市販の風邪薬の選び方——総合感冒薬の中身と、症状別に「その成分は要らない」の考え方を内科医が解説
ドラッグストアの風邪薬コーナーに並ぶ「総合感冒薬」。実は中身は、解熱鎮痛薬・鼻水を止める薬・咳止め・去痰薬などの「詰め合わせ」です。自分の症状に要らない成分まで飲むことになり、眠気や口の渇きなどの副作用が出やすくなります。「症状別に、その成分は要らない」という考え方をお伝えします。
総合感冒薬の中身
- 解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン・イブプロフェン・ロキソプロフェン)——熱と痛みに
- 抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミンなど)——鼻水・くしゃみに。眠気・口の渇き・尿が出にくくなる副作用
- 咳止め(デキストロメトルファン・ジヒドロコデイン)——咳に。コデイン系は眠気・便秘、12歳未満は使えません
- 去痰薬(ブロムヘキシンなど)——痰に
- カフェイン——鎮痛成分の働きを助けたり、眠気やだるさを和らげたりする目的で配合されています
- ビタミン類・漢方成分(葛根湯エキスなど)
症状別の選び方——「要らない成分」を外す
- 熱と喉の痛みだけ→解熱鎮痛薬の単剤(アセトアミノフェンなど)で十分。総合感冒薬の抗ヒスタミン薬は不要で、眠気の分だけ損です
- 鼻水・くしゃみだけ→「急性鼻炎」にも使える鼻炎用の内服薬(抗ヒスタミン薬が中心)。なお、眠くなりにくい第2世代の抗ヒスタミン薬の市販薬(フェキソフェナジン・ロラタジンなど)は、効能が花粉・ハウスダストなどによるアレルギー性の鼻症状に限られており、風邪の鼻水は対象外です
- 咳だけ→咳止め・去痰薬の単剤。乾いた咳と痰の絡む咳で選ぶ成分が変わります
- 全部ある→総合感冒薬の出番。ただし「日中は眠くなりにくいもの」「夜は眠くてもよいもの」を使い分けると楽です
注意が必要な方
- 緑内障・前立腺肥大の方——抗ヒスタミン薬で悪化することがあります
- 胃潰瘍・腎臓病・喘息の方、妊娠後期——イブプロフェン・ロキソプロフェンは避けます。アセトアミノフェンが選ばれることが多いものの、市販のアセトアミノフェン製剤でも、胃・十二指腸潰瘍や腎臓病の方、妊娠中の方は服用前に相談することとされており、解熱鎮痛薬やかぜ薬で喘息を起こしたことがある方は服用できません。購入前に医師・薬剤師に相談してください
- 高血圧・心臓病・甲状腺機能障害・糖尿病の方——鼻づまりを抑える成分(プソイドエフェドリンなど)は血圧を上げることがあります。プソイドエフェドリンを含む市販薬は、これらの診断を受けた方は服用しないこととされています
- 他の薬を飲んでいる方——解熱鎮痛薬の重複(風邪薬+鎮痛薬)に注意。薬剤師に相談を
- 子ども・高齢者は用量と成分に特に注意(12歳未満にコデイン系は不可)
市販薬で様子を見てよい期間・受診の目安
通常の風邪は、発症から3日目前後を症状のピークとして、7〜10日ほどで軽快していきます(厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き」)。市販のかぜ薬・解熱鎮痛薬の説明文書では、5〜6回服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、医師・薬剤師などに相談することとされています。次の場合は受診してください: 3日以上たっても症状が良くならない、またはだんだん悪くなる、いったん下がった熱がまた上がる、息苦しさ・胸の痛み、黄色や緑の痰が増える、喉が痛くて飲み込めない、高齢・妊娠中・持病がある方の発熱。インフルエンザの流行期には、早めの検査・治療が有効な場合があります。
参考文献
- 日本OTC医薬品協会「おくすりQ&A(かぜ薬)」
- 厚生労働省「コデインリン酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩又はトラマドール塩酸塩を含む医薬品の『使用上の注意』改訂の周知について(依頼)」(令和元年7月9日)
- 厚生労働省「抗微生物薬適正使用の手引き」
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