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【2026年6月1日施行】診療報酬改定で何が変わる?3割負担・現役世代の窓口負担を内科医が解説

本記事は2026年5月時点の公開情報・複数の専門報道に基づいて作成しています。最終的な詳細は厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」関連告示・通知をご確認ください。
2026年5月28日:再診料の換算(1点=10円)の記述誤りなど、ファクトチェック上の不備を全文修正しました。

2026年6月1日、診療報酬改定が施行されます

2026年(令和8年)6月1日から、診療報酬改定が施行されます。診療報酬は通常2年に1度見直されるルールで、施行日以降は医療機関での窓口負担に小幅な変動が生じる可能性があります。

本記事では、3割負担で外来通院されている現役世代の方を主な対象に、施行で実際に何が変わるのかを患者目線で整理します。

大切な前提——金額は受診先によって変わる

診療報酬改定で患者の窓口負担に影響する項目はいくつかありますが、具体的な金額は受診する医療機関によって異なります。同じ「初診」「再診」でも、医療機関ごとに届け出ている加算や施設基準が違うためです。

以下の金額は「概ねこのくらいのレンジ」という目安で、正確な額はかかりつけの医療機関にお尋ねください。

なお、診療報酬の単位「」は1点=10円で計算されます。3割負担の場合、患者の窓口負担は点数×10円×0.3=点数×3円になります(例:1点 → 10円 → 3割負担で3円)。

① 外来の初診・再診の窓口負担

再診料(同じ病気で再受診したとき)

  • 再診料が75点→76点に引き上げ(+1点)
  • 1点=10円なので、再診料そのもので+10円、3割負担で+3円
  • これに加え、新設の「物価対応料」が初診・再診時に2点(=20円、3割負担で+6円)上乗せ
  • さらに「外来・在宅ベースアップ評価料」が拡充。届出区分により、再診時にも上乗せが生じる施設があります
  • 合計の影響は施設の届出状況によって変わり、3割負担で概ね+10〜30円程度のレンジになるケースが多い見込み

初診料(初めて or 久しぶりに受診したとき)

  • 初診料の基本点数(291点)自体は据え置きの方向
  • 新設「物価対応料」2点(=20円、3割で+6円)が上乗せ
  • 「外来・在宅ベースアップ評価料Ⅰ」初診時が6点→17点に大幅引き上げ(+11点 = +110円、3割で+33円)。算定可能な施設では患者負担に反映
  • 賃上げ実施の届出区分Ⅱを取る施設では、さらに上乗せの可能性
  • 合計で3割負担で概ね数十円〜百円程度のレンジ。施設の届出状況によって幅が出ます

毎月の通院だとどれくらい?

高血圧で月1回通院している方なら、再診の負担増は単純計算で1回あたり数十円程度。月1回×12ヶ月で年間数百円規模、というのが目安です。受診ごとに何点でいくらが乗っているかは、領収書の点数明細で確認できます。

② 同じ受診でも金額が違う理由

「あちらのクリニックでは◯◯円、こちらでは△△円——なぜ違うの?」と感じることがあるかもしれません。これは医療機関ごとに以下が異なるためです。

  • 施設基準・届出区分:地方厚生局に届け出ている体制によって算定できる加算が変わります
  • 病院 vs 診療所:体系そのものが異なります
  • 受診のタイミング:時間外・休日・深夜は加算が乗ります
  • マイナ保険証の利用有無:医療DX関連の加算で差が出るケースがあります
  • 機能強化加算・地域包括診療加算等の有無

そのため「2026年6月から全国一律で◯円増」という単純な話にはなりません。具体額はかかりつけ医の会計時にご確認いただくのが確実です。

③ 入院時の食費・光熱水費

入院時食費

  • 食事療養(Ⅰ)の基準額:2026年5月まで690円/食 → 2026年6月から730円/食(+40円)
  • 患者の窓口負担(一般所得):1食550円
  • 1日3食換算で、入院10日なら数千円規模の負担増

