【お詫びと訂正】麻疹(はしか)に関する弊院ブログ記事について
お詫びと訂正
2026年5月9日、当院ブログにおいて「【2026年5月最新】福岡市で麻疹(はしか)患者発生——地下鉄西新⇔博多の接触リスクと大人のMRワクチン追加接種について内科医が解説」と題した記事を公開いたしました。
当該記事は事実関係の確認が著しく不十分であり、以下の通り重大な誤りを含んでおりました。福岡市保健所より直接ご指摘をいただき、当該記事を非公開化のうえ、本訂正記事を緊急公開しております。地域住民の皆さま、医療機関の皆さま、福岡市保健所の皆さまに、深くお詫び申し上げます。
誤りの内容と事実関係(一次ソースで確認)
本訂正記事の作成にあたり、福岡市・福岡県の公式情報および報道機関の一次情報をすべて確認し、以下の事実を確定いたしました。
① 2026年5月9日の福岡市による麻疹発生発表は存在しません
- 福岡市保健福祉局 保健予防課の公式ページ「市内で麻しん(はしか)が発生しています」(最終更新:2026年4月30日)に、2026年5月の福岡市内発生事例の記載はありません
https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/hokensho/kansensho/kansenshojoho/hashika/fukuokamashin.html - 福岡県感染症情報センター「福岡県麻しん(はしか)発生情報」にも、当該時期の新規事例の詳細記載はありません
https://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/measles.html
つまり、当院が記事内で「2026年5月9日に福岡市が30代男性の麻疹感染を発表した」とした記述は、事実無根です。
② 元情報は2025年8月の終息事案でした
当院記事内で記載した「30代男性が地下鉄空港線(西新⇔博多)で接触」「5月4日午前7時過ぎ・午後5時半頃」等の具体的内容は、2025年8月に既に報道され終息した事案と同一の行動歴を、誤って2026年5月の出来事として記載したものでした。
- 元事案:西日本新聞「福岡市の30代男性がはしかに感染 地下鉄などで不特定多数と接触の可能性」
発表日:2025年8月9日、接触日:2025年8月4日
https://www.nishinippon.co.jp/item/1386716/ - 関連通知:「麻しん(はしか)患者発生に伴う注意喚起について(2025年8月12日)」H-CRISIS
https://h-crisis.niph.go.jp/archives/450086/
当該事案は2025年8月時点で発生・公表・終息しており、その後の追加患者発生情報は公的に確認されていません。当院が「現在進行中の事案」「5月14〜16日が発症ピーク」と記述した内容は、すべて根拠のない誤情報です。
③ 2026年に実在する福岡関連の麻疹発生情報(参考)
2026年に入ってからの福岡県内の麻疹関連情報については、以下が一次ソースで確認できる事実です(いずれも当院記事内で「現在進行形」と誤認させた事案とは別の、独立した事案です)。
- 2026年2月24日:東京都の麻疹患者が福岡市を来訪(福岡市公式発表)
https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/hokensho/kansensho/kansenshojoho/hashika/masin.html - 2026年2月27日:東京都の40代男性が福岡市で接触の可能性(西日本新聞報道)
https://www.nishinippon.co.jp/item/1463228/ - 2026年3月14日:マリンメッセ福岡(A館・B館)で開催されたコンサート来場者の麻疹感染が後日確認、3月19日に福岡県・市が施設名公表(鹿児島市発表)
https://www.nishinippon.co.jp/item/1471158/
これらはすべて2月〜3月の事案で、現時点(2026年5月)では新規の福岡市内発生は公式に確認されておりません。
誤りが生じた経緯と再発防止
本件は、当院ブログの原稿作成プロセスにおいて、次の重大な不備が連鎖したことにより発生しました。
- 一次ソース未確認のまま記事化:福岡市・福岡県の公式発表(保健所ホームページ等)を直接確認することなく、二次的な要約資料に基づいて記事を作成しました
- 時期の不整合を見逃した:参照した元情報(西日本新聞報道)は2025年8月のもので、URLを開けばすぐに日付を確認できたにもかかわらず、その確認を怠りました
