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胸やけ・げっぷが続く——逆流性食道炎の正体と、市販薬で様子を見てよい期間・受診すべきサインを内科医が解説

「食後に胸が焼ける」「げっぷが増えた」「喉に何か詰まった感じがする」——逆流性食道炎は、いまや日本人の10人に1〜2人が経験するありふれた病気です。市販薬で様子を見てよい期間と、受診したほうがよいサインを整理します。

逆流性食道炎で何が起きているか

胃と食道の境目には、胃酸が逆流しないよう締める筋肉(下部食道括約筋)があります。この締まりが緩んだり、胃の圧が高まったりすると、胃酸が食道に逆流して粘膜を刺激します。胸やけ、酸っぱいものが上がる(呑酸)、げっぷ、喉の違和感や咳、声がれ——これらが典型的な症状です。食道は胃と違って酸に弱いため、繰り返すと炎症(食道炎)になります。

逆流しやすくなる要因

  • 食べすぎ・早食い・脂っこい食事・アルコール・カフェイン・炭酸
  • 食後すぐ横になる、就寝前の食事
  • 肥満(腹圧が上がる)、猫背・前かがみの姿勢、きつい服やベルト
  • 加齢や食道裂孔ヘルニア(胃の一部が胸側にずれる)
  • 一部の薬(カルシウム拮抗薬・喘息の薬など)

市販薬で様子を見てよい期間

胃酸を抑える市販薬(H2ブロッカーなど)で症状が軽くなるなら、2週間を目安に。それ以上続く、やめると再発する、週2回以上の症状が数か月続く——という場合は、受診して原因の確認と適切な薬(PPIやP-CABという胃酸分泌抑制薬)の処方を受けたほうが、結果的に近道です。

受診したほうがよいサイン

  • 食べ物がつかえる、飲み込みにくい——食道の狭窄や腫瘍の可能性
  • 体重が減ってきた、貧血を指摘された、黒い便が出た
  • 50歳以上で初めて症状が出た
  • 胸の痛みが強く、狭心症との区別がつかない(胸やけと心臓の痛みは似ることがあります)
  • 市販薬で2週間改善しない、または長期間手放せない

日常でできること

  • 就寝前3時間は食べない、食後すぐ横にならない
  • 頭側を10〜15cm高くして寝る(枕だけでなく上半身全体を)
  • 腹八分目・よく噛む・脂質と刺激物を控える
  • 減量(数kgの減量で改善することが多い)、禁煙
  • ベルトや下着で腹部を締めつけない

受診したら、症状と経過を伺い、必要に応じてピロリ菌検査や胃カメラ(内視鏡実施施設へ紹介)で食道の状態を確認します。薬は「症状を抑えながら生活を整える」ための道具で、生活の見直しとセットで効きます。

参考文献

  • 日本消化器病学会「胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021」

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