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大人の手足口病に注意——2026年に流行、成人は症状が強く出ることも。特徴と対処を内科医が解説

手足口病は「子どもの夏の病気」というイメージが強いと思います。ですが、大人もかかります。しかも、原因となるウイルスによっては、子どもよりも大人のほうが症状が強く出ることがあります。2026年はこの手足口病が各地で流行しており、育児中の親御さんを中心に、大人の相談も増えています。ここでは成人の手足口病について、事実にもとづいて整理します。

2026年、手足口病が流行しています

2026年は、春から初夏にかけて手足口病の報告が増え、地域によっては流行の「警報」レベルに達しています。たとえば九州では、宮崎県・鹿児島県などで定点あたりの報告数が警報の基準(定点あたり5人)を超えたことが発表され、熊本県でも前の週から報告が倍以上に増えた時期がありました。手足口病は例年、夏に流行のピークを迎えるため、これから夏にかけても注意が必要です。最新の地域ごとの流行状況は、各都道府県や公的機関の発表で確認できます。

大人もかかる——しかも症状が強く出ることがある

手足口病は主に乳幼児がかかりますが、免疫を持っていない大人も感染します。原因ウイルスにはコクサッキーウイルスA6・A16・A10、エンテロウイルス71などがあり、とくにコクサッキーA6が流行する年には、大人にも症状が強く出やすいことが報告されています。子どものときにかかっていても、別の型には再びかかることがあります。

大人の手足口病の症状

基本は、手のひら・足の裏・口の中などに水疱(水ぶくれ)ができ、発熱を伴います。大人の場合、次のような特徴がみられることがあります。

  • 水疱が大きめで、手足だけでなく、体幹・おしり・太ももなど広い範囲に広がる
  • 38℃以上の高めの発熱
  • 口の中の水疱や潰瘍が痛く、食事や水分が摂りにくい(脱水に注意)
  • 強いだるさ、関節の痛み、頭痛など、全身のつらさが目立つ

多くは1週間ほどで自然によくなりますが、大人では「思ったよりつらい」と感じる方が少なくありません。

数週間後に「爪が浮く・剥がれる」ことがある

コクサッキーA6による手足口病では、発症から数週間〜1か月ほどたってから、爪が浮いたり剥がれたりする「爪甲脱落症(そうこうだつらくしょう)」が起こることがあります。2011年に日本で流行した際の報告では、追跡された63例のうち約半数にみられたとされています。驚かれると思いますが、多くは自然に新しい爪が生えてきますので、過度に心配はいりません。気になる場合はご相談ください。

どうやってうつるのか

くしゃみや咳のしぶき(飛沫)、水疱の中の液や、便に含まれるウイルスを介してうつります。とくに、症状が治まったあとも、便には数週間ウイルスが出続けることがあり、回復後もしばらくは注意が必要です。大人の場合、保育園や家庭で子どもの世話(おむつ替えなど)をしていて感染するパターンがよくみられます。手洗いを丁寧に行い、タオルの共用を避けることが基本の対策です。

治療と、家でできること

手足口病に効く特効薬はなく、治療は症状をやわらげる対症療法が中心です。熱やのど・口の痛みには解熱鎮痛薬を使い、水分をこまめにとることが大切です。口の中が痛いときは、しみにくい冷たいもの・やわらかいものを選ぶと摂りやすくなります。脱水が心配なとき、高熱が続くとき、水分が摂れないときは受診してください。

仕事は休むべきか

手足口病は、学校保健安全法で一律に「何日休む」と決められた病気ではなく、出席や出勤の可否は全身状態で判断します。大人の場合、発熱やだるさが強いときは無理をせず休み、体調が回復してからの復帰が基本です。ただし、回復後もウイルスの排出が続くため、職種(とくに保育・介護・調理など)によっては、手洗いの徹底など職場での配慮が必要になることがあります。判断に迷うときは相談してください。

妊娠中の方・受診の目安

妊娠中に感染が心配な場合は、自己判断せず、かかりつけの産婦人科や医療機関に相談してください。また、次のような場合は受診をおすすめします。

  • 高熱が続く、ぐったりして水分が摂れない
  • 強い頭痛や繰り返す嘔吐、首の後ろの張りがある(まれな合併症のサイン)
  • 発疹や痛みが強く、日常生活に支障がある

まとめ

2026年は手足口病が流行しており、大人もかかります。とくにコクサッキーA6の年は、成人で高熱や広い範囲の発疹、強いだるさが出ることがあり、数週間後に爪が剥がれることもあります。多くは自然によくなりますが、脱水や、まれな合併症には注意が必要です。効く薬はなく、水分・休養と手洗いが基本です。つらい症状や心配なことがあれば、無理をせずご相談ください。

参考文献

  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)感染症発生動向調査
  • 各都道府県(宮崎県・熊本県・鹿児島県ほか)の手足口病流行情報
  • 手足口病・エンテロウイルス感染症に関する標準的な知見

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