熱中症予防にはどんな飲み物がベスト?経口補水液の科学的根拠とは
熱中症予防にはどんな飲み物がベスト?経口補水液の科学的根拠とは
[2025.07.26]
「熱中症対策で水をたくさん飲んでるのに、なぜか体調が悪い」
「スポーツドリンクを飲んでるのに、めまいや吐き気がする」
そんな経験はありませんか?
実は、「水分補給=水やスポーツドリンクでOK」と思っている方は多いのですが、熱中症対策として“正しい飲み物の選び方”には医学的な根拠があるのです。
この記事では、**WHOや日本スポーツ協会が推奨する経口補水液(ORS)**の有効性を、科学的な視点から解説します。
水だけではだめ?隠れ脱水のリスク
人の身体は、汗をかくと水分と同時にナトリウムなどの電解質も失われます。
このとき水だけを大量に摂取すると、血液中のナトリウム濃度がさらに薄まってしまい、「低ナトリウム血症」という状態に陥ることがあります。
低ナトリウム血症では以下のような症状が出ます:
- 倦怠感
- 頭痛
- 吐き気
- けいれん、意識障害(重症時)
つまり、「水を飲んでいるのに具合が悪くなる」原因は、電解質が補えていないからなのです。
スポーツドリンク vs 経口補水液(ORS)
| スポーツドリンク | 経口補水液(ORS) |
|---|---|---|
ナトリウム量 | 20〜40mg/100mL | 約115mg/100mL |
糖分量 | 約6〜8% | 約2.5% |
用途 | 運動時の水分補給 | 脱水時の治療的使用 |
スポーツドリンクは、実は糖分が多く、ナトリウムが少なすぎるという構成になっており、軽度の水分補給には良くても、熱中症の予防や回復には不十分です。
一方、**経口補水液(ORS)**は、WHOが定めた成分比に基づき、水分・電解質・糖の吸収を効率的に行う設計になっています。
日本では「OS-1」などが代表的です。
WHOも推奨する「ORSの科学」
WHO(世界保健機関)は、脱水症の治療として以下のような成分バランスの飲料を推奨しています:
- ナトリウム:約75mEq/L
- グルコース:約75mmol/L(=2.5%)
- カリウム・塩素を適切に配合
- 浸透圧は低張(250mOsm/L以下)
この比率により、腸管での**ナトリウム・糖の共輸送機構(SGLT1)**を最大限に活かし、効率的に水分と電解質が吸収されるのです。
単なる「飲みやすさ」ではなく、生理学的に設計された医療的飲料という位置づけが、経口補水液の強みです。
医師としてのおすすめ:予防は水+塩、症状が出たらORS
- 日常の水分補給:基本は水+塩分補給(梅干し、味噌汁など)
- 軽い脱水や倦怠感が出てきたら:ORS(OS-1など)を選択
- 強い脱水やぐったり感がある場合:医療機関で点滴を
当院では、熱中症の初期症状に対して電解質・ビタミン・抗酸化剤を含む点滴療法を自由診療で提供しています。
屋外業務の方、夜職勤務、夜勤明けの疲労回復にもご相談ください。
まとめ
- 熱中症対策には「電解質補給」が不可欠
- スポーツドリンクではNa不足・糖過多になりやすい
- 経口補水液(ORS)はWHO・日本スポーツ協会が推奨する“治療用飲料”
- 具合が悪くなったら、早めに内科受診を
「水は飲んでいたのに倒れた」
それは水分補給の“質”が問題だったのかもしれません。
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