- 速報性を優先した記事公開:「タイムリー性」「SEO」を理由に、十分な事実確認を経ずに公開しました
- 感染症発生情報の取り扱い基準が不明確だった:公衆衛生に関わる情報という性質を踏まえた厳格な検証プロセスが欠落していました
再発防止策
- 感染症発生情報は一次ソース必須:福岡市保健所・福岡県・厚生労働省・国立健康危機管理研究機構(旧国立感染症研究所)の公式発表URLが取得できない情報は記事化しません
- 固有名詞・日時・行動歴を含む記事の発表前検証:施設名・路線名・駅名・日時・患者属性等が含まれる速報的記事は、公開前に必ず公式発表との照合を行います
- 速報性より正確性を優先:「SEO」「タイムリー」を理由に検証を簡略化しません
- 誤情報を発信した場合の即時対応:誤りが判明した時点で、即座に非公開化・訂正記事公開・関係機関への報告を行います
- 外部の要約・AIまとめ等の取り扱い:参照する二次情報がある場合でも、それを記事化する前に必ず引用元の一次ソースを直接確認します
麻疹(はしか)に関する正しい情報源
麻疹を含む感染症の発生情報や予防情報は、以下の公的情報源を必ずご確認ください。
- 福岡市公式・市内で麻しん(はしか)が発生しています
https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/hokensho/kansensho/kansenshojoho/hashika/fukuokamashin.html - 福岡市公式・日本国内で麻しん(はしか)が発生しています
https://www.city.fukuoka.lg.jp/hofuku/hokensho/kansensho/kansenshojoho/hashika/masin.html - 福岡県庁・麻しん(はしか)に注意しましょう
https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/mashin20160908.html - 福岡県感染症情報センター・麻しん発生情報
https://www.fihes.pref.fukuoka.jp/~idsc_fukuoka/measles.html - 国立健康危機管理研究機構・麻疹発生動向調査
https://id-info.jihs.go.jp/surveillance/idwr/diseases/measles/graph/index.html
SNS・まとめサイト・個人ブログなどの二次情報には、本件のように誤情報・古い情報・日付の誤りが含まれる可能性があります。必ず公的機関の一次情報をご参照ください。
麻疹一般に関する啓発(事実として確立されている情報のみ)
個別の発生情報とは独立して、麻疹そのものの一般的な性質については、以下が広く確認されている事実です。
- 麻疹は感染力の強いウイルス性疾患で、空気感染(飛沫核感染)が成立する
- MRワクチン(麻疹・風疹混合)2回接種で多くの人が十分な免疫を獲得する
- 1990年4月以前生まれの方は1回接種のみのケースがあり、抗体価が低下している可能性がある
- 麻疹IgG抗体検査で免疫の有無を確認できる
- 大人の麻疹は肺炎・脳炎などの重症化リスクがある
抗体検査・MRワクチン接種は当院の通常診療として承っております。ご希望の方はお気軽にご相談ください(ただし、特定の発生事案に紐づけた緊急性は、公式発表に基づかない限り示しません)。
保健所の皆さまへ
本件について直接ご指摘をくださり、誤情報の拡散を止めてくださった福岡市保健所の皆さまに、改めて深く感謝申し上げます。公衆衛生を担う立場として、医療機関の発信内容にまで目を配ってくださっていることに、強く敬意を表します。本件を機に、当院の情報発信体制を抜本的に見直してまいります。
地域住民・患者の皆さまへ
誤った情報により、不必要な不安・混乱を生じさせてしまったことを、心よりお詫び申し上げます。麻疹に限らず、当院から発信する医療情報については、今後さらに慎重な確認プロセスを経て公開いたします。引き続きご指導・ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
ひろつ内科クリニック
院長 廣津 こう平
本訂正記事の公開:2026年5月(保健所からのご指摘を受けた当日)
本記事に記載のすべての事実関係は、上記の一次ソース(福岡市公式・福岡県公式・国立健康危機管理研究機構・西日本新聞報道)にて確認可能です。