秋に増える帯状疱疹、その理由と予防ワクチンの科学的根拠
秋は気温の変化が大きく、昼と夜の寒暖差が広がる季節です。
この時期、意外に多くなるのが帯状疱疹です。
今回は、なぜ秋に帯状疱疹が増えるのか、そして予防のために有効性が高く証明されているワクチンの科学的根拠について、最新の研究をもとに解説します。
(※当院ではワクチンの接種は行っておりません。情報提供としてお読みください。)
なぜ秋に帯状疱疹が増えるのか
帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)にかかったことのある人の体内に潜んでいる**水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)**が、免疫力の低下をきっかけに再び活動を始めることで発症します。
秋は以下のような理由で免疫機能が低下しやすくなります。
-
昼夜の急な気温差による自律神経の乱れ
-
夏バテ後の栄養不足や睡眠不足
-
季節の変わり目特有の体調変化
国内外の疫学研究でも、秋から冬にかけて発症数がやや増える傾向が報告されています。
帯状疱疹の症状と後遺症
-
皮膚の片側に赤い発疹や水ぶくれが帯状に出る
-
強い痛みを伴うことが多い
-
後遺症として**帯状疱疹後神経痛(PHN)**が残ることがある(発症から3か月以上続く痛み)
一度発症すると長引くこともあり、生活の質を大きく下げてしまうことがあります。
予防ワクチンの科学的根拠(最新エビデンス)
予防には2種類のワクチンがあります。
不活化ワクチン(シングリックス®)
-
50歳以上での発症予防効果:約97%(NEJM 2015, ZOE-50試験)
-
70歳以上でも約90%の予防効果(NEJM 2016, ZOE-70試験)
-
帯状疱疹後神経痛(PHN)の予防効果:約88%
-
免疫力が低下している方でも高い有効性が報告されています(Lancet Infect Dis 2019)
-
2回接種(2か月間隔、最大6か月まで延長可)
生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)
-
発症予防効果:約51%(NEJM 2005)
-
免疫低下者には使用できません
-
1回接種
副反応と注意点
-
注射部位の痛み・腫れ・発赤(約80%)
-
一過性の発熱や倦怠感(約10〜20%)
-
重篤な副反応はまれですが、体調や持病によっては接種が適さない場合があります
接種を検討する場合
-
50歳以上の方、または免疫低下のリスクがある方では特に有効性が高いとされています
-
接種スケジュールや費用は医療機関ごとに異なります
-
接種希望の場合はかかりつけ医や自治体の予防接種案内で詳細を確認してください
まとめ
-
秋は免疫力が低下しやすく、帯状疱疹の発症リスクが高まります
-
不活化ワクチンは、国際的に有効性が最も高く証明されている予防法です
-
当院ではワクチンの接種は行っておりませんが、予防を検討される方はかかりつけ医や自治体の案内を参考にしてください
参考文献
-
Lal H, et al. N Engl J Med. 2015;372(22):2087-2096.
-
Cunningham AL, et al. N Engl J Med. 2016;375(11):1019-1032.
-
Dagnew AF, et al. Lancet Infect Dis. 2019;19(9):988-1000.
-
Oxman MN, et al. N Engl J Med. 2005;352(22):2271-2284.
-
国立感染症研究所「帯状疱疹ワクチンQ&A」
