【2026年6月1日施行】診療報酬改定で何が変わる?3割負担・現役世代の窓口負担を内科医が解説
本記事は2026年5月23日時点の公開情報に基づいて作成しています。最終的な細部・確定情報は厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」関連告示・通知をご確認ください。
2026年6月1日、診療報酬改定が施行されます
2026年(令和8年)6月1日から、診療報酬改定が施行されます。診療報酬は通常2年に1度見直されるルールです。改定が施行されると、医療機関での窓口負担に小幅な変動が生じる可能性があります。
本記事では、3割負担で外来通院されている現役世代の方を主な対象に、施行で実際に何が変わるのかを患者目線で整理します。
窓口負担はどう変わる?——重要な前提
診療報酬改定で患者の窓口負担に影響する項目はいくつかありますが、具体的な金額は受診する医療機関によって異なります。同じ「初診」「再診」でも、医療機関ごとに届け出ている加算や施設基準が違うため、計算結果に幅が出ます。
以下に示す金額はあくまで「概ねこのくらいのレンジ」という目安です。正確な金額はかかりつけの医療機関にお尋ねください。
① 外来の初診・再診の窓口負担
初診(初めて or 久しぶりに受診したとき)
- 初診料の基本点数自体は据え置きの方向
- ただし新設の「物価対応料」や、既存の加算の見直しが上乗せされる項目があります
- 3割負担での影響は、概ね数十円〜百円程度のレンジと見込まれています
- 医療機関の施設基準・届出区分によって金額は変わります
再診(同じ病気で再受診したとき)
- 再診料が1点引き上げ(+3円・3割負担で約+1円)
- 加算の見直し分が上乗せされ、3割負担で概ね+20〜50円程度のレンジ
- こちらも医療機関の施設基準で変動します
「毎月通院しているけど、いくら変わるの?」という方は、受診時に医事課・受付で具体的な内訳をご確認いただくのが確実です。
② 同じ受診でも金額が違う理由
「あちらのクリニックでは◯◯円、こちらでは△△円——なぜ違うの?」と感じることがあるかもしれません。これは医療機関ごとに以下が異なるためです。
- 施設基準・届出区分:医療機関が地方厚生局に届け出ている体制によって算定できる加算が違います
- 病院 vs 診療所:体系そのものが異なります(病院では別の加算体系)
- 初診/再診のタイミング:時間外・休日・深夜は加算が乗ります
- マイナ保険証の利用有無:医療DX関連の加算で差が出るケースがあります
- 機能強化加算・地域包括診療加算等の有無
そのため「2026年6月から全国一律で◯円増」という単純な話にはなりません。「自分のかかりつけ医ではどう変わるか」を会計時に確認するのが一番確実です。
③ 入院時の食費・光熱水費
入院時食費
- 2026年5月まで:1食690円
- 2026年6月から:1食730円(+40円)
- 1日3食換算で+120円/日、10日入院なら+1,200円程度
入院時光熱水費(療養病床に入院する65歳以上が対象)
- 2026年5月まで:1日370円
- 2026年6月から:1日430円(+60円)
- 長期療養の方ほど影響が大きい項目
※住民税非課税世帯など、所得に応じた軽減区分がある方は別の負担額が適用されます。詳細は入院先の医事課にご確認ください。
④ CPAP(睡眠時無呼吸症候群)の保険基準が緩和
外来診療に関する変更で患者にとって影響が大きいものの一つが、CPAP治療の保険適用基準の緩和です。
- 精密検査(PSG):AHI 20以上 → AHI 15以上
- 簡易検査:AHI 40以上 → AHI 30以上
- これまで「対象外」と言われた方も再評価のチャンス
- 外来の簡易検査だけでCPAP導入できる範囲が広がります
詳細はCPAP保険基準の緩和に関する記事もご参照ください。
⑤ OTC類似薬の自己負担見直し(2027年3月予定・現時点は調整中)
2026年6月施行ではありませんが、関連する話題として——2027年3月から、OTC類似薬の保険給付に変更が入る予定とされています。
- 市販薬と同じような成分の医療用医薬品(湿布、一部の解熱鎮痛薬、保湿剤、抗ヒスタミン薬など、約77成分・約1,100品目が対象案)
- 価格の4分の1相当を患者の追加負担とする案で調整中
- 子どもやがん患者などは対象外とされる方向
- 2026年6月時点では未施行。あくまで2027年3月実施予定の案で、最終的な内容は今後の決定を待つ必要があります
よくある質問
Q. 毎月の通院でどれくらい負担が増えますか?
受診する医療機関の施設基準によって異なります。概ね「数十円程度の幅」と考えていただき、正確な金額はお会計時に医事課・受付でご確認ください。
Q. 子どもの医療費は変わりますか?
自治体の子ども医療費助成制度は別途運用されているため、お住まいの自治体の制度に従います。助成範囲内のお子さんは、実質的な影響は小さい場合が多いです。詳しくはお住まいの市区町村にご確認ください。
Q. 入院予定があります。食費の引き上げはいつから?
2026年6月1日以降の入院から新基準(1食730円)が適用される見込みです。
Q. マイナ保険証を持っていません。負担が増えますか?
マイナ保険証の提示の有無で、医療DX関連の加算の扱いが変わるケースがあります。詳細は受診時にお尋ねください。
Q. 高額療養費制度は変わりますか?
本記事執筆時点で、現役世代の高額療養費制度の自己負担限度額に大きな変更は今回の改定に含まれていません(別途、段階的な見直しの議論はあります)。
Q. CPAPを使っています、毎月の負担は変わりますか?
CPAP管理料そのものに大きな変更はありません。新たに保険適用の対象となる範囲が広がる、というのが主な変化です。
まとめ
- 2026年6月1日、診療報酬改定が施行(薬価は4月1日から)
- 3割負担の現役世代:外来初診で数十円〜百円程度、再診で20〜50円程度のレンジで窓口負担に変動の見込み
- 金額は医療機関の施設基準・届出区分によって異なるため、具体額は受診先で確認を
- 入院時食費 +40円/食、光熱水費 +60円/日(療養病床65歳以上)
- CPAP保険基準が緩和——対象外だった方も再評価のチャンス
- OTC類似薬の自己負担見直しは2027年3月実施予定(調整中)
不明な点や具体的なご自身の場合のご質問は、受診時に受付や医事課にお声がけください。
※本記事の内容は2026年5月23日時点の情報です。最新かつ正確な情報は厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」関連告示・通知をご参照ください。