健診の「非HDLコレステロール」とは——LDLより実態に近い指標、基準値と結果票の見方を内科医が解説
最近の健診結果票に「non-HDLコレステロール(非HDL)」という項目が並ぶようになりました。LDLと何が違うのか、どちらを見ればいいのか——実は非HDLは、LDLより「動脈硬化の実態に近い」指標として、ガイドラインでも管理目標が設定されています。
非HDLコレステロールとは
計算はとても簡単で、総コレステロール − HDLコレステロールです。つまり「善玉以外の全部」——LDLだけでなく、中性脂肪を運ぶ粒子(VLDLやレムナント)に含まれるコレステロールも含みます。これらの粒子も動脈硬化を進めることが分かってきたため、LDLだけを見るより血管へのリスクを正確に反映すると考えられています。
LDLとの違い——どんなときに非HDLが役立つか
- 中性脂肪が高い方——LDLは計算式(フリードワルド式)で求めることが多く、中性脂肪が高いと正確に出ません。非HDLは中性脂肪の影響を受けず、食後の採血でも使えます
- 糖尿病・メタボリックシンドロームの方——LDLは正常でもレムナントが多く、非HDLで初めてリスクが見えることがあります
- 健診が空腹時でなかった場合
基準値と目標
日本動脈硬化学会のガイドライン2022では、非HDLコレステロール170mg/dL以上を「高non-HDLコレステロール血症」(150〜169は境界域)としています。治療の管理目標は、一般にLDLの目標値+30mg/dLが目安です。たとえばLDLの目標が120未満の方なら、非HDLは150未満。心筋梗塞の既往など高リスクの方はさらに厳しい目標になります。
結果票の見方
- LDLも非HDLも正常→脂質面のリスクは低い
- LDLは正常だが非HDLが高い→中性脂肪由来のリスクが隠れている。中性脂肪と血糖の管理を
- 両方高い→動脈硬化のリスクが高い。他のリスク(血圧・血糖・喫煙・家族歴)と合わせて治療の必要性を判断
受診の目安
- 非HDLが170以上
- LDLが正常なのに非HDLが高い(中性脂肪が高い方に多いパターン)
- 糖尿病・高血圧・喫煙・家族歴などリスクが重なる
内科では、脂質の内訳と他のリスク因子から「あなたの目標値」を決め、食事・運動・必要なら薬で管理します。結果票を持ってお越しいただければ、その場で目標を一緒に確認できます。
参考文献
- 日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版」(non-HDL-C 170mg/dL以上・管理目標=LDL-C目標+30)
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