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院長ブログ
日々の診療室から(568件)
大人もかかる「百日咳」――しつこい咳の正体かもしれません
「風邪が治らない…」「咳だけが何週間も続く…」 そんな経験はありませんか? それ、もしかすると「百日咳(ひゃくにちぜき)」かもしれません。 百日咳は子どもの病気と思われがちですが、実は大人にもかかります。 この記事では、百日咳の原因・症状・診断・治療・予防まで、最新の知見に基づいてわかりやすく解説します。 百日咳とは? 百日咳は、**「ボルデテラ・パータシス(Bordetella pertussi
低用量ピルで血栓ができた時の症状と対処法 ~見逃さないために知っておきたいサイン~
はじめに 低用量ピル(経口避妊薬)は、避妊や月経トラブルの改善、PMSの緩和など多くのメリットがあります。一方で、まれではありますが「血栓症」という重い副作用が起こることがあります。 本記事では、低用量ピルで血栓ができた時に見られる症状や、どのように対処すべきかを、最新の医学的エビデンスをもとに解説します。 血栓とは?なぜピルで起こるの? 血栓とは、血管の中に「血のかたまり(血の塊)」ができて、血
経口補水液(ORS)の正しい飲み方 〜熱中症・胃腸炎・脱水対策に〜
暑い季節や体調不良のとき、「経口補水液(ORS)」を飲んでいる方も多いのではないでしょうか? ただし、水分補給として使うにはいくつかの“正しい飲み方”が存在します。 今回は、経口補水液の効果的な使い方について医師の立場から解説します。 そもそも経口補水液(ORS)とは? 経口補水液とは、水・ナトリウム・ブドウ糖などを適切なバランスで含む飲料で、脱水状態の改善を目的に作られています。 ポカリスエット
グルタチオン点滴の効果とは?最新の医療エビデンスをもとに解説
美白やアンチエイジング、さらには肝機能改善にも使われる「グルタチオン点滴」。実際どれほど効果があるのでしょうか? 本投稿では、医療現場でも使用されるグルタチオンの点滴療法について、最新の高品質エビデンスをもとに、その実力と安全性を明らかにします。 そもそもグルタチオンとは? グルタチオンは、グルタミン酸・システイン・グリシンの3つのアミノ酸からなるトリペプチドで、体内の抗酸化システムの中心的役割を
腸活の最前線:最新エビデンスで読み解く、健康と美容の鍵
「腸が変われば、人生が変わる」は本当だった。 「最近よく聞く“腸活”って本当に意味あるの?」 「ヨーグルトを食べてればOK?」 そんな疑問を持つ方へ、今回は最新の研究成果をもとに、腸活の“今”を医師の視点からわかりやすく解説します。 1. 腸活のゴールは「SCFA(短鎖脂肪酸)」にあり 近年、腸内環境を整えることの最終的な目的は「SCFA(酪酸・酢酸・プロピオン酸など)」の産生量を高めることだと言
マンジャロとオゼンピックの違いと使い分け 〜どちらがあなたに合っている?当院では両方取り扱い中〜
最近、テレビやSNSでも注目されている「痩せる注射」ことGLP-1製剤。中でも「マンジャロ」と「オゼンピック」は特に人気が高く、当院でも多くの方に処方しています。 でも、「どちらを選べば良いの?」「何が違うの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。 本記事では、両者の違いや効果、副作用、使い分け方まで、医師の視点でわかりやすく解説します。 1. ざっくり比較:マンジャロ vs オゼンピック 項目
【本気の診療を支える即時検査体制】 〜その場で「わかる」安心を届けたい〜
「検査結果は後日になりますので、また来てください。」 医師として、患者として、何度この言葉に煩わしさを感じてきたでしょうか。病院に足を運び、採血され、不安を抱えて帰る…この流れ、必要ですか? ひろつ内科クリニックでは、そうした不安と時間のムダを徹底的に排除するために、即時検査体制を構築しています。今回は、当院が誇る二大検査装置――ドライケムNX700とセルタックαプラス(MEK-1309)――につ
マンジャロで死亡することはある?〜最新の死亡報告と安全な使い方〜
GLP-1/GIP受容体作動薬「マンジャロ(チルゼパチド)」は、肥満症・糖尿病治療の新たな選択肢として注目されています。その一方で、SNSや一部報道で「マンジャロで死亡した」といった不安な声も上がっています。 では実際に、**マンジャロが直接の原因で死亡することはあるのでしょうか?**最新の研究と事例をもとに、医師の立場から正確に解説します。 結論:マンジャロ単独で死亡リスクが高いという根拠は現時
【最新研究】マンジャロはPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)にも効く?~ダイエット以外の「うれしい副産物」~
