リブレなどのCGM(持続血糖測定)を保険で使える人・自費になる人——条件と費用の目安を内科医が解説
腕にセンサーを貼るだけで、血糖(正確にはグルコース)の動きを一日中グラフで見られる——。「FreeStyleリブレ」や「Dexcom」などのCGM(持続グルコースモニタリング)は、糖尿病の管理を大きく変えました。最近は健康意識の高い方の間でも関心が高まっています。ただ、「これは保険で使えるの?」「誰でも使えるの?」というご質問をよくいただきます。答えは、どんな治療をしているかによって、保険で使えるか自費になるかが変わる、です。整理します。
CGM(持続グルコースモニタリング)とは
CGMは、皮膚に貼った小さなセンサーで、皮下の組織のグルコース濃度を数分ごとに自動で測り続ける機器です。指先を毎回針で刺す従来の測定(SMBG)と違い、血糖が「今どちらに動いているか」「夜間や食後にどう変化するか」といった流れが見えるのが特徴です。大きく分けて、かざして読み取るタイプ(間歇スキャン式・isCGM=リブレなど)と、常時データが飛んでくるタイプ(リアルタイム式・rtCGM=Dexcomなど)があります。
保険で使える人——「インスリン注射をしている人」が基本
日本では、CGMの保険適用は、インスリンの自己注射を1日1回以上行っている糖尿病の方が基本の対象です。これは1型糖尿病の方だけでなく、インスリンを使っている2型糖尿病の方、妊娠中に血糖管理が必要な方なども含まれます。血糖の変動が大きく、低血糖の危険もあるインスリン治療において、CGMが安全な管理に役立つと位置づけられているためです。
費用の目安(保険適用の場合)
保険が適用される場合、たとえばリブレでは、月に2個までのセンサー(1個あたり約2週間使用)が対象となり、3割負担の方でおおむね月4,000円程度が目安とされています(実際の金額は、負担割合や診療内容によって変わります)。従来の指先測定と組み合わせて、より細かく血糖の流れを把握できます。
インスリンを使っていない人は——原則自費、ただし選択肢も
一方、食事・運動や飲み薬だけで治療している方や、糖尿病ではない健康な方が「血糖の動きを見てみたい」という場合は、原則として保険の対象外で、自費になります。ただし2024年から、保険の要件を満たさない糖尿病の方でも、間歇スキャン式CGMを自費で(保険診療と併用する形で)使える「選定療養」という制度が設けられました。これにより、以前より選択肢は広がっています。費用や適否は個別に異なるため、医療機関でご相談ください。
使うには医療機関を通すのが基本です
CGMは、ネット通販で自由に買って使う、というものではありません。保険で使う場合はもちろん、選定療養や自費で使う場合も、糖尿病の診療実績のある医師がいる、届け出をした医療機関を通して導入するのが基本です。データの見方や、低血糖・高血糖への対応の指導も含めて、医療の中で使うことで安全に活かせます。
「健康な人が血糖を見る」ことについて
海外では、処方箋なしで買えるタイプのCGMも登場し、健康管理(ウェルネス)目的で使う動きが出ています。日本では現時点で、そうした自由に購入できる形はまだ一般的ではなく、医療機関を通す形が中心です。血糖の動きを知ること自体は興味深いのですが、数値の解釈には個人差や測定の特性もあり、気になる結果が出たときは、自己判断せず医療機関で相談するのが安心です。
受診・相談の目安
- 糖尿病で治療中で、血糖の変動や低血糖が気になる
- 健診で「血糖が高め」「HbA1cが高め」と言われた
- CGMを使ってみたいが、保険か自費か、自分が対象かを知りたい
まとめ
CGM(リブレやDexcomなど)は、日本では主にインスリン注射をしている糖尿病の方が保険適用の対象で、費用は3割負担で月4,000円程度が目安です。インスリンを使っていない方は原則自費ですが、選定療養という選択肢もあります。いずれも医療機関を通して使うのが基本です。血糖の管理や、CGMが自分に合うかどうかは、データを持って医療機関にご相談ください。当院でも、対象になるかどうかを含めてご相談いただけます。
(あわせて、当院の「スマートウォッチの健康機能、どれが医療機器でどれがウェルネスか」もご覧ください。)
参考文献
- 日本糖尿病学会「持続グルコースモニタリングデバイス適正使用指針」
- 厚生労働省 診療報酬・選定療養に関する情報
- 各メーカー(Abbott/Dexcom ほか)の公式情報
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