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蜂に刺されたらどうする?——秋口に増えるスズメバチ被害、応急処置と「迷わず119番」のサインを内科医が解説

お盆の墓参りや草刈り、秋口のレジャー——これからの季節は、一年でもっとも蜂に刺されやすい時期です。スズメバチの活動は夏の終わりから秋にかけて最盛期を迎え、刺傷事故もこの時期に集中します。

この記事では、蜂に刺されたときにその場でやるべきこと、やってはいけないこと、そして命に関わるサインの見分け方を解説します。

刺された直後に、その場でやること

  • まず、その場から静かに離れる——蜂は刺したあと、仲間を呼ぶ警報物質を出します。近くに巣があれば集団で刺される危険があるため、姿勢を低くして20〜30メートル以上離れてください
  • 針が残っていれば取り除く——ミツバチの場合、針が皮膚に残ることがあります。指でつまむと毒嚢を押して毒を注入してしまうため、カードのようなもので横にはらうか、ピンセットで針の根元をつまんで抜きます
  • 流水でよく洗い、冷やす——毒を絞り出すように洗い流し、その後は冷やして腫れと痛みを抑えます
  • 市販の抗ヒスタミン成分やステロイド成分の塗り薬があれば使って構いません

やってはいけないこと・意味のないこと

  • 口で毒を吸い出す——口の粘膜から毒が入る可能性があり、おすすめできません
  • アンモニア(おしっこ)をかける——昔からの言い伝えですが、蜂の毒には効果がありません
  • 刺された場所をもんだり掻いたりする——腫れを広げます

命に関わるサイン——アナフィラキシー

蜂刺されでもっとも怖いのは、毒そのものよりも、全身のアレルギー反応(アナフィラキシー)です。特に過去に蜂に刺されたことがある方は、体の中に蜂毒への抗体ができていることがあり、2回目以降に強い反応が出ることがあります。

刺されてから多くは数分〜30分以内に、次のような症状が出たら、ためらわず救急車(119番)を呼んでください。

  • 刺された場所以外にも、全身にじんましんが広がる
  • のどの締めつけ感、声のかすれ、息苦しさ、ゼーゼーする呼吸
  • 唇や顔の腫れ
  • 強い腹痛、嘔吐
  • めまい、血の気が引く感じ、意識が遠のく

待っている間は横になり、足を少し高くします。嘔吐があるときは顔を横に向けてください。

「全身のじんましんだけだから様子を見よう」は危険です。アナフィラキシーは分単位で進行することがあり、早い対応がそのまま予後を分けます。

エピペン(アドレナリン自己注射薬)について

蜂毒でアナフィラキシーを起こしたことがある方には、緊急時に自分で太ももに注射する「エピペン」という薬があります。蜂毒アレルギーと診断された場合、保険適用で処方を受けられます。

林業や農作業、造園業など蜂に遭遇しやすいお仕事の方、過去に刺されて全身症状が出たことがある方は、処方を行っている医療機関で一度ご相談ください。あわせて、血液検査で蜂毒への抗体(特異的IgE)を調べることもできます。

局所の腫れが強いだけなら

刺された周囲が大きく腫れるだけで全身症状がない場合は、アレルギー体質による強い局所反応のことが多く、それ自体がただちに命に関わるものではありません。冷却と塗り薬で経過を見て、腫れが数日たっても広がる、痛みが強くなる、熱をもつ、発熱するといった場合は、細菌感染の可能性もあるため受診してください。

刺されないための予防

  • 黒いものを避ける——蜂は黒色に向かって攻撃する習性があります。帽子をかぶり、白っぽい服装を選ぶ
  • においに注意——香水・整髪料・柔軟剤の強い香りは蜂を引き寄せることがあります
  • ジュースの飲みかけ・甘い食べ物を屋外に放置しない
  • 蜂が近づいてきても手で払わない——刺激せず、静かに離れる
  • 巣を見つけても近づかない・自分で駆除しようとしない(自治体や専門業者へ)

まとめ

  • スズメバチは夏の終わり〜秋が活動の最盛期。墓参り・草刈り・レジャーの季節は要注意です
  • 刺されたら、その場を離れる→針を除く→流水で洗う→冷やす。口で吸う・アンモニアは意味がありません
  • 刺されて30分以内の全身じんましん・息苦しさ・めまいは、迷わず119番。特に2回目以降の方は注意
  • 蜂毒アレルギーと診断された方はエピペンの処方が受けられます。仕事や生活で蜂に遭いやすい方は事前の相談を

参考文献

  • 日本アレルギー学会 アナフィラキシーガイドライン
  • 職場のあんぜんサイト(厚生労働省)蜂刺され災害の防止に関する情報
  • 日本皮膚科学会 虫刺されに関する診療情報

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