市販のバファリンで胃粘膜障害は起きるのか?
市販の解熱鎮痛薬「バファリン」は、頭痛や発熱などに広く使用されています。
しかし成分によっては、胃粘膜に障害を起こすことがあることが報告されています。
ここでは、日本で販売されている主要なバファリン製品と、その薬理作用・副作用リスクについて整理します。
バファリンには複数の種類がある
「バファリン」は製品ごとに主成分が異なります。代表的な市販品を以下に示します。
| 製品名 | 主成分 | 特徴 |
|---|---|---|
| バファリンA | アセチルサリチル酸(300mg)+ダイアルミネート | 解熱・鎮痛・抗炎症作用をもつ。制酸成分を含み胃粘膜刺激を軽減。 |
| バファリンプレミアム | ロキソプロフェンナトリウム水和物(60mg) | NSAIDs系成分で速効性があるが、胃粘膜障害の報告あり。 |
| バファリンルナi | イブプロフェン(200mg)+アセトアミノフェン(300mg)+カフェイン | 月経痛や頭痛向け。NSAIDs成分を含む。 |
| バファリンルナJ(子ども用) | アセトアミノフェン | NSAIDsを含まず、胃粘膜障害リスクは低い。 |
胃粘膜障害の原因となる成分
アセチルサリチル酸、ロキソプロフェン、イブプロフェンなどのNSAIDsは、
プロスタグランジン合成を阻害して鎮痛・抗炎症作用を示しますが、同時に胃粘膜保護機能も低下させます。
その結果、以下の副作用が発生することがあります。
-
胃痛
-
胃炎
-
消化性潰瘍
-
胃出血
日本消化器病学会「NSAIDs潰瘍診療ガイドライン2020」によると、
NSAIDs服用者のうち有症状性消化性潰瘍の発生率は約15〜25%、無症候性を含めると30〜50%にのぼるとされています【1】。
「胃にやさしい成分入り」でもリスクは残る
バファリンAには制酸・粘膜保護成分(ダイアルミネート)が含まれています。
この成分によりアスピリン単剤よりは胃刺激が軽減されますが、完全に副作用を防ぐものではありません。
とくに以下の条件ではリスクが高まります。
-
高齢者
-
胃潰瘍・胃炎の既往がある人
-
他のNSAIDsやステロイド薬を併用している人
胃粘膜障害を防ぐための服用方法
-
空腹時の服用を避ける(食後に服用)
-
水またはぬるま湯で服用する
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連用しない(2〜3日で改善しない場合は医師相談)
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必要に応じて胃薬(PPI、H2ブロッカー)を併用する
-
潰瘍の既往がある場合はアセトアミノフェン製剤を選択する
医学的要点
-
NSAIDsは有効な鎮痛薬だが、プロスタグランジン抑制による胃障害リスクが存在する。
-
市販のバファリン製品のうち、バファリンA・プレミアム・ルナiはNSAIDs系であり胃粘膜障害の可能性がある。
-
胃が弱い、潰瘍の既往がある人には**アセトアミノフェン単剤(例:カロナール、ルナJ)**がより安全。
まとめ
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「バファリン」は製品によって主成分と副作用リスクが異なる。
-
NSAIDsを含む製品は胃粘膜障害を起こすことがある。
-
制酸成分入りでも完全に安全ではない。
-
胃潰瘍既往例や高齢者では、服薬前に医師・薬剤師への相談が推奨される。
参考文献
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日本消化器病学会. NSAIDs潰瘍診療ガイドライン2020. 南江堂.
-
厚生労働省: 一般用医薬品におけるNSAIDsの安全使用.
-
ライオン株式会社 バファリン公式サイト 製品情報.
-
PMDA医薬品副作用データベース(NSAIDs関連消化器障害報告集計, 2024年版).
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