若い人でも一度は胃カメラを受けておくべき理由
はじめに
「胃カメラは中高年になってから受けるもの」と思っていませんか?
実際には、若い世代でも一度は胃カメラを受けておくことに大きな意義があります。ここでは最新のエビデンスをもとに、その理由を解説します。
1. 日本は胃がん多発国
-
日本の胃がん罹患数は世界的に見ても依然として高水準。
-
国立がん研究センターの統計によれば、胃がんは日本人のがん死亡原因の第3位。
-
最大のリスク因子はヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)感染であり、感染は若い頃に成立していることが多いのです。
2. ピロリ菌感染の有無を確認できる
-
胃カメラでは粘膜の萎縮の有無や胃炎の状態を直接確認可能。
-
必要に応じて組織検査でピロリ菌の存在を診断できます。
-
日本消化器病学会のガイドラインでは、ピロリ菌陽性者は年齢にかかわらず除菌治療を推奨。
→ 若いうちに感染を把握し、除菌しておくことで将来の胃がんリスクを大幅に低減できます。
3. 自覚症状がなくても病変が見つかる
-
厚労省の研究によれば、早期胃がんの多くは無症状で発見されています。
-
特に20代・30代でも「逆流症状なし」「胃痛なし」で受けた検査からピロリ胃炎やポリープが見つかることは珍しくありません。
-
一度の胃カメラで「自分の胃のベースライン」を知っておくことは、その後の健診・再検査の基準点となります。
4. エビデンスで裏付けられた一次予防効果
-
日本からの大規模コホート研究(JPHC研究など)で、ピロリ除菌により胃がん発症リスクが60〜70%低下することが示されています。
-
除菌後も胃がん発症リスクはゼロにはなりませんが、除菌の有無はリスク層別化の決定的因子。
-
その入口となるのが胃カメラでの診断です。
5. 若い世代の「一度の胃カメラ」が将来を守る
-
30代〜40代で一度胃カメラを受け、ピロリ感染の有無や胃粘膜の状態を知っておけば、その後の検査間隔や注意点をオーダーメイドで決められるようになります。
-
逆に一度も胃カメラを受けていないと、自分のリスクが不明のまま中高年に突入してしまいます。
専門クリニックでの検査をおすすめします
当院(ひろつ内科クリニック)には内視鏡設備はありませんが、必要な場合には内視鏡を専門とする医療機関への受診をおすすめしています。
例えば、福岡市東区の 松坂クリニック では、NBIや拡大内視鏡を用いた精度の高い検査や、鎮静下での苦痛の少ない内視鏡を受けることができます。こうした専門施設で一度しっかり検査を受けておくと安心です。
まとめ
-
日本は胃がん多発国であり、その多くはピロリ菌感染に起因します。
-
胃カメラは無症状のうちにリスクを明らかにできる唯一の検査です。
-
若い世代でも一度は胃カメラを受けておくことが、将来の胃がん予防につながります。
-
検査は信頼できる医療機関で早めに受けることをおすすめします。
ひろつ内科クリニック受診予約はこちらから
https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874