入院時光熱水費(療養病床に入院する65歳以上が対象)

  • 生活療養に係る光熱水費が、1日あたり60円引き上げの方向で議論
  • 長期療養の方ほど影響が大きい項目

※住民税非課税世帯など、所得に応じた軽減区分がある方は別の負担額が適用されます。詳細は入院先の医事課にご確認ください。

④ CPAP(睡眠時無呼吸症候群)の保険基準が緩和

外来診療に関する変更で患者にとって影響が大きいものの一つが、CPAP治療の保険適用基準の緩和です。

  • 精密検査(PSG):AHI 20以上 → AHI 15以上
  • 簡易検査:AHI 40以上 → AHI 30以上
  • これまで「対象外」と言われた方も再評価のチャンス
  • 外来の簡易検査だけでCPAP導入できる範囲が広がります

詳細はCPAP保険基準の緩和に関する記事もご参照ください。

⑤ OTC類似薬の自己負担見直し(2027年3月予定・現時点は調整中)

2026年6月施行ではありませんが、関連する話題として——2027年3月から、OTC類似薬の保険給付に変更が入る予定とされています。

  • 市販薬と同じような成分の医療用医薬品(湿布、一部の解熱鎮痛薬、保湿剤、抗ヒスタミン薬など、約77成分・約1,100品目が対象案)
  • 価格の4分の1相当を患者の追加負担とする案で調整中
  • 子どもやがん患者などは対象外とされる方向
  • 2026年6月時点では未施行。あくまで2027年3月実施予定の案で、最終的な内容は今後の決定を待つ必要があります

よくある質問

Q. 毎月の通院でどれくらい負担が増えますか?

受診する医療機関の施設基準によって異なります。再診中心の方であれば1回あたり数十円程度の幅と考えていただき、正確な金額はお会計時に医事課・受付でご確認ください。

Q. 子どもの医療費は変わりますか?

自治体の子ども医療費助成制度は別途運用されているため、お住まいの自治体の制度に従います。助成範囲内のお子さんは、実質的な影響は小さい場合が多いです。詳しくはお住まいの市区町村にご確認ください。

Q. 入院予定があります。食費の引き上げはいつから?

2026年6月1日以降の入院から新基準が適用される見込みです。

Q. マイナ保険証を持っていません。負担が増えますか?

マイナ保険証の提示の有無で、医療DX関連の加算の扱いが変わるケースがあります。詳細は受診時にお尋ねください。

Q. 高額療養費制度は変わりますか?

本記事執筆時点で、現役世代の高額療養費制度の自己負担限度額に大きな変更は今回の改定に含まれていません(別途、段階的な見直しの議論はあります)。

Q. CPAPを使っています、毎月の負担は変わりますか?

CPAP管理料そのものに大きな変更はありません。新たに保険適用の対象となる範囲が広がる、というのが主な変化です。

まとめ

  • 2026年6月1日、診療報酬改定が施行(薬価は4月1日から)
  • 診療報酬は1点=10円。3割負担なら点数×3円が窓口負担への反映
  • 再診料:75点→76点(+1点=+10円、3割負担で+3円)。物価対応料・ベースアップ評価料の上乗せ込みで合計概ね+10〜30円程度のレンジ
  • 初診料:基本点数据え置きだが、物価対応料・ベースアップ評価料の上乗せ込みで合計数十円〜百円程度のレンジ
  • 具体額は医療機関の施設基準・届出区分によって異なる
  • 入院食費 690→730円/食(+40円)、患者窓口負担一般所得で1食550円
  • 入院光熱水費は療養病床65歳以上で1日60円引き上げ方向
  • CPAP保険基準が緩和——対象外だった方も再評価のチャンス
  • OTC類似薬の自己負担見直しは2027年3月実施予定(調整中)

不明な点や具体的なご自身の場合のご質問は、受診時に受付や医事課にお声がけください。

※本記事の内容は2026年5月時点の情報です。最新かつ正確な情報は厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」関連告示・通知をご参照ください。

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