背中の痛みが内臓のサインのとき——膵臓・腎臓・大動脈・胆石、整形外科の前に内科を考える場面を解説
背中の痛みというと整形外科を思い浮かべますが、背中には膵臓・腎臓・大動脈・胆のうといった内臓が「背中側から」痛みを出す性質があります。姿勢や動作と関係のない背中の痛みは、内科で調べたほうがよい場面です。
「動きと関係ない背中の痛み」は内臓を疑う
筋肉や骨の痛みは、体を動かす・押す・姿勢を変えると変化します。一方、内臓由来の痛みはじっとしていても続き、動作で変わらず、発熱・吐き気・食欲低下・尿の変化などを伴うのが特徴です。この違いが最初の見分けになります。
背中に痛みを出す内臓の病気
- 膵臓(急性膵炎・慢性膵炎・膵がん)——みぞおちから背中に抜ける痛み、食後や飲酒後に悪化、前かがみで楽になる。急性膵炎は激痛と嘔吐で救急、慢性の鈍い背部痛+体重減少は膵がんも念頭に
- 腎臓(腎盂腎炎・尿路結石)——片側の腰〜背中の痛み。腎盂腎炎は高熱・悪寒を伴い、結石は転げ回るほどの激痛と血尿
- 大動脈(大動脈解離・大動脈瘤)——突然の引き裂かれるような背部痛は救急。高血圧の方は特に
- 胆のう(胆石・胆のう炎)——右上腹部から右肩甲骨あたりへ放散する痛み、脂っこい食事のあと
- 心臓(心筋梗塞)——胸ではなく背中や肩甲骨の間に痛みが出ることがあり、特に高齢者・糖尿病の方は典型的でないことも
- 肺(肺炎・胸膜炎・肺がん)、帯状疱疹(皮疹が出る前に片側の背中がピリピリ痛む)
受診の目安——整形外科の前に内科を考える場面
- 突然の激しい背部痛、冷や汗・息苦しさ・血圧の異常を伴う→救急要請
- 発熱・悪寒を伴う腰背部痛(腎盂腎炎)→当日受診
- 食後や飲酒後に悪化する、吐き気・食欲低下・体重減少を伴う→内科で血液検査・エコー
- 血尿、尿の濁りや回数の変化を伴う
- 動作と無関係にじっと続く痛みが1〜2週間以上
内科で調べること
痛みの場所・性状・誘因・随伴症状を伺い、血液検査(膵酵素・肝胆道系・腎機能・炎症反応)、尿検査、腹部エコー、必要に応じてCTへ進みます。筋骨格由来と判断すれば整形外科へ、専門的な評価が必要なら消化器内科・泌尿器科・循環器へ紹介します。「湿布で様子を見ていたら内臓の病気だった」を防ぐのが、内科の役割です。
参考文献
- 日本消化器病学会 一般向け情報「膵炎」「胆石症」
- 日本泌尿器科学会 一般向け情報「尿路結石」「腎盂腎炎」
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