成人がインフルエンザワクチンを2回打ったらいけないの?
成人がインフルエンザワクチンを2回打ったらいけないの?
[2025.09.18]
秋から冬にかけて、インフルエンザワクチンの接種シーズンが始まります。
患者さんからよく聞かれるのが「大人も子どもみたいに2回打った方がいいんですか?」という質問です。
結論から言うと――成人は原則1回で十分です。2回打っても大きなメリットは得られないと考えられています。
なぜ子どもは2回、大人は1回なの?
ワクチンは、体の免疫を「訓練」してインフルエンザに備えるものです。
子どもはまだインフルエンザにかかった経験やワクチン接種歴が少なく、免疫が整っていません。そこで小児(概ね12歳以下)は2回打つことでしっかり免疫を作る必要があります。
一方、大人はこれまでに何度もインフルエンザにかかったり、ワクチンを打ったりしており、体に「記憶」がある状態です。そのため1回の接種でも十分に免疫が反応し、2回目を追加しても効果がほとんど上乗せされないと分かっています。
もし大人が2回打ったらどうなる?
- 危険ではない
間違って2回接種してしまっても大きな害は基本的にありません。 - でも意味はほぼない
副作用のリスク(発熱・注射部位の腫れなど)は増えるのに、得られる効果は変わらないので「もったいない」接種になってしまいます。
「冬の後半にもう1回打った方が安心?」という疑問
インフルエンザワクチンの効果は、接種後2週間ほどで出始め、数か月は続きます。ただし少しずつ弱まる(これを「免疫の減衰」と言います)のは事実です。
「冬の後半まで持たせたいから2回打とう」という考え方もあるのですが、研究では成人に追加接種しても流行抑制効果がはっきり上がるとは言えないことが分かっています。
世界的なガイドライン(米国CDCや日本の厚労省)も、成人は1シーズンに1回で十分としています。
例外的なケースは?
- 65歳以上の方:2回接種ではなく、ワクチンの「種類」を工夫するのが推奨されています。高齢者向けに「高用量」「アジュバント付き」「組換え型」など効果を強めた製品があり、そちらを優先して使うことが世界的に勧められています。
- 免疫が弱っている方(がん治療中や臓器移植後など):研究では2回目を打っても効果が上がらないことが多く、今のところ「特別に2回」という指針はありません。
まとめ
- 成人はインフルエンザワクチンは1シーズンに1回で十分。
- 子ども(12歳以下)は免疫が整っていないため2回接種が必要。
- 大人が2回打っても害はないが、効果はほぼ変わらず、副反応リスクだけ増える。
- 高齢者では「2回」よりも「どの種類を打つか」が大切。
当院でも毎年秋から冬にかけてインフルエンザワクチンを行っています。予約は以下から可能です。
ひろつ内科クリニック 健診・予防接種ページ
エビデンス(参考資料)
- 厚生労働省・国立保健医療科学院「インフルエンザQ&A」:2回接種の対象は13歳以下
- CDC(米国疾病対策センター)2025–26シーズン推奨:成人は年1回、高齢者は種類を優先
- Williams KV, et al. Open Forum Infect Dis. 2022:高齢者での2回接種モデル研究
- Shinjoh M, Vaccine, 2024:日本小児の2回接種に関する研究
ひろつ内科クリニック受診予約はこちらから
https://wakumy.lyd.inc/clinic/hg08874
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