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淋菌性咽頭炎とは——接触から発症までの期間・症状が出にくい理由を内科医が解説

「のどの調子がなんとなく悪い」「検査で淋菌が出たと言われた」——淋菌はのど(咽頭)にも感染します。これを淋菌性咽頭炎といいます。性器の淋菌はよく知られていますが、のどの淋菌は症状が出にくく、気づかないうちに広がりやすいのが特徴です。接触から発症までの期間も含めて、整理してみます。

淋菌性咽頭炎とは——のどにうつる淋菌

淋菌(Neisseria gonorrhoeae)という細菌が、のどの粘膜に感染した状態です。主な感染経路はオーラルセックス(口を使った性行為)で、粘膜どうしが触れるディープキスなどでもうつることがあります。性器に症状がなくても、のどだけに感染していることもあります。

接触から発症までの期間(潜伏期間)

淋菌が感染してから症状が出るまでの期間(潜伏期間)は、一般的に2〜7日程度とされています。ただし、ここが大事な点で、のどの淋菌は大部分が無症状です。症状が出ないことが多いため、「いつ感染したのか」を正確に特定するのは難しいのが実際のところです。

症状が出にくく、気づきにくい

のどの淋菌は、症状がないか、あっても軽いのどの痛みや違和感、軽い赤みくらいのことが多く、ふつうの風邪や咽頭炎と見分けがつきません。痛みが強く出ることは少ないため、本人は感染に気づかないまま過ごしがちです。

そして無症状であっても、菌はのどにとどまり、他の人にうつしたり、自分の性器の感染源になったりすることがあります。「症状がない=問題ない」ではない、というのがのどの淋菌のやっかいなところです。

検査

のどの淋菌は、咽頭をぬぐった検体を使うNAAT(核酸増幅検査)という精度の高い検査で調べます。のどはクラミジアも同時に感染していることがあるため、両方を一緒に調べることがよくあります。心当たりがある場合や、パートナーが感染していた場合は、症状がなくても検査を検討してください。

治療——のどはセフトリアキソンの注射が基本

のどの淋菌は、性器の淋菌よりも治療が難しいことが知られています。飲み薬(経口の抗菌薬)では菌が残りやすく、治りきらないことがあるためです。そのため、セフトリアキソンという抗菌薬の注射(点滴または筋肉注射)が第一選択とされ、多くは1回の投与で治療します。

治療後は、きちんと菌が消えたかを確認するため、しばらく期間をおいて(おおむね2〜4週間後)再検査をすることがあります。検査が早すぎると、死んだ菌の成分を拾って“本当は治っているのに陽性”という偽陽性が起こることがあるため、タイミングが大切です。また、淋菌は世界的に抗菌薬が効きにくくなる「薬剤耐性」が問題になっており、自己判断の中途半端な治療は耐性を生む一因になります。

放置のリスクと、受診の目安

のどの淋菌を放置すると、気づかないまま感染を広げてしまうほか、性器の感染やほかの性感染症(クラミジアなど)の合併につながることもあります。次のような場合は、症状がなくても検査・受診を検討してください。

  • オーラルセックスを含む性行為で心当たりがある
  • パートナーが淋菌やクラミジアと診断された
  • のどの違和感や痛みが続く

なお、治療はパートナーも一緒に受けることが、再感染を防ぐうえで大切です。

まとめ

淋菌性咽頭炎は、オーラルセックスなどでのどにうつる淋菌の感染で、潜伏期間は2〜7日程度。ただし大部分が無症状で気づきにくく、知らないうちに広げてしまうことがあります。のどは治療が難しく、セフトリアキソンの注射が基本で、治癒の確認も大切です。心当たりがあれば、症状がなくても一度ご相談ください。早く見つけて確実に治すことが、自分とまわりを守ることにつながります。

参考文献

  • 日本性感染症学会「性感染症 診断・治療ガイドライン」
  • MSDマニュアル プロフェッショナル版「淋菌感染症」

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