染症の医学的知見をもとに、 出勤停止・登校停止・感染期間について、事実だけを整理します。 1. 子どもの登校停止期間(学校保健安全法) まず、保育園・幼稚園・小中高校などに通う子どもにつ
インフル2025シリーズ #3 妊娠中・授乳中のインフルエンザ対策 安全性データと日本の推奨に基づく最新まとめ
はじめに 妊娠中や授乳中は、インフルエンザに感染した時の体への負担が大きくなることが知られています。 日本では、妊娠・授乳中でも治療とワクチン接種が推奨される場面があります。 本記事では、最新の日本の指針と安全性データを踏まえ、2025年における「妊娠中・授乳中のインフルエンザ対策」を整理します。 1. 妊娠中のインフルエンザはなぜ注意が必要か 妊娠中は免疫や循環・呼吸機能の変化があり、インフルエ
インフル2025シリーズ #10(最終回) 2025年:インフルエンザ後に注意すべき 二次感染(肺炎・副鼻腔炎・心筋炎)まとめ
はじめに インフルエンザ自体は発症から数日で改善することが多い一方、 発症後1〜2週間以内に「二次感染」や「合併症」が起こるケースが古くから知られています。 日本感染症学会・厚生労働省の資料でも、 インフルエンザ後に注意すべき病態として 肺炎 副鼻腔炎・中耳炎 心筋炎 脳炎・脳症(小児) 細菌感染全般 が挙げられています。 本記事では、2025年のインフルエンザ流行状況を踏まえつつ、 医学的に確認
妊娠中・授乳中の喘息吸入薬の適応について総説
結論から言うと、日本・海外のガイドラインは共通して 喘息コントロール不良そのものの方が、母体・胎児へのリスクが大きい 吸入薬は妊娠中・授乳中でも原則として継続する という立場です。サイエンスダイレクト+3日本産婦人科医会+3臨床支援アプリHOKUTO+3 ここでは「妊娠・授乳中の喘息吸入薬」について、 日本のガイドラインを中心に、海外の方針も補足しながら整理します。 1. 妊娠中の喘息で本当に問題
妊娠中・授乳中の「頑固な咳」 咳喘息への LABA/ICS 使用は可能か? 最新の国内外ガイドラインから整理
1. 今いちばん多い相談は「咳だけ止まらない」 外来で非常に多いのが、 新型コロナ後の長引く咳 後鼻漏が治っても続く咳 風邪後 3週間以上続く咳 深夜や朝方にだけ出る咳 痰が出ないのに咳ばかり続く こうした「咳が主体」で来院する方で、もともと喘息歴がないケースは多いです。 医学的には 咳喘息(Cough-variant asthma) や 気道過敏性亢進 を疑う病態。 そしてここで最も多い質問が
NHK福岡「ロクいち!福岡」に出演しました
2025年10月11日放送の NHK福岡『ロクいち!福岡』(18:10〜) にて、 当院・ひろつ内科クリニック院長 廣津こう平 が 「寒暖差による体調不良とその対策」についてコメント出演いたしました。 寒暖差による体調不良とは? 朝晩と日中の気温差が大きくなるこの時期、 「だるい」「眠れない」「食欲が出ない」「めまいがする」 といった訴えで来院される方が増えています。 これは、体温調整を担う 自律
「トイレが近い…」それ、過活動膀胱かもしれません
「急にトイレに行きたくなって我慢できない」「夜中に何度も起きる」―― そんな症状が続くと、日常生活が大きく制限されてしまいます。 このような症状があるときに考えられるのが、**過活動膀胱(かかつどうぼうこう)**です。 40歳以上の日本人では、およそ8人に1人が悩んでいるといわれています。 1. 過活動膀胱とは? 過活動膀胱とは、膀胱(ぼうこう)の働きが過敏になり、急に尿意が強く出てしまう状態のこ
単純性紫斑病とは?―皮膚にあざができやすい人の原因と対処法―
皮膚に赤紫色のあざができやすく、「ぶつけた覚えがないのに青あざができる」という方はいませんか? このような症状で最も多いのが**単純性紫斑病(たんじゅんせいしはんびょう)**です。高齢者だけでなく、若い女性にもみられることがあり、原因や対処法を正しく理解することが大切です。 単純性紫斑病とは? 単純性紫斑病(simple purpura, senile purpura)は、皮下出血によって皮膚に紫
2025年度版:抗インフルエンザ薬の完全ガイド ― 日本で処方される薬の違い・使い分け・最新エビデンス ―
毎年冬になると流行するインフルエンザ。 「タミフル」「ゾフルーザ」「リレンザ」「イナビル」など名前を聞いたことはあっても、実際にどの薬を使うのがよいのか、迷う方は多いと思います。 この記事では、2025年現在、日本で使用されているすべての抗インフルエンザ薬の特徴と使い分けを、厚生労働省および日本感染症学会の最新ガイドラインに基づいてわかりやすく整理します。 副作用や妊娠・授乳中の使用可否なども含め
妊娠・授乳中のインフルエンザワクチンは安全?最新エビデンスで解説
インフルエンザの流行期に妊婦さんや授乳中の方から「ワクチンを打っていいですか?」という質問をよく受けます。 結論から言うと、妊娠中・授乳中のインフルエンザワクチン接種は安全で、強く推奨されています。 結論(日本のガイドライン) 日本産科婦人科学会および日本感染症学会では、以下のように明記されています。 妊婦はインフルエンザの重症化リスクが高く、ワクチン接種が推奨される。 不活化ワクチン(日本で使用
痛風発作とは?― 尿酸の炎症反応を科学的に理解する
痛風発作のメカニズム 痛風は、尿酸ナトリウム結晶が関節内に沈着し、急性の無菌性炎症を引き起こす疾患です。 結晶がマクロファージに取り込まれると、NLRP3インフラマソームが活性化し、IL-1βが放出され、好中球浸潤によって激しい疼痛と腫脹を生じます。 典型的には**母趾MTP関節(足の親指の付け根)**に発作が起こります。 痛風発作の誘因 飲酒(特にビール・焼酎などプリン体含有が多いもの) 脱水(
成人の水痘(みずぼうそう)初感染 ― 重症化リスクと最新の治療指針
はじめに 水痘(水ぼうそう)は小児期に多くみられるウイルス感染症ですが、成人してから初めて感染する場合は重症化しやすく、入院を要するケースも少なくありません。 ここでは、成人の水痘初感染について、疫学・臨床経過・診断・治療・予防の観点から最新エビデンスをまとめます。 水痘の原因と感染経路 原因は**水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV, varicella-zoster virus)で、空気感染・飛沫感
乳糖不耐症の治療薬まとめ:薬局で買える対策と医師が使う治療法
1. 乳糖不耐症とは 乳糖不耐症(lactose intolerance)は、小腸上皮のラクターゼ(乳糖分解酵素)活性が低下することで、乳糖を分解できず、腹部膨満・下痢・ガス・腹痛などが起こる状態。 アジア人では成人の約80%に程度の差があり、日本でも非常に一般的。 原因は「一次性(加齢による酵素減少)」と「二次性(腸炎や抗生剤後などによる粘膜障害)」に分類される。 2. 基本的な対策(エビデンス
偽痛風とは?本当の痛風とどう違うのか
関節が急に腫れて痛む病気といえば「痛風」が有名ですが、実は似た症状を起こす「偽痛風(ぎつうふう)」という病気があります。 正式には「ピロリン酸カルシウム結晶沈着症(Calcium Pyrophosphate Deposition Disease, CPPD)」と呼ばれます。 症状:急に膝や手首が腫れて痛い 典型的には膝関節や手首などが突然赤く腫れて激しい痛みを起こします。 発作的に数日〜1週間ほど
膀胱炎を防ぐには?エビデンスに基づいた予防法まとめ
「トイレのたびに痛い」「何度も繰り返す」――そんな膀胱炎は、生活の工夫でかなり防ぐことができます。 今回は、医学的に効果が確かめられている予防法を中心に紹介します。 1. 水をしっかり飲む 最もシンプルで効果があるのがこまめな水分摂取です。 尿をためすぎると細菌が繁殖しやすくなります。 1日に1.5〜2Lの尿が出るくらいを目安に、水やお茶を少しずつ飲むのがおすすめです。 (腎臓や心臓に持病がある方
中性脂肪高値で何が起こる?(何が危ない?何を防ぐ?)
