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感染症・流行情報
感染症・流行情報の記事(67件)
インフルエンザワクチンの副反応発生確率を徹底解説 (2025年版・エビデンスレベル最高)
毎年秋冬になると、多くの方がインフルエンザワクチンを接種します。 しかし、「副反応が怖い」「発熱したらどうしよう」と不安に感じる方も少なくありません。 この記事では、日本および国際的な高エビデンス研究をもとに、インフルエンザワクチンの副反応発生確率を科学的に解説します。 1. 副反応とは何か 「副反応」とは、ワクチンによって起こる生体の反応のうち、目的としない作用のことを指します。 その多くは免疫
潜伏梅毒(無症状梅毒)とは:定義・診断・治療
梅毒はトレポネーマ・パリダムによる性感染症です。典型的には皮疹やしこりで気づかれることが多いですが、症状が全くないまま血液検査で診断されることもあります。この状態は 潜伏梅毒(latent syphilis) と呼ばれます。 潜伏梅毒の定義 梅毒血清反応(RPR、TPHAなど)が陽性 臨床的な症状を認めない 分類は以下のとおりです。 早期潜伏梅毒(感染から1年以内) 再び第2期の症状が出ることが
刺身や生魚で起こる細菌性腸炎 ― 主な原因菌と症状・予防策を徹底解説
日本の食文化に欠かせない「刺身」や「寿司」。世界的にも人気ですが、生魚を食べる文化は実は少数派です。その背景には「鮮度・保存・衛生管理」が厳密に守られている日本ならではの安全体制があります。 しかし、それでも 生魚を原因とする細菌性腸炎(食中毒) は毎年一定数報告されており、特に夏季や免疫が弱い人にとってはリスクが高まります。ここでは代表的な原因菌を整理し、症状・特徴・予防策を詳しく解説します。
サルモネラ食中毒とは?症状・原因・予防策を徹底解説
サルモネラとはどんな菌か サルモネラ(Salmonella属)は腸内細菌科に属するグラム陰性桿菌で、世界中に広く分布しています。ヒトだけでなく、家畜、野生動物、爬虫類、鳥類など多様な生物に常在しており、食品や環境を介して容易にヒトへ伝播します。 血清型は2,500種類以上が確認されており、その中でも Salmonella Enteritidis(エンテリティディス) や Salmonella Ty
繰り返す膀胱炎について総説
膀胱炎は「尿路感染症」の中で最も一般的な病気で、特に女性に多く見られます。一度かかるだけでもつらいものですが、「治ったと思ったのにまた再発する」というケースが少なくありません。医学的には6か月以内に2回以上、または1年以内に3回以上膀胱炎を発症する場合を「再発性膀胱炎」と定義します。再発が続くと日常生活の質(QOL)が低下し、長期的に腎盂腎炎など重い感染症につながることもあるため、しっかり理解し、
洪水・冠水と破傷風:本当にリスクは上がるのか?最新エビデンスと、いまのワクチン供給事情
要点(先に結論) 「洪水の水に触れたこと自体」で破傷風リスクは上がらない。問題は“傷”があるか、どんな傷か、ワクチン歴は十分か。米CDCや災害時の公式見解は一貫して「一律の集団接種は不要、創傷ごとの個別評価を」とする。疾病対策センター+1 ただし後片付けで擦過傷・刺創が増え、土壌や有機物で“汚染創”になればリスクは上がる。創の種類と接種歴で、トキソイドやTIG(破傷風免疫グロブリン)の要否を個別決
統計的に10月に増える病気について
10月は、一年の中でも「病気が増えやすい時期」と言われています。日中は夏のように暖かくても朝晩は冷え込み、寒暖差によって免疫や自律神経のバランスが乱れやすくなるためです。さらに秋は学校行事や出張、旅行などで人の移動が増え、感染症が広がりやすい季節でもあります。ここでは、統計的に10月に増える代表的な病気を取り上げ、臨床的な背景や予防のポイントを解説します。 1. インフルエンザ(季節性) 発生の特
2025年秋冬インフルエンザはどうなる?南半球の流行から読む国内の傾向
秋冬のインフルエンザ流行が迫っています。例年、日本の流行を占う上で参考になるのが「季節が逆の南半球の流行状況」です。すでに流行を経験した国々のデータを知ることで、今シーズンの日本での特徴をある程度推測することができます。 本記事では、2024–2025年に南半球で見られたインフルエンザ流行の特徴を整理し、それをもとに国内の流行傾向と備えについて解説します。 南半球の流行状況と特徴 世界保健機関(W
大人の溶連菌感染症(社会人も注意!職場感染のリスクも)
溶連菌感染症(ようれんきんかんせんしょう)は、小児に多い病気として知られていますが、実は大人もかかります。社会人や働く世代が感染すると、仕事や家庭に大きな影響が出ることがあり、さらにオフィスや職場で広がる 職場感染 のリスクも無視できません。 ここでは「大人の溶連菌感染症」について、社会人視点で詳しく解説します。 大人に多い症状の特徴 高熱(38〜39℃):突然の発熱で体調を崩すケースが多い 強い
妊娠初期・中期・後期にコロナ感染したら胎児に影響はあるのか?
妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合、赤ちゃんへの影響を心配される方は少なくありません。ここでは最新の研究をもとに「妊娠初期・中期・後期」ごとに分けて整理してみます。 妊娠初期(〜13週) 先天異常:大規模研究やレビューでは「コロナ感染で先天奇形が増える」という証拠は示されていません。 流産:多くの研究では感染による流産リスクの増加は認められていません。ただし高熱や脱水など母体の状態悪化はリス
南半球のインフルエンザはどうやって日本にやってくるのか?
毎年冬になると日本で流行するインフルエンザ。 「今年の流行株はどんなタイプか?」と耳にすることもありますが、その答えは実は南半球の流行と密接につながっています。日本の流行は、数か月前に南半球で猛威をふるったウイルス株がもとになっていることが少なくないのです。 では、オーストラリアや南米で流行したウイルスが、どんな経路で日本に入ってくるのでしょうか。 インフルエンザは世界をめぐる「旅人」 インフルエ
コロナ・インフルエンザに関するよくある質問Q&A
新型コロナやインフルエンザが再び流行する季節になりました。診察室で患者さんからよくいただく質問を、まとめてQ&A形式で解説します。 Q1. コロナやインフルエンザにかかったら、何日休めばいいですか? A. 厚生労働省の基準では 発症日を0日目として5日間 かつ解熱してから1日以上 休むことが推奨されています。 Q2. 解熱した当日に出勤・登校していいですか? A. いいえ。解熱した日を含め
福岡市でインフルエンザ流行入り:去年より1か月早い動きに注意
福岡市の最新の感染症情報によると、第36週(9月1日〜9月7日)にインフルエンザの定点あたり報告数が1.20人/施設となり、流行入りの目安(1.0人)を超えました。 これは「市内でインフルエンザが持続的に広がり始めている」サインです。昨年より約1か月早いペースでの流行入りとなり、秋を迎えるこれからの時期は特に注意が必要です。 福岡市での状況 通常、福岡市でインフルエンザが本格的に広がるのは10月以
今年のインフルワクチン、いつ打つのがベスト? 流行の傾向を踏まえた「年代別おすすめ接種時期ガイド【2025–26】」
当院での接種について ひろつ内科クリニックでは、2025年10月1日からインフルエンザワクチン接種を開始予定です。 接種開始予定日:2025年10月1日(水) 料金(予定):4,000円(税込、自費のみ。自治体助成は対象外です) 特徴:夜間(21時まで)・土日祝日も接種可能 現時点では予約枠はまだ公開しておらず、料金もホームページには掲載していません。正式な予約開始日や詳細については、準備が整い次
コロナ感染症 ― 9月第1週の日本「ニンバス株」動向と治療薬の最新事情(費用・適応まとめ)
1) いまの流行状況(2025年9月第1週) 日本では NB.1.8.1(通称「ニンバス株」)が主流系統に。 7月には40%台、8月末には関連系統を含めて約8割を占め、9月第1週時点でも優勢な株。 症状は「喉の痛みがやや強い」とされるが、実際の臨床現場では症状の幅が広く、全員が強い咽頭痛を訴えるわけではない。 2) 新型コロナ感染症の一般的な特徴 潜伏期は3〜5日程度。 主症状:発熱、咽頭痛、咳、
無印医師が解説する「2025年秋冬の感染症」 インフルエンザ・コロナ・その他の流行見通し
正直に告白します。 私は「救急科専門医」も昨年末で失効し、内科専門医も持っていません。 学会にも所属していないので、世間的には肩書きゼロの**“無印医師”**です。 けれど、臨床の現場で29年間積み重ねてきた経験と、AIを使った情報収集を組み合わせることで、 今年の秋冬に患者さんが直面しそうな感染症の動向を、できるだけわかりやすく整理してみます。 1. インフルエンザの流行見通し 流行の開始時期と
ニンバス株(NB.1.8.1)とは?咽頭痛は本当に「カミソリ喉」なのか
最近「ニンバス株(NB.1.8.1)」という言葉がニュースやSNSで取り上げられるようになり、不安を感じている方も少なくありません。特に「カミソリを飲み込んだような強烈な咽頭痛」という表現が目立ち、「これまでのコロナと違って危険なのでは?」と心配される方もいらっしゃいます。 しかし、現時点での科学的データを見ると、ニンバス株は**“名前が先行して話題になっている”**印象が強く、従来のオミクロン株
抗コロナ薬の「いま」:種類・使い分け・保険適用時の費用目安
はじめに 発熱・咽頭痛・咳など新型コロナの症状が出たとき、抗ウイルス薬は「誰に・いつ・どれを」使うのが妥当か。2025年8月時点の日本の公的情報と主要臨床試験をもとに、患者さん向けに整理しました。 なお、新型コロナ治療薬への公費支援(自己負担の軽減策)は終了しており、現在は通常の医療保険の自己負担(原則1〜3割)がかかります。 まず押さえる3ポイント 抗ウイルス薬は発症早期が勝負(飲み薬は概ね「発
いま一度確認しておきたい コロナ・インフル罹患後の自宅待機日数
「職場にいつから行ける?」「子どもはいつから学校OK?」 感染症が日常に戻ってきた今だからこそ、コロナウイルス感染症(COVID-19)やインフルエンザにかかったあとの「自宅待機の基準」を正しく知っておくことはとても大切です。 1. コロナ(COVID-19)にかかった場合の待機期間 2023年5月から、新型コロナは5類感染症に分類され、法律による外出制限は廃止されました。 ただし、厚労省は引き続