最近話題のGLP-1受容体作動薬「マンジャロ(チルゼパチド)」ですが、実はダイエット以外にも意外な効果が報告されているのをご存じでしょうか? そのひとつが、「PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)への有効性」です。 PCOSは20~30代の女性に多く、月経不順・排卵障害・にきび・体毛の増加など、さまざまな悩みの原因になる病気。 当院にも「体重が落ちにくくて月経が戻らない」「婦人科でピルを出されたけど、根本
インフルエンザなのに「胃腸炎」と思い込んでいませんか? ー腸炎と間違われるインフルエンザ―エビデンスで読み解く
「嘔吐や下痢…これは胃腸炎?」実はインフルエンザかも 冬場や流行期に多いインフルエンザですが、「発熱+咳やのどの痛み」といった典型的な呼吸器症状に加え、嘔吐・下痢・腹痛などの胃腸症状が前面に出ることも珍しくありません。 特に小児では「胃腸炎と思っていたらインフルエンザだった」という例は意外と多いのです。 なぜインフルエンザで胃腸症状? 最新の大規模研究(メタ解析)によれば、インフルエンザ患者の
注射なしで体重管理?SGLT2阻害薬「カナグル」の可能性
近年、「痩せる注射」として話題のGLP-1受容体作動薬(マンジャロなど)を使用する方が増えていますが、注射を中止したあとに体重が戻ってしまう=“リバウンド”の悩みもよく聞かれます。 そこで注目されるのが、**経口薬(飲み薬)で体重管理をサポートするSGLT2阻害薬「カナグル」**です。 カナグルとは? カナグル(カナグリフロジン)は「SGLT2阻害薬」と呼ばれる経口糖尿病治療薬で、腎臓での糖再吸収
【私の原点】ラーメン住吉亭──獣の香りに包まれて、27年通い続ける一杯
27年前、私は福岡に移り住んだ。 それまで何度となく“とんこつラーメン”と呼ばれるものを口にしてきたが、 福岡で出会ったのは、“本場のとんこつ”という名の別次元の食べ物だった。 ──その衝撃を与えてくれたのが、ラーメン住吉亭だった。 獣の香りと、シャバ系スープの魔力 まず、店の前に立った時点で香るのは、強烈な獣臭。 これは豚骨が骨の髄まで煮込まれた証。 好みは分かれるかもしれないが、私にとっては帰
健康診断で「異常あり」と言われたら?数値の見方と病院に行くべき目安を解説
「健康診断の結果で“再検査をおすすめします”って書かれてたけど、病院に行った方がいいのかな?」 そんな不安を抱えている方に向けて、今回は数値の意味と受診の目安を丁寧に解説します。 よくある異常値とその意味 【GOT/GPT(AST/ALT)】肝機能 基準値:GOT 8~38 / GPT 4~44(U/L) 高値の原因:お酒、脂肪肝、肝炎(B型・C型)、薬剤性肝障害など 受診目安:GPT>70
マンジャロで理想体重に到達した後の“落とし穴”とは? リバウンドを防ぐ3つの科学的戦略と“間欠投与”の新提案
GLP-1受容体作動薬「マンジャロ(チルゼパチド)」で目標体重に到達された方、おめでとうございます。 ただ、実はここからが本当のスタートです。マンジャロで体重を落とした方の最大のリスクが「リバウンド」です。 本記事では、最新の大規模試験の結果をもとに、マンジャロ卒業後に待ち受ける“体重増加の罠”と、それを防ぐ現実的かつ医療的な対策を解説します。 1. なぜリバウンドするのか? GLP-1やGIPに
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは ― 自覚しづらい「命に関わる病気」
1. 睡眠中に何が起きているのか? 睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が断続的に停止する病気です。定義上、10秒以上の無呼吸や低呼吸が1時間あたり5回以上みられる場合に診断されます。 主な分類は以下の通りです: 閉塞性(OSA):最も多い。上気道の閉塞が原因 中枢性(CSA):脳の呼吸中枢の異常 混合型:上記が混在 2. SASが疑われる症状 いびきが大きい・途中で止まる 日中の眠気
熱中症と点滴 —— 輸液が必要になるとき
毎年夏になると話題になる「熱中症」。水分補給が大切とは言うものの、重症化したときには何が必要になるのでしょうか。体を冷やす治療とともに重要になるのが、静脈からの輸液(点滴)です。 熱中症の重症度分類と治療の基本 日本救急医学会の「熱中症診療ガイドライン2024」では、熱中症は以下のように分類されます(要点のみ抜粋): 分類 症状 対応 I度(軽度) めまい、立ちくらみ、筋肉のこむら返りなど
アレルゲン検査(特異的IgE)はどこまで信用できる?最新エビデンスで解説
花粉症、食物アレルギー、ダニ・ハウスダストなど、アレルギーの原因を特定するために使われる「特異的IgE抗体検査」。保険適用もされており、アレルギー検査の定番とも言えるこの検査ですが、「本当に正確なの?」「誤診や過剰診断のリスクはないの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。 今回は、最新のエビデンスに基づき、特異的IgE検査の精度(感度・特異度)と臨床的な信頼性について詳しく解説します。 特
マンジャロ(チルゼパチド)の副作用とは?
