連休のお酒でγ-GTPはどこまで上がる?——下がるまでの期間と再検査のタイミングを内科医が解説
お盆や年末年始など、連休で飲む機会が続いたあと、「健診で肝機能の数値が引っかかった」という方は少なくありません。特にγ-GTP(ガンマ・ジーティーピー)はお酒の影響を受けやすい項目です。今回は、連休明けの肝機能の数値をどう受け止めればよいか、いつ再検査すればよいかを整理します。
γ-GTP・AST・ALTは何を見ているのか
健診の「肝機能」の欄には、主に3つの項目が並んでいます。
- γ-GTP:肝臓や胆道の細胞にある酵素で、アルコールに反応して上がりやすいのが特徴です。飲酒量が増えると、肝臓に目立ったダメージがなくても上昇することがあります
- AST(GOT)・ALT(GPT):肝細胞の中にある酵素で、肝細胞が壊れると血液中に漏れ出して上がります。ALTのほうが肝臓に特異的です
連日の飲酒のあとに上がりやすいのはまずγ-GTPで、脂肪肝が進んでくるとALTも上がってきます。
お酒をやめると、どのくらいで下がるのか
飲酒によるγ-GTPの上昇は、禁酒・節酒によっておおむね2〜3週間で半分程度まで下がるとされ、1〜2か月で落ち着いてくる方が多いです。逆に言うと、連休の飲酒の影響は連休が終わってもしばらく数値に残ります。
ですから、連休直後に健診を受けて「γ-GTPが高い」と出た場合、その数値には直前の飲酒の影響が乗っている可能性があります。判断に迷うときは、2〜4週間ほど節酒したうえで再検査すると、飲酒の影響なのか、それ以外の原因があるのかが見えやすくなります。
「健診の前だけ禁酒」は意味がある?
健診の数日前だけお酒を控えても、γ-GTPは十分には下がりません。むしろ、普段の飲酒習慣がそのまま数値に表れたほうが、ご自身の体の実態を知るうえでは有益です。健診は「良い数字を出す試験」ではなく、体の現状を知る機会と考えていただければと思います。
お酒以外でもγ-GTPは上がります
「ほとんど飲まないのにγ-GTPが高い」という方も、外来では珍しくありません。その場合に考えるのは次のような原因です。
- 脂肪肝:飲酒によらない脂肪肝(MASLD)でもγ-GTPやALTが上がります。肥満や糖尿病、脂質異常症と関連します
- 薬の影響:一部の薬やサプリメントで上がることがあります
- 胆道の病気:胆石などで胆汁の流れが悪いときにも上昇します
飲酒の心当たりがないのに数値が高い場合は、腹部エコーや追加の血液検査で原因を調べる価値があります。
これからのお酒との付き合い方
厚生労働省のガイドラインでは、生活習慣病のリスクを高める飲酒量の目安として、1日あたり純アルコール男性40g以上・女性20g以上が示されています。純アルコール20gは、ビール中びん1本(500mL)、日本酒1合、チューハイ(7%)350mL缶1本に相当します。
連休で増えた酒量が、そのまま日常の習慣として定着してしまうのが、実は一番の問題です。週に数日は飲まない日をつくる、飲む日も量を決めておく——数値が気になったときが、飲み方を見直すよい機会だと思います。
受診の目安
- 健診でγ-GTPやALTの異常を指摘された(まず現状の評価と再検査の計画を立てましょう)
- 節酒しても数値が下がらない、飲まないのに高い
- だるさ、食欲低下、皮膚や白目が黄色っぽい——こうした症状を伴う場合は早めに受診してください
当院では肝機能の血液検査に対応しています。健診結果票をお持ちいただければ、数値の読み解きからご一緒します。
参考文献
- 厚生労働省「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」(2024年)
- 日本肝臓学会「奈良宣言2023」(ALT値をきっかけとした肝疾患の早期発見)
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