結論から。高トリグリセライド(TG)血症で臨床的に重要なのは大きく3つです。 1)動脈硬化(残余リスク)の増大、2)急性膵炎リスク、3)脂肪肝・代謝異常の進行。日本ではLDL管理を大黒柱としつつ、TG高値は「残余リスク」として扱い、随時(非空腹時)測定を含めた管理の枠組みが明確化されています。j-athero.org+2j-athero.org+2 1. 動脈硬化リスク(残余リスク) TG高値はリ
インフルエンザ、陰性でも感染してる?正確な検査のタイミングとは
インフルエンザが流行すると、「検査では陰性だったのに、翌日陽性になった」という話をよく聞きます。 実はこれ、珍しいことではありません。検査の正確さは、**「発症からの経過時間」**に大きく左右されるためです。 発症とはいつのこと? 医学的に「発症」とは、発熱などの主要症状が現れた時点を指します。 これは厚生労働省および日本感染症学会の定義に基づいており、 単なる喉の違和感や軽い倦怠感の段階は「発症
声がかすれにくい吸入薬はどれ? 〜嗄声(させい)を防ぐための正しい選び方〜
吸入薬で喘息を治療していると、「声がかすれる」「のどがヒリヒリする」と感じる人がいます。 これは**ステロイド成分(ICS:吸入ステロイド)**がのどに付着して起きる副作用の一つです。 ただし、すべての薬で同じように起こるわけではありません。 1. 声がかすれにくい吸入薬の傾向 日本で使われている代表的な「ICS/LABA(吸入ステロイド+気管支拡張薬)」の中で、 臨床試験で嗄声(声のかすれ)の報
低血圧とは?原因・症状・治療方針を医学的に正確にまとめました【総説】
1. 低血圧とは 低血圧とは、収縮期血圧100 mmHg未満を指すことが多いですが、医学的には「症状を伴う低血圧」が臨床的意義を持ちます。 日本高血圧学会や欧州心臓病学会(ESC)は、「絶対値よりも臨床症状の有無を重視すべき」としています。 主な分類 一次性(体質性)低血圧 起立性低血圧 食後低血圧 二次性低血圧(薬剤性、内分泌疾患、脱水など) 2. 症状 めまい、ふらつき、倦怠感 立ちくらみ、失
マイコプラズマ肺炎とは?原因・症状・検査・治療を医学的に解説
マイコプラズマ肺炎は、Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ・ニューモニエ)という細菌によって引き起こされる非定型肺炎の代表的な感染症です。主に小児や若年成人に多いものの、成人でも発症します。日本では毎年秋から冬にかけて流行する傾向があります。 原因と感染経路 病原体であるマイコプラズマは、細胞壁を持たない非常に小型の細菌です。通常の抗菌薬(βラクタム系など)が効きにくいのは、
家族がインフルエンザにかかったとき、いつまで別室が必要か?
家庭内で家族の一人がインフルエンザにかかったとき、どのくらいの期間「別室」で過ごすべきかは、実は医学的に明確な根拠があります。日本では、発症後のウイルス排出期間をもとに期間を判断します。 感染性のある期間 インフルエンザウイルスは、発症の前日から発症後5〜7日程度にかけて体外に排出されます。感染力が最も強いのは発熱を中心とする発症直後2〜3日間です。 このため、厚生労働省や日本感染症学会は、発症後
市販のバファリンで胃粘膜障害は起きるのか?
市販の解熱鎮痛薬「バファリン」は、頭痛や発熱などに広く使用されています。 しかし成分によっては、胃粘膜に障害を起こすことがあることが報告されています。 ここでは、日本で販売されている主要なバファリン製品と、その薬理作用・副作用リスクについて整理します。 バファリンには複数の種類がある 「バファリン」は製品ごとに主成分が異なります。代表的な市販品を以下に示します。 製品名 主成分 特徴 バファリンA
スタチン系薬剤とは
スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)は、肝臓でのコレステロール合成を抑制し、血中LDLコレステロール(悪玉コレステロール)を低下させる薬剤群です。 動脈硬化性疾患予防の中心的薬剤であり、日本でも一次予防・二次予防の両方で広く用いられています。 日本で使用可能なスタチン一覧(2025年時点) 一般名 主な商品名 作用時間 標準投与量 最大投与量 代謝経路 特徴 ロスバスタチン クレストール、ロス
テレビ西日本「記者のチカラ」で秋バテ特集に出演しました【Yahoo!ニュース掲載】
2025年10月23日(木)放送のテレビ西日本「記者のチカラ」で、 私が「秋バテ」についてコメントしました。 番組では、夏から秋への急激な気温・湿度の変化によって起こる “秋バテ”の原因や対策が特集されていました。 私からは、 「自律神経の乱れ、これを一般的に“秋バテ”と呼んでいます」 「夏の間は放熱モードだった体が、急に熱を溜め込むモードに切り替わる必要がある」 といった形でお話ししました。 実