頻度・対処法・膵炎リスクまで徹底解説 週1回の注射で高い血糖降下・体重減少効果が得られる「マンジャロ(一般名:チルゼパチド)」は、糖尿病や肥満治療の最前線にある薬剤です。 その一方で、副作用についても十分に理解し、安全に使用することが大切です。 本記事では、最新の大規模研究を含む信頼性の高いデータをもとに、副作用の種類・頻度・対処法、そして注目される膵炎との関係まで詳しく解説します。 1. 主な副
カンピロバクター食中毒とは?~見落としやすいけれど最多の細菌性腸炎~
◆ カンピロバクターとは カンピロバクター(Campylobacter jejuni など)は、鶏や牛など動物の腸内に常在する細菌で、人には主に食中毒として感染します。わが国の細菌性食中毒の原因として最多であり、厚生労働省の統計では食中毒事件数の3~4割を占める年もあるほどです。 ◆ 感染経路と発症までの流れ 主な感染源は以下の通りです。 加熱不十分な鶏肉・鶏レバー 汚染された調理器具や手指からの
【ぐるぐるめまい=末梢性めまい】その原因と治療法をわかりやすく解説します
「ぐるぐる回る感じがする」「立っていられないほどのめまいが突然来た」 このような“回転性のめまい”を経験されたことはありませんか? これは多くの場合、末梢性めまいと呼ばれるタイプのめまいです。今回はその原因・治療法・注意すべき症状について詳しく解説します。 ◆ 末梢性めまいとは? めまいには大きく分けて「中枢性」と「末梢性」があります。 末梢性めまいは、**耳の奥にある平衡感覚をつかさどる部分(内
大人のリンゴ病(伝染性紅斑)とは?~子どもの病気では済まされない注意点~
「リンゴ病」と聞くと子どもの病気という印象が強いかもしれませんが、実は大人がかかると重症化することもある感染症です。最近では、地域によって流行の拡大が報告されており、医療現場では注意喚起がなされています。 リンゴ病の原因と感染経路 リンゴ病の正式名称は「伝染性紅斑」。**ヒトパルボウイルスB19(Parvovirus B19)**というウイルスが原因で、飛沫感染や接触感染によって広がります。
幹細胞培養上清液とは?
──再生医療から生まれた“細胞のエッセンス”で、内側から整える 「なんとなく疲れが抜けない」「肌のハリが落ちてきた」―― そんな変化に対して、細胞を移植するのではなく、細胞が出す“再生の指令”だけを取り入れる新しい選択肢が注目されています。 それが**幹細胞培養上清液(じょうせいえき)**です。 幹細胞そのものは使わず、そこから分泌された成分だけを利用するため、安全性が高く、美容と健康の両面で静か
風邪じゃない咳が続く原因とは?
― 長引く咳の正体と対処法 ― 「風邪は治ったはずなのに、咳だけがなかなか止まらない」「夜中に咳が出て眠れない」——そうしたお悩みで受診される方が多くなっています。 実は、“風邪が長引いている”のではなく、別の病気が隠れていることもあります。 本記事では、咳が3週間以上続くときに考えるべき主な疾患と、正しい対応について解説します。 咳が長引く原因は? 咳が長引く(遷延性咳嗽:3〜8週、慢性咳嗽:8
【最新研究】マンジャロなどGLP-1受容体作動薬は、実は膵炎のリスクを下げる?
これまで「GLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1製剤)は膵炎になりやすいのでは?」と心配されてきましたが、最近の研究で“むしろリスクを下げるかもしれない”という意外な結果が報告されました。 特に、話題の「マンジャロ(一般名:チルゼパチド)」を含むGLP-1製剤の安全性が見直されつつあり、医療の現場でも注目されています。 そもそもGLP-1受容体作動薬ってなに? GLP-1製剤は、もともと2型糖尿