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自分で診断を決めて医師を動かそうとするより、もう一段ラクなやり方がある

自分で診断を決めて医師を動かそうとするより、もう一段ラクなやり方がある

[2025.12.27]

 

日々の診療をしていると、たまにこんな場面に出会います。

「ネットで調べたら◯◯病だと思うので、この薬をください」

「前と同じ診断で大丈夫ですよね」

「検査はいいので、診断書だけお願いしたいです」

悪気がないのは分かります。

むしろ、ちゃんと調べてきている方も多い。

ただ正直に言うと、

それ、あまり“スマート”ではないことが多いです。

医師の役割は「指示通りに出す人」ではない

医師の仕事は、

・症状を整理する

・必要なら診察や検査を行う

・いくつかの可能性を並べて考える

・その人に合った現実的な選択肢を提示する

このプロセス全体です。

最初から診断と治療が決まっていると、

この一番大事な部分が省略されてしまう。

結果として、

「話が噛み合わない」

「なぜ否定されたのか分からない」

という、もったいない空気になります。

ネットで調べるのは悪くない

これははっきり言っておきたいですが、

調べてくること自体はまったく悪くありません。

・自分の体調に関心がある

・症状を言葉にしようとしている

・不安を減らしたい

どれも自然なことです。

ただ、

「この診断で進めたいです」

と最初から決めてしまうと、

選択肢が一気に狭くなります。

医療は、

白か黒かより「どのグレーが一番マシか」を選ぶ世界です。

診断名に強くこだわると、話が難しくなる

診断名に強くこだわる理由がある方もいます。

・職場や学校への説明

・保険や書類の都合

・周囲に分かりやすく伝えたい

これ自体は否定されるものではありません。

ただ、

「その診断名ありき」で話を進めようとすると、

医師としては慎重にならざるを得ません。

本当に体調がつらい人ほど、

「名前は何でもいいから、今を何とかしたい」

と言われることが多いのも事実です。

話が一番スムーズに進む伝え方

経験上、診療が一番うまく進むのは、

・症状をそのまま伝える

・不安や困っている点を言葉にする

・判断は医師に委ねる

・説明を聞いてから一緒に決める

この流れです。

「自分ではこう思ったけど、先生はどう考えますか」

この言い方ができる人は、

結果的に一番納得感のある診療になります。

医師はコントロールする相手ではなく、伴走者

医師を

・言い負かす相手

・思い通りに動かす相手

として見ると、

どうしてもお互い疲れます。

同じゴールを目指す伴走者、

この距離感が一番ラクで現実的です。

まとめ

自分で診断を決めて、

その通りに医療を進めようとするより、

「よく分からない部分は、プロに投げる」

この方がずっとスマートで、

結果も良くなりやすい。

体調が悪いときまで、

頑張って“正解”を出そうとしなくていい。

一緒に考えた方が、

だいたい近道です。


※特定の患者さんを想定したものではなく、

日々の診療で感じることを、院長の雑感としてまとめた内容